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人と自然科 1年生を対象に第2回先輩農業者特別授業を実施しました

 1月20日(月)人と自然科の1年生の生徒を対象に、今年度2回目となる先輩農業者特別授業を実施しました。

 この授業は、阪神農業改良普及センター様との連携事業で、地域で活躍されている若手先輩農家の方をお招きし、農業の楽しさや面白さ、やりがい、さらには大変なことなど、直接お話を伺うことで、将来の進路につなげようという取り組みです。ちなみに5月には3年生を対象に、三田市で梅・栗を中心に栽培されている小仲さんをお招きし第1回の先輩農業者特別授業を行いました。

 令和6年度第1回先輩農業者特別授業に関する記事はこちら

 人と自然科で学ぶ生徒は、農業に限らず、経営や栄養、スポーツなど様々な分野に進学しています。また就職では製造業や運輸業、公務員など幅広い職種に就職していきます。以下現3年生の進路先の速報です。

 速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 現3年生の進路先の速報をご覧いただくとわかるとおり、農業を学ぶ学科ということで、就農や関連産業への就職を目標に農学系の国公立大学、私立大学、専門学校へ進学する生徒も一定数います。先輩農業者特別授業は、このような生徒を後押しすることはもちろん、他の分野へ進む生徒にとっても、経営者でもある先輩農業者の話は有益な情報をたくさん得ることができる絶好の機会となっています。

 

 さて、今年度2回目となる今回は宝塚市で観光農園『エーアイファーム』を経営されている石井伸啓先輩にお越しいただきました。石井先輩は人と自然科の前身である生産流通科の最後に卒業され、水道や観光など農業以外の仕事に就かれました。高校在学中は農業をすることを考えていなかったとのこと。一方で他産業での経験が現在の農業経営に活かされているとのことでした。

 

 そして平成28年5月に就農し『エーアイファーム』を立ち上げました。観光農園を中心とした経営をされており、イチゴ狩り、サツマイモ堀りを中心に多くのお客様が石井先輩の農場に訪れているそうです。『直接お客様からおいしいという言葉を聞くことができる。これが私にとって農業の魅力です。』と嬉しそうにおっしゃっていました。さらに先輩の農家さんに教えてもらいながら、ブドウや落花生など新たな作目にも挑戦しておられます。『今でも毎日必死に勉強しています。もしからしたら学生時代よりも勉強しているかもしれません。』という言葉が印象的でした。

 

  そして最後に人と自然科で学ぶ後輩の私たちへ

 「今有馬高校人と自然科で毎日学んでいる授業や実習、たとえば農産物を販売してお金をいただくこと、いただいたお金がしっかり収益を上げているか検証すること、このような日々の学びが当たり前だと思わないでください。皆さんは特別な経験を毎日しています。そして将来、皆さんにはぜひ事業を起こしてほしいと思います。高校や大学で学びながら事業を興こすことも可能です。農業、また農業以外でも良いのでぜひ事業主になって活躍して下さい。応援しています。」

 というメッセージを頂きました。

 講義後は質問コーナー『観光農園を経営していく中で一番大変なことは何ですか?』『1年間の農業経営の中で一番忙しい時期はいつ頃ですか?どのような作業に追われていますか?』『農業経営で使用している農業機械について詳しく教えてください。』『ブドウ栽培を始めるとき、大変だったことはありますか?』『オクラ栽培に使用されている生分解性マルチはどのくらいで分解されますか?』などなど20分以上質問が続くなど、1年生の生徒にとって興味深い内容だったようです。

 

 石井先輩、お忙しい中興味深いお話本当にありがとうございました。そして阪神農業改良普及センターの皆様、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。

人と自然科 令和6年度課題研究発表会を開催しました

 1月16日(木)講義棟にて人と自然科令和6年度課題研究発表会を実施しました。『課題研究』の授業は、入学してから様々な授業や実習をとおして農業や環境について学んできた知識や経験を活用して生徒自ら課題を設定し、計画、実施、評価する科目です。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 そして課題研究発表会は自分が取り組んだ研究をスライドにまとめ、1.2年生の後輩の前で発表します。3年生にとって、3年間の農業の学びの集大成と位置付けられている会です。発表前も最高の発表ができるように、後輩が会場に入る前に3年生のみでリハーサル。スライドと原稿の読み合わせを行い最終確認です。

 3時間目、いよいよ講義棟に人と自然科3学年全員が集まり、課題研究発表会のスタートです。

 司会進行や計時、照明など運営もすべて1,2年生の生徒が担当し発表会を進めていきます。

  人と自然科は野菜、草花、果樹と緑の3つの部門があり、1.2年生ではすべての部門を学びます。そして3年生になると一つの部門を選択し、1年間集中的に学びます。それでは3年生が1年間取り組んだ研究テーマを紹介します。

 まず野菜部門。

 

・イチゴの栽培比較実験
・トマトの品種と栽培方法による生育調査
・黒豆の無農薬栽培と遺伝特性について
・ヤマノイモの生育実験
・マルチの違いによる生育実験
・緑肥作物を用いた減化学肥料栽培

 

 続いて草花部門

 

・綿花の生育環境による成長の違い
・品種改良の可能性
・キフゲットウと斑入りモミジの繁殖
・シダ植物の成長過程と発芽研究
・多肉植物を増やそう
・シードペーパーづくり~好気性種子の発芽率を上げるためには~

 

 最後は果樹と緑部門です。

・ビオトープの活用
・環境に優しい害虫対策
・有馬富士と花火
・アボカド
・青パパイヤのことを知ってほしいんです!!
・ブドウの収穫に新時代!農場当番に革命を!
・放置竹林問題に立ち向かえ ビートルズ!!

 

 どの発表もしっかり事前に計画し、仮説を立て、実験結果から考察している素晴らしい内容でした。後輩の1.2年生もタブレットにアップロードした研究内容の要旨も見ながら、先輩方の発表を真剣に聞いていました。

 生徒や先生からの質問にもしっかり回答。最後は大きな拍手が送られていました。

 

 そして全学年生徒の投票の結果、草花班『品種改良の可能性』の発表が学科代表に選ばれました。

 

  今回学科代表に選ばれた上記の発表は、2月1日(土)に有馬高校で行われる学習活動発表会にて、人と自然科代表として発表します。中学生の皆さん、保護者の皆さま楽しみにしておいて下さい。

 発表会終了後、3年生全員で最後になるかもしれない集合写真です。

 

 3年間人と自然科での学校生活はいかがでしたか?本当に元気いっぱい、そして3年間の成長していく変化が目に見えてわかるクラスでした。また最上級学年になり、農業クラブの各種競技会での活躍、農業祭やイベントなどでリーダーシップを発揮し、後輩を引っ張っていく姿がとても印象的でした。さらにクラス一丸となり戦った進路も就職、進学とも自身の目標を実現できたようです。

速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 あと少しこのまま頑張ったら(卒業考査を乗り切ったら)入学時から一人もかけることなく、全員で卒業を迎えられます。人と自然科での学びや経験を活かし、次のステップでも頑張ってください。農場の先生方も皆さんの活躍を応援しています。本当にお疲れさまでした。

人と自然科 来年度に向け冬季休業中も当番実習(総合実習A)頑張りました

 あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。冬季休業も本日最終日。明日からいよいよ3学期がスタートします。インフルエンザやコロナが流行しているというニュースも聞きます。皆さん体調には十分注意し、元気に新学期を迎えましょう。

 さて、冬季休業中も人と自然科の生徒は『総合実習B』という授業があり、1.2年生の生徒を中心に当番制で実習を頑張りました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 この時期の実習の中心は来年度の作付けに向けた土づくりが中心となってきます。堆肥や多種の肥料を基肥(作物の栽培前に施す肥料)として施し、耕うん(畑を耕すこと)を行いました。

 まずは1年生。入学後「農業と環境」の授業でスイートコーンやダイコンハクサイを栽培した圃場や、もち米を栽培した水田にみんなで堆肥を施します。

 スイートコーンの収穫に関する記事はこちら

 ダイコン・ハクサイの収穫に関する記事はこちら

 もち米の収穫に関する記事はこちら

 一輪車満タンにした堆肥を圃場や水田に運搬し、等間隔に落としていきます。

 そして全体に圃場や水田全体に堆肥を広げた後、乗用トラクタの運転方法を学び、畑に堆肥をすきこみました。

 今回1年生が基肥を施し、土づくりを行った圃場と水田は、4月に入学する新入生に受け継がれます。中学生3年生の皆さんお待ちしています。

 さて、場面は果樹園に変わり・・・2年生がブドウ畑に堆肥や油かす、有機化成肥料などを基肥として施しました。

 有馬高校ブドウ販売に関する記事はこちら

 年末には前半グループが、ベリーAとピオーネの圃場で実習を行いました。

 まずはブドウ畑に事前に掘っておいた穴に肥料を投入していきます。(畑に穴を掘る技術を穴肥えといい、ブドウの根を更新する目的もあります。)

 そして穴を埋め戻し、地表面全体にも肥料を施します。

 肥料を施した後は耕うん作業です。果樹園では大型の歩行用トラクタを使用しました。農業機械の授業で学んだディーゼルエンジンの仕組みについて復習した後、エンジンをかけます。

 無事エンジンがかかったところで、耕うん作業を行います。歩行用の大型トラクタは馬力が大きいため、ブドウの樹や鉄菅に挟まれないように、安全には細心の注意を払って実習を行います。

 そして年明けには後半グループがマスカット温室内の耕うん実習も行いました。

 これで土づくりはばっちりです。来年もおいしいブドウが収穫できたらいいですね。

 いよいよ明日から3学期。3学期は春の農業祭に向けた花と野菜の苗づくりがスタートします。

 今年度の春の農業祭の様子はこちら 

 地域の方に丈夫な花苗、野菜苗が提供できるよう、そしてなにより知識や技術を身に付け、自分自身が成長できるように頑張っていきましょう。

人と自然科 農業クラブ Xmas恒例 花の寄せ植えサプライズプレゼント

 12月24日(火)今年はクリスマスイブに有馬高校は終業式を迎え、冬休みに入りました。

 2学期終業式に関する記事はこちら

 クリスマスといえば・・・そうです。農業クラブ本部役員の生徒による、JR三田駅前花の寄せ植えサプライズプレゼントです。少なくとも20年以上続いている、人と自然科伝統の地域貢献活動です。この日に向け農業クラブの生徒が自分たちで栽培したビオラの花を使って寄せ植えを制作し、準備を行ってきました。

 

 配布前には花柄を摘み、最終チェック。鉢をきれいに拭いて持ち帰り用の袋に詰め、準備万端です。

 終業式&HRが終わり2学期全日程が終了。すぐに7名の農業クラブ本部役員の生徒が準備していた寄せ植えを公用車に積み込み、JR三田駅前高架に移動。こちらも恒例となったサンタ姿に変身し、早速花の寄せ植えサプライズ無料配布(クリスマスプレゼント)をスタートしました。

 今年の寄せ植えは、1鉢にビオラを3株を植栽。生徒が作成したオリジナルステッカーも貼りました。「有馬高校です。花の寄せ植え、無料配布しています。いかがですか?」と駅を通り過ぎる方に声をかけていきます。

 

 間もなく声を聴いた方が立ちどまり、花の寄せ植えを受け取ってくださいました。

 

『本当にもらってもいいの?びっくりした。』

『とってもきれいね。大切に育てるわ。』

 

 などなど受け取っていただいた方から嬉しい言葉をたくさん頂きました。また今年は寄せ植えと同時に、農業クラブ生徒が作成したクリスマスオリジナル缶バッジもお渡し、とても喜んでくださいました。そして用意していた60鉢が28分でなくなってしまい、高校生サンタはアッというまに姿を消しました。

  

 寄せ植えを受け取ってくださった皆様。大切に育ててくださいね。そしてこのブログを見て下さったみなさまにも、サンタさんから素敵なプレゼントが届きますように・・・Merry Christmas!

人と自然科 果樹と緑班 ひょうごSDGsスクールアワード2024 最優秀賞を受賞しました

 このたび、有馬高校人と自然科果樹と緑班が『ひょうごSDGsスクールアワード2024』で最優秀賞校に選ばれ、代表生徒が12月20日(金)に表彰式に出席しました。

 兵庫県教育委員会が主催する『ひょうごSDGsスクールアワード2024』は、広く県内の学校園にSDGsへの関心の普及啓発を図ることを目的として、児童・生徒が主体となって取り組んでいるSDGsの目標達成につながる活動に関し、特に先進的な取組を行っている学校園を顕彰する大変名誉ある県知事表彰です。

兵庫県教育委員会記者発表記事はこちら.pdf

 今回人と自然科果樹と緑班が受賞した内容は、『循環型農業(環境保全型農業)の実践と副産物の活用に関する取り組み』です。人と自然科で行われている放置竹林問題に取り組む中で、竹パウダーの貯蔵地で大量のカブトムシの幼虫を発見し、「課題研究」などの授業や農業クラブ活動を通して詳しく調査すると、竹パウダーで育てたカブトムシが小型化することや、カブトムシの幼虫の糞が活用できる可能性があることを突き止めました。この活動をとおして、カブトムシとその糞の可能性を知り、この取組を普及させていくことで、地域全体で放置竹林問題に取り組める一手としたいという想いを地域に広く伝えていることが高く評価されました。ちなみにこれらの活動は、夏に開催された兵庫県学校農業クラブ連盟大会のプロジェクト発表会でも評価され、優秀賞を受賞しています。

 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 前編 (大会1日目)に関する記事はこちら

 続 第72回兵庫県学校農業クラブ連盟大会 今年も人と自然科生徒が大活躍 後編 (大会2日目)に関する記事はこちら

  今回はこの活動の中心として活躍した3年生3名が、指導した先生と一緒に代表生徒として出席。兵庫県教育長より直接、賞状とトロフィーが授与されました。(いただいたトロフィーは、LEDライトで14色に光り輝く素晴らしいものでした。)

 

  今回の受賞は、環境教育の充実をスクールポリシーの一つとして掲げている人と自然科にとって、大変価値あるものであり、生徒・職員にとっても誇らしいニュースとなりました。

人と自然科スクール・ポリシーはこちら.pdf

 これからも農業、そしてそれを取り巻く環境について授業や実習で楽しく学んでいきましょう。

 

 この度は名誉ある賞を授与いただき本当にありがとうございました。