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カテゴリ:農業部

人と自然科×進路指導部 2年生を対象に卒業生を囲む会を実施しました

 先日有馬高校でも第77回卒業式が盛大に行われ、有馬高校で3年間学んだ生徒たちが旅立っていきました。充実した3年間でしたか?有馬高校での経験を活かして、夢の実現に向け次のステージでも頑張って下さい。

  第77回卒業式に関する記事はこちら

 さて、卒業式の熱気も冷めない3月6日(木)、人と自然科2年生(78回生)の生徒を対象に、卒業生を囲む会が開催されました。人と自然科と進路指導部が合同で実施しているこの行事は、卒業を迎えたばかりの先輩方に来校いただき、自分の目標としてきた進路を実現した経験を直接後輩に伝えるという、先輩、後輩のつながりが強い人と自然科ならではの伝統行事です。

 囲む会当日、制服からスーツ姿に変わった人と自然科の卒業生7名が再び集結。卒業して間もないですが、元担任の先生や旧友と会えてテンションが上がりますね。後輩のために来てくださり本当にありがとうございます。

 

 今年人と自然科を卒業した先輩も、3年間の農業に関する授業や実習、校外活動で身につけた知識や経験を活かし、国公立大学3名をはじめ、多様な進路を実現しています。

速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 そして今回は、鳥取大学、鳥取環境大学、龍谷大学、摂南大学、大阪体育大学、専門学校アートカレッジ神戸、西日本旅客鉄道株式会社に進学、就職する7名の卒業生に囲む会への参加を快諾していただきました。

 

 3時間目まずは全体会。改めての自己紹介の後、【どのタイミングで、そしてどのような過程を経て進路先を決定したのか?】【進路先を決めた後、合格・内定を手に入れるために取り組んだことは?】【卒業した今だからこそ言える進路実現のために高校3年間で取り組んでおいた方が良いこと】についてお一人ずつアドバイスをいただきました。

 

 入学前から決めていた進路を実現した先輩もいた一方、3年生に入って大きく進路が変わっていた先輩もおり、普段から勉強を頑張っておくこと、そして人と自然科で様々なことに挑戦しておくことで対応できることを教えていただきました。さらに1年前のこの卒業生を囲む会で先輩から話を聞き、すぐに進路指導室に行ったことで現在の進路を決定したという話もありました。

 そしてオープンキャンパスにこの春休みから積極的に参加しておくこと、さらに推薦入試を中心にチャレンジしていく生徒がほとんどの人と自然科においては、面接や小論文がとても重要になってくること、特に小論文は少しでも早く練習を始めておくことの重要性を教えていただきました。面接は学年の先生や進路指導部の先生に加えて、農業部(人と自然科)の先生にもしてもらえるのが良かったとのこと。中には苦手な面接を克服するために、農業部の先生全員に練習してもらい、合格を手にした生徒もいました。

 

  また、就職される先輩からは、就職模試への取り組みの重要性、そして就職試験に臨むにあたって自己分析をしっかり行い、自分の長所と短所を知っておくことの大切さを教えていただきました。さらにどの先輩も口をそろえておっしゃっていたのが資格検定の重要性について。人と自然科で取得できる農業技術検定や建機系など専門的な資格、そして進学の生徒は英語検定の取得が重要になってくるとのことでした。

 

 全体会のあとは分科会。国公立農業系4年制大学、私立農業系4年制大学、農業系以外の4年制大学、専門学校、就職・公務員の5グループに分かれて先輩を囲みました。

 

 先ほどの全体会で先輩方から熱いメッセージがたくさんあったこともあり、2年生からはたくさんの質問があり、先輩は一つ一つ丁寧に答えてくださいました。進路実現までのスケジュールをわかりやすくまとめた手作りのシートを使って説明をしてくださった先輩もおられ、メモをとりながら前のめりで聞いている2年生の姿が印象的でした。

 

 先輩の中には大学の推薦入試や就職で作成した面接ノートや小論文の練習シートなどを実際の持参してくださり、具体的なアドバイスをいただきました。そして先輩が実際に提出した志望理由書のコピーを見て、その内容と量に驚いたようです。ちなみに担当の先生と一緒に、完成まで2週間ほどかかったとのこと。農業クラブ活動や学校行事、海外研修や課題研究などの実績を踏まえた志望理由がしっかり書かれていましたね。本当に参考になります。

 

 先輩との会話が止まらない中であっというまに時間が過ぎ、1時間の座談会は終了。やむなく打ち切りとなってしまうほどの熱量でした。このようにOB・OGが後輩をサポートしてくれるのも人と自然科の大きな魅力です。先輩にお礼を伝えて会は終了しました。先輩からの応援をエネルギーにして、今日から進路実現に向けスタートです。先生方と二人三脚で頑張っていきましょう。

 

 最後に新生活の準備で忙しい中、後輩のために時間を作ってくださいました7名の卒業生の皆さん。本当にありがとうございました。

人と自然科 地域自然保護で作成した夢プログラム模造紙 三田市自然学習センターに展示中です

 人と自然科3年生選択科目『地域自然保護』の授業では県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに、自分の特技を生かした公園の自然を感じてもらうための体験プログラム『夢プログラム』を生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

  人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 12月には1年間の集大成として、実際に高校生を公園に招き自分たちで企画した『ありまふじ夢プログラム』を実施。天候にも恵まれ大成功に終わりました。以下実施内容をまとめた記事です。

  地域自然保護1年間の集大成 ありまふじ夢プログラム実施に関する記事はこちら

 授業では3学期に入り、参加者からのアンケート結果、そしてアドバイザーとして見守ってくださっている人と自然の博物館の先生から『ありまふじ夢プログラム』について講評をいただき、自分自身で反省・評価を行いました。

 そしてこの授業の最後の取組として、自分たちが実施した夢プログラムを多くの方に知っていただくために、巨大な模造紙にまとめる実習を行いました。

 

 模造紙の前を通った人に目に留まるように『アイキャッチ』になる仕掛けを施し、イラストや写真を多めに盛り込むことで初めて模造紙を見た人でも内容を理解してもらえる工夫にもしっかり取り組めていました。

 

 高校生活最後の1か月。みんなで協力して完成した模造紙は、先日開催された学習活動発表会で展示し、現在は三田市自然学習センター地下1階掲示板に掲示させていただいています。

 

 1階の自然学習センター入口から入館し、展示物を見ながらスロープで地下1階に降りたところの左手にある巨大な掲示板です。

 模造紙には、生徒が企画・実施した夢プログラムの目的や詳しい実施内容、ゲストに感じてほしい有馬富士公園の魅力などをわかりやすく(楽しく)まとめられています。

 有馬富士公園に訪れた際は、生徒の力作をぜひご覧ください。

人と自然科 ひとはく連携セミナー最終回  三田周辺の地層と化石について学ぶ

 1月17日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度最終回 第8回目となるひとはく連携セミナーが実施されました。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。前回の7回目も『人とのかかわりから見た三田盆地周辺の地形と地質』をテーマに、加藤 茂弘研究員より三田盆地周辺の大地と私たちとのかかわりについて講義をいただきました。

 ひとはく連携セミナー7回目 三田盆地周辺の地形と地質について学ぶ に関する記事はこちら

  いよいよ最終回となる今回は、半田久美子研究員より『三田周辺の地層と化石~植物化石の仲間分けにチャレンジ~』をテーマに講義いただきました。有馬高校が位置する三田周辺には恐竜時代の火山活動によってできた有馬群層の上に、その後の河川活動による堆積物である神戸群層や大阪群層が積み重なっています。今回はこれらの群層からどのような化石が見つかったのか、お話しいただきました。

 

 まず半田先生より『有馬高校の周辺には化石が存在すると思いますか?もしあるとすればどのような化石があると思いますか?』という問いかけからスタートしました。普段何気なく通学し、農場の土を掘り返していますが、そんなこと想像したこともなかったですね。有馬高校周辺の地質図(表土の下にどのような種類の石や地層が分布しているのかを示した地図)を見てみると、約3000万年前にできた神戸群層が存在しており、東条湖凝灰石が見られます。そしてこの東条湖凝灰石には植物の葉の化石が多く見つかっているようです。

 そして半田先生から、この地域で発見された化石の種類について教えていただきました。メタセコイヤやブナ、タマミズキなどの植物の葉の化石、そして樹幹が珪化した植物化石である珪化木も多く見つかっているようです。さらに植物だけでなく哺乳類の化石も見つかっており、カバ・イノシシの仲間であるサンダタンジュウや原始的な小型のサイであるヒラキウスなどの化石も発見されておるとのこと。驚きですね。

 化石の種類について学んだあとはグループに分かれ、神戸層群の葉の化石の仲間分けに挑戦しました。まずそれぞれの葉の特徴について細かく説明を受けます。そして半田先生が準備してくださったたくさんの植物の化石の中から、先生が指示された化石を探し、グループのメンバーと当たっているか議論します。

 

 最後にスコープで化石を画面に映し、半田先生と一緒に葉の特徴を確認しながら答え合わせです。当たっていましたか?本物の化石を使って仲間分けというなかなかできない経験に大盛り上がりでした。

 

  これこそ博物館でしか学ぶことができない、貴重な学びですね。半田先生興味深いお話本当にありがとうございました。

 以上で今年度のひとはく連携セミナーは終了です。『ひとはく連携セミナーが終わってしまうのがさみしい・・・』そんな感想も聞かれました。実際に博物館の専門員から高度な内容の講義を聞く機会はなかなかないですよね。今回学んだことは2年生以降の学び、そして3年生の進路で大きな武器になります。ぜひ活かしてください。県立人と自然の博物館の皆さま、このような機会をいただき本当にありがとうございました。

人と自然科 1年生を対象に第2回先輩農業者特別授業を実施しました

 1月20日(月)人と自然科の1年生の生徒を対象に、今年度2回目となる先輩農業者特別授業を実施しました。

 この授業は、阪神農業改良普及センター様との連携事業で、地域で活躍されている若手先輩農家の方をお招きし、農業の楽しさや面白さ、やりがい、さらには大変なことなど、直接お話を伺うことで、将来の進路につなげようという取り組みです。ちなみに5月には3年生を対象に、三田市で梅・栗を中心に栽培されている小仲さんをお招きし第1回の先輩農業者特別授業を行いました。

 令和6年度第1回先輩農業者特別授業に関する記事はこちら

 人と自然科で学ぶ生徒は、農業に限らず、経営や栄養、スポーツなど様々な分野に進学しています。また就職では製造業や運輸業、公務員など幅広い職種に就職していきます。以下現3年生の進路先の速報です。

 速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 現3年生の進路先の速報をご覧いただくとわかるとおり、農業を学ぶ学科ということで、就農や関連産業への就職を目標に農学系の国公立大学、私立大学、専門学校へ進学する生徒も一定数います。先輩農業者特別授業は、このような生徒を後押しすることはもちろん、他の分野へ進む生徒にとっても、経営者でもある先輩農業者の話は有益な情報をたくさん得ることができる絶好の機会となっています。

 

 さて、今年度2回目となる今回は宝塚市で観光農園『エーアイファーム』を経営されている石井伸啓先輩にお越しいただきました。石井先輩は人と自然科の前身である生産流通科の最後に卒業され、水道や観光など農業以外の仕事に就かれました。高校在学中は農業をすることを考えていなかったとのこと。一方で他産業での経験が現在の農業経営に活かされているとのことでした。

 

 そして平成28年5月に就農し『エーアイファーム』を立ち上げました。観光農園を中心とした経営をされており、イチゴ狩り、サツマイモ堀りを中心に多くのお客様が石井先輩の農場に訪れているそうです。『直接お客様からおいしいという言葉を聞くことができる。これが私にとって農業の魅力です。』と嬉しそうにおっしゃっていました。さらに先輩の農家さんに教えてもらいながら、ブドウや落花生など新たな作目にも挑戦しておられます。『今でも毎日必死に勉強しています。もしからしたら学生時代よりも勉強しているかもしれません。』という言葉が印象的でした。

 

  そして最後に人と自然科で学ぶ後輩の私たちへ

 「今有馬高校人と自然科で毎日学んでいる授業や実習、たとえば農産物を販売してお金をいただくこと、いただいたお金がしっかり収益を上げているか検証すること、このような日々の学びが当たり前だと思わないでください。皆さんは特別な経験を毎日しています。そして将来、皆さんにはぜひ事業を起こしてほしいと思います。高校や大学で学びながら事業を興こすことも可能です。農業、また農業以外でも良いのでぜひ事業主になって活躍して下さい。応援しています。」

 というメッセージを頂きました。

 講義後は質問コーナー『観光農園を経営していく中で一番大変なことは何ですか?』『1年間の農業経営の中で一番忙しい時期はいつ頃ですか?どのような作業に追われていますか?』『農業経営で使用している農業機械について詳しく教えてください。』『ブドウ栽培を始めるとき、大変だったことはありますか?』『オクラ栽培に使用されている生分解性マルチはどのくらいで分解されますか?』などなど20分以上質問が続くなど、1年生の生徒にとって興味深い内容だったようです。

 

 石井先輩、お忙しい中興味深いお話本当にありがとうございました。そして阪神農業改良普及センターの皆様、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。

人と自然科 令和6年度課題研究発表会を開催しました

 1月16日(木)講義棟にて人と自然科令和6年度課題研究発表会を実施しました。『課題研究』の授業は、入学してから様々な授業や実習をとおして農業や環境について学んできた知識や経験を活用して生徒自ら課題を設定し、計画、実施、評価する科目です。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 そして課題研究発表会は自分が取り組んだ研究をスライドにまとめ、1.2年生の後輩の前で発表します。3年生にとって、3年間の農業の学びの集大成と位置付けられている会です。発表前も最高の発表ができるように、後輩が会場に入る前に3年生のみでリハーサル。スライドと原稿の読み合わせを行い最終確認です。

 3時間目、いよいよ講義棟に人と自然科3学年全員が集まり、課題研究発表会のスタートです。

 司会進行や計時、照明など運営もすべて1,2年生の生徒が担当し発表会を進めていきます。

  人と自然科は野菜、草花、果樹と緑の3つの部門があり、1.2年生ではすべての部門を学びます。そして3年生になると一つの部門を選択し、1年間集中的に学びます。それでは3年生が1年間取り組んだ研究テーマを紹介します。

 まず野菜部門。

 

・イチゴの栽培比較実験
・トマトの品種と栽培方法による生育調査
・黒豆の無農薬栽培と遺伝特性について
・ヤマノイモの生育実験
・マルチの違いによる生育実験
・緑肥作物を用いた減化学肥料栽培

 

 続いて草花部門

 

・綿花の生育環境による成長の違い
・品種改良の可能性
・キフゲットウと斑入りモミジの繁殖
・シダ植物の成長過程と発芽研究
・多肉植物を増やそう
・シードペーパーづくり~好気性種子の発芽率を上げるためには~

 

 最後は果樹と緑部門です。

・ビオトープの活用
・環境に優しい害虫対策
・有馬富士と花火
・アボカド
・青パパイヤのことを知ってほしいんです!!
・ブドウの収穫に新時代!農場当番に革命を!
・放置竹林問題に立ち向かえ ビートルズ!!

 

 どの発表もしっかり事前に計画し、仮説を立て、実験結果から考察している素晴らしい内容でした。後輩の1.2年生もタブレットにアップロードした研究内容の要旨も見ながら、先輩方の発表を真剣に聞いていました。

 生徒や先生からの質問にもしっかり回答。最後は大きな拍手が送られていました。

 

 そして全学年生徒の投票の結果、草花班『品種改良の可能性』の発表が学科代表に選ばれました。

 

  今回学科代表に選ばれた上記の発表は、2月1日(土)に有馬高校で行われる学習活動発表会にて、人と自然科代表として発表します。中学生の皆さん、保護者の皆さま楽しみにしておいて下さい。

 発表会終了後、3年生全員で最後になるかもしれない集合写真です。

 

 3年間人と自然科での学校生活はいかがでしたか?本当に元気いっぱい、そして3年間の成長していく変化が目に見えてわかるクラスでした。また最上級学年になり、農業クラブの各種競技会での活躍、農業祭やイベントなどでリーダーシップを発揮し、後輩を引っ張っていく姿がとても印象的でした。さらにクラス一丸となり戦った進路も就職、進学とも自身の目標を実現できたようです。

速報 令和6年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 あと少しこのまま頑張ったら(卒業考査を乗り切ったら)入学時から一人もかけることなく、全員で卒業を迎えられます。人と自然科での学びや経験を活かし、次のステップでも頑張ってください。農場の先生方も皆さんの活躍を応援しています。本当にお疲れさまでした。