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第2回ひとはく連携セミナー「未来に残したい農業や農村の魅力」

 5月30日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度第2回目となるひとはく連携セミナーが実施されました。

 

 有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。前回第1回目も『兵庫県のいろいろな生き物』をテーマに講義していただきました。

 

 第2回目となる今回は『未来に残したい農業や農村の持つ魅力』をテーマに、衛藤彬史 研究員より講義をいただきました。

   

 まずは、2013年にユネスコ世界無形文化遺産に登録された和食から見る、大豆生産の今について説明いただきました。日本人食文化を考えるうえで味噌や醤油などの使用される大豆は和食の要です。しかし、国内自給率は約20%で、ほとんどを安価に購入できるアメリカやカナダ、ブラジルから輸入しています。このまま大豆生産が衰退してしまえば、和食を支える大豆加工品の生産や加工・調理・盛り付けに関する文化も引き継げなくなる可能性が高くなります。

     

 その他にも、ユネスコ世界無形文化遺産に登録されている日本の文化について学びました。2014年には「和紙」が登録されました。和紙の原料は、コウゾ・ミツマタ・ガンピなどが主に使用されています。その和紙の生産におけるコウゾの国産比率はおそらく5%以下といわれており、文化財の補修に使用する和紙も外国産が使われているのだそうです。(ちなみに絹の国産比率も0.2%以下という状況…。)

   

このように、日本の大切な文化を支えるための原料生産に関わる文化は絶滅寸前。衛藤先生から、「このままでいいのか?何ができるのか?自分たちで考えてみてください。」とお話がありました。正解がない問いについて考えることは難しいですが、しっかり考え抜いてほしいと思います。

 

 そして多様な農村景観を守る取組みについても学びました。学校での授業でも学んでいますが、近年農業就業人口が減少し、農業は衰退しています。その結果美しい農村景観も失われつつあります。先生からは棚田や傾斜地農業、静岡県伊豆市の水わさび伝統栽培など全国のユニークな取組みを紹介いただきました。

   

 また、先生から『農業はクリエイティブだ』という言葉をいただきました。丹波篠山市のある農家さんでは、ホウレンソウをあえてとう立ちさせ、柔らかい葉を摘んで1枚単位で販売するビジネスを展開されています。また、通常はかがんで収穫する必要がある大納言小豆の栽培中、つる化している個体があることに気付き、この個体を選抜しつる化させ支柱を使用して栽培を行ったそうです。その結果、お年寄りでもかがまずに収穫できるようになったそうです。農業が持つ多様な可能性を感じることができました。

   

 

 最後に、全国の在来大豆や兵庫県の在来大豆、古代米を見せていただきました。初めて見る大豆ばかりで、大変興味深かったです。

   

 

衛藤先生、本当にありがとうございました。

 

第1回ひとはく連携セミナー「兵庫県のいろいろな生き物~タンポポ・ダンゴムシ・カタツムリなど~

 今年も学校設定科目「人と自然」の授業で、ひとはく連携セミナーがスタートしました。有馬高校の人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。有馬高校から徒歩で約25分。みんなで元気よく歩いていきます。

   

 さて、第1回目のセミナーは「兵庫県のいろいろな生き物~タンポポ・ダンゴムシ・カタツムリなど~」をテーマに、毎年お世話になっている鈴木武研究員の講義を拝聴しました。

 

 まず、身近な生き物について説明がありました。生き物には特徴から名前がついているものが多くあるようで、イモリは井戸や池を守る「井守」、ヤモリは家を守る「家守」、コウモリは河を守る「河守」という意味が込められているとのことでした。また、コウモリの翼の構造についても教えていただきました。コウモリの翼は、人間でいうと「腕」に当たります。コウモリが哺乳類であることを知っている生徒は多くいましたが、人間と同じように、5本の指があることを知り、驚いていました。

     

 次に、鈴木先生が研究の第一人者であるタンポポについて説明していただきました。タンポポにはカンサイタンポポやセイヨウタンポポ、シロバナタンポポなど多様な種類があり、花弁の色はもちろん、特に外片(総苞外片)の細かな形の違いで見分けるのだそうです。総苞外片がぴったりとくっついているのが「カンサイタンポポ」、反り返っているのが「セイヨウタンポポ」です。ちなみに近年は、カンサイタンポポとセイヨウタンポポの雑種も増えているそうです。また、タンポポと見間違えやすいブタナとの見分け方についても教えていただきました。

   

 最後に、鈴木先生のコレクションも実際に見せていただきました。ヘラクレスオオカブトや蛇のレプリカ、イモリやハツカネズミ・・・それぞれの生き物の触り方や特徴など実際に触れて学ぶことができました。

     

    

 ネズミの標本を観察しながら、ネズミの分類についても教えていただきました。ネズミは「Mouse」ネズミ亜科、「Vole」ハタネズミ亜科に分類されます。違いとしては、耳が大きく尻尾が長いものが「Mouse」、耳が小さく尻尾が短いものが「Vole」に分類され、実際に「Mouse」を触らせていただきました。とっても可愛かったですね。

     

 鈴木先生、本当にありがとうございました。

 

人と自然科 バナナの収獲&販売

有馬高校の大温室で栽培していたバナナの追熟も無事に成功し、販売を行いました。

販売は大きな房のままその場で切って渡すというワイルドなスタイルで行ったので

インパクト抜群の販売実習となりました。

収獲したバナナの1つは見やすい場所にテープで展示しておきました。

新しい取り組みとして多くの人から評価されることを期待しています。

人と自然科 2年生 フローラルアート「生花を使ったコサージュ作り」

前回まではワイヤーのテクニックやテープの巻き方について何度も練習を繰り返していましたが、

いよいよ本物の草花(生花)を使ってコサージュを作ってみます。

  

校内で栽培しているガーベラなどを採取し、自分のセンスで組み立てていきます。

  

作業もてきぱきと進み、今までの練習の成果をいかんなく発揮してもらいました。

人と自然科 2年生 草花「世界にひとつ!新しいパンジーの開発を目指して」

草花の授業では草花の品種改良について学んでいます。

学校で栽培しているパンジーやビオラと、

学校周辺で見ることのできるスミレとの交雑が可能かを調べるため、

交雑育種を行いました。

地域自生のスミレから花粉を採取し、校内で栽培しているパンジーやビオラに受粉を行いました。

はたして有馬高校オリジナルのビオラが生まれるのでしょうか。

楽しみに様子を観察したいと思います。