Aioi High School,Passport to the World ~相生高校から世界へ~ |
Aioi High School,Passport to the World ~相生高校から世界へ~ |
みなさん、おはようございます。
コロナ感染拡大防止のため、急遽、放送での終業式となりました。
今年を振り返ると、コロナ禍ではありましたが、相高祭や体育大会、宿泊研修や修学旅行、各種講演会や研修会、オープンハイスクールなど、ほとんどの教育活動を従来の規模に戻し実施することができました。完全実施に対して、不安な面もありましたが、君たちなら大丈夫だろう、きちんとルールや約束事を守ってくれるだろう、任せて大丈夫だろうという安心感が、私の気持ちを実施へと向けてくれたように思います。そして、全てにおいて見事に期待通りの、期待以上の成果を収めてくれました。本当に皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。
さて、以前、神戸新聞に、23歳の女性で、大学を卒業して就職された方から、次のような記事が投稿されていました。
『小学校、中学校そして高校までは、何に対しても【正解】がありました。教科書の問題は解答ページに、とる べき行動は校則に、細かいことはすべて先生が答えを教えてくれました。勉強して、良い大学へ行って、素敵なパートナーを見つけることが、私にとって正しい事だと思っていました。しかし、大学や社会にでると突然、正解のない問題ばかりが降りかかってきます。何が正しいか、何が幸せなのか、自分で見極めろと言われます。私なりの正しさって何だろう?幸せって何だろう?幸せになることが人生の目標であるならば、今の私はどこに向かって歩んでいっていいかわからない。私は今、人生の【正解】が欲しいです。』
というものでした。始業式の時にも話をしましたが、これからの時代は、VUCAの時代と言われています。すなわち、「変動的で不確実で複雑で曖昧な時代」。何が正しいか分からない、正解のない時代が来ている事を表している投書のようにも思います。
高校での学習活動は、昔と大きく変わってきています。教科書の中身を丸暗記で、詰め込むだけではない学びが求められています。大学入試でも、思考力や判断力を問う問題が増え、面接では主体性や表現力が求められます。実社会では、アピール力やプレゼン力が求められます。要は、人に自分の考えを伝える力がとても重要であるということです。どんなに素晴らしい知識を有していても、それをうまく人に伝えることができなければ意味が無く、宝の持ち腐れになってしまいますからね。
要するに世の中での評価が、「インプットからアウトプット」に変化しているということなのです。教科書の内容をインプット(丸暗記)して、その内容をそのまま回答することで評価されていたこれまでの時代が終焉を迎えようとしています。これからは、基礎基本としてインプットした内容を、他の情報と絡めて、自分の頭の中で処理し、応用して、違った形や違った価値観として、どうアウトプット(表現)していくかが問われる時代になってきたということです。
そこで、皆さんに日頃から、意識して欲しいことは、
1 疑問を持つ訓練をしてください。質問力を高めて欲しいです。
講演会とかだけでなく、授業でもニュースでも、常に疑問を抱き、問いを立てる訓練をしてほしい。
2 他者との情報共有や協働を活発にして欲しいです。
恥ずかしがらずに、疑問を先生や友達、あるいは家族に伝えて情報共有する練習をしてください。また、一人では解決できない問いについて、周りの人と一緒に悩んだり解決したりするように心掛けてください。
まずはこの2つから意識してやってみてください。3学期は、探究の発表会もあります。皆さんの表現力やプレゼン力を楽しみにしています。
最後に、3年生の皆さん。いよいよ、共通テストまで1ケ月をきりました。しかし、まだ時間はあります。不安になったら負けです。自分を信じて、死に物狂いでラストスパートをかけてください。そして何より健康に留意することです。
それでは、生徒の皆さん、冬休みを怪我や事故等に巻き込まれることなく、全員が無事に新年を迎え、また元気に3学期の始業式に来てくれることを願い、式辞といたします。なお、3学期の始業式は、コロナ第8波の影響と共通テスト直前ということもあるため、今回と同じ放送での式とします。以上で終わります。