学校経営の重点目標

 

 1 スクール・ミッション

 

「自治 自由 創造」の理念の元、高貴な人格と確かな学力、健やかな体を備え、論理的思考力を身につけ、自由で柔軟な対応ができる人材を育成する。

 

2 スクール・ポリシー

 

〇育成をめざす資質・能力に関する方針(グラデュエーション・ポリシー)
・論理的思考力を身につけ、自治を重んじ、自由で柔軟な対応ができる生徒を育成する。
・変化の激しい時代において、様々な困難や課題に果敢に挑戦できる生徒を育成する。
・地域の課題に積極的に向き合い、主体的に意見を発信できる生徒を育成する。
・「時を守り、場を清め、礼を正す」ことのできる、こころ豊かで自立した生徒を育成する。
・健康的で安全安心な生活に心がけ、危機対応への意識も高くもてる生徒を育成する。

〇教育課程の編成および実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
・SDGsや国内外の社会問題についての興味関心を高められるよう学習の機会を設定する。
・ユニークな学校設定科目や高大連携講座等を通し、実践的・体験的な学びを展開する。
・『総合的な探究の時間』で、「芦屋から社会を考える」をテーマに課題研究に取り組む。
・ICT機器を有効に活用し、情報活用・処理能力を高める学習を展開する。

〇入学者の受け入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
・常に探究心を持ち、真摯に学びに向かい、自己を高める気概のある生徒を募集する。
・「自他共栄」の気持ちを持ち、互いに認め合い、高め合える生徒を募集する。
・健康や安全への意識を高く持ち、自己実現に向けて努力する生徒を募集する。

 

3 重点目標

 

 第4期「ひょうご教育創造プラン」に基づき、「『絆』を深め、『在りたい未来』を創造する力」の育成を目指し、次の6項目を重点目標とする。

(1) 「確かな学力や技能」の修得、「思考・判断・表現」の力を高める教育の推進

  • ア 基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着を目指し、主体的に学ぶ姿勢を育成する。
  • イ 多様な選択科目の設置や少人数授業、きめ細かなキャリアガイダンス等を通して、自己実現につながる教育を推進する。
  • ウ 課題解決型学習や体験型学習を積極的に取り入れ、思考力・判断力・表現力を育成する。

(2) 自治・自律の精神及び命と人権を尊重する「心の教育」の推進と豊かな人間性の育成

  • ア 成年年齢の引き下げへの意識も深め、社会生活上のルールやモラルを守る次元の高い倫理観を育成する。
  • イ 命の大切さを基盤とし、国内外の諸事象やSDGs学習、災害対応等を通して、やさしさや寛容の精神を育み、自助・共助・公助の意識を育成する。
  • ウ いじめやハラスメント等への高い意識を育み、生徒の心のケアに当たる教育相談体制の整備を推進する

(3) 「健やかな体」の育成と安全教育の推進

  • ア 体力向上を意識し、スポーツ等に励みながら健康的な生活を実践する意識を育成する。
  • イ 感染症対策等、危機に対応できる力を育む安全教育を推進する。

(4) 多文化共生社会の実現を目指す教育の充実

  • ア 「外国人生徒にかかわる特別枠選抜」の入学制度をもとに個別対応授業・日本語学習等の学習支援を行い、進路実現を支援するとともに、多様な文化背景をもつ生徒間での交流を促進する。
  • イ オーストラリアでの語学研修を実施し、コミュニケーション力の伸張を図り、国際理解を深める教育を推進する。

(5) 教職員の資質・指導力の向上、協働体制の構築による学校組織力の強化

  • ア 探究型学習、ICT学習等の課題教育活動の推進への使命感の高揚、観点別学習評価を取入れた授業展開の推進等により教職員としての資質・指導力を高める。
  • イ 教科横断型の課題研究の推進、学校の諸課題の改善に向けた協働体制の強化により学校組織力の向上を目指す。

(6) 地域に信頼され、地域の期待に応える開かれた学校づくりの推進

  • ア 学校の教育方針や教育内容について保護者や地域住民等への理解と協力を積極的に図り、学校への要望なども聴取しながら、地域に信頼される学校づくりを推進する。
  • イ 地域と連携し、「総合的な探究の時間」、「高校生ふるさと貢献・活性化事業」等の計画的な実施を通じて地域との連携を強め、開かれた学校づくりを推進する。

 

4 教科指導及び生徒指導(特別教育活動を含む)の重点

 

(1) 教科指導の重点

  • ア 「単位制」の特色を活かし、生徒の能力・適性、進路希望等に応じた選択科目を設置する。また、課題発見、課題解決型の学校設定科目を設置し、グローバル化に対応する資質・能力の育成と資質の向上につなげる。
  • イ 「確かな学力」を育成するために、教材の精選や指導の改善を行い、生徒一人ひとりが自ら考え、主体的に思考・判断し表現する能力の向上を目指す。
  • ウ 「シラバス」(各科目の履修計画・内容や評価規準)を生徒・保護者に公開し、開かれた学校づくりを推進する。
  • エ 新学習指導要領に基づき、指導と評価の一体化を意識した授業づくりを推進する。
  • オ 教務課、進路課、各年次との密接な連携に基づいて、生徒一人ひとりの個性と進路希望に応じた履修計画の作成を指導する。
  • カ 生徒が主体的に履修計画を作成できるよう、各種資料・情報を適切に提供しながら相談活動を推進する。
  • キ 「芦高タイム(総合的な探究の時間)」を通して、自己の在り方、生き方についての考察につなげる

 

(2) 生徒指導の重点

  • ア 生徒課を中心に、各年次、各課が有機的に連携し、共通理解を図り、指導体制を整える。
  • イ 生徒一人ひとりの特性等を多面的に把握し、健全育成を図る。また、問題を抱える生徒については全教職員がカウンセリングマインドを持って指導に当たる。
  • ウ ルール・マナーの遵守、時間厳守、挨拶の励行等、基本的生活習慣の確立を目指す指導を進める。
  • エ いじめ防止について、学校・家庭・地域が連携して取組み、定期的なアンケート調査を実施し、いじめの早期発見・早期対応につなげる。
  • オ ホームルーム活動等の集団生活の場を通じて、個人と社会の関係を自覚させ、寛容と協調の精神、良識ある判断力、自主・自律の精神を育成する。
  • カ 自治会活動については、生徒の発想や創造力を尊重し、執行部を中心としてその自治能力を育てる。また、その自発的活動を通して教育綱領にある「自治・自由・創造」の精神を体験的に育成する。
  • キ 部活動においては、年間指導計画に従い、教職員の指導のもとに安全に留意しながら健全な心
    身の成長・発達を目指した活動を実践し、望ましい人間関係を構築する。

(3) 進路指導の重点

  • ア 一人ひとりが将来の職業、生き方を考え、その実現を支援する。
  • イ 「進路別説明会」、インターンシップ等の行事を通して大学・専門学校の最新情報を提供するとともに、生徒が自分の適性と能力を理解した上で志望先を決定できる進路指導を推進する。
  • ウ それぞれの進路ごとに必要な情報をまとめた「進路のしおり」を活用し、進路実現への具体的イメージを持たせ、多くの生徒が自分の第一志望を実現できるよう指導する。

(4) 人権教育の推進

  • ア 兵庫県が定める「人権教育基本方針」を踏まえ、人権尊重の精神を高める教育を推進する。
  • イ 教科指導やホームルーム活動を通じて、「HUMAN RIGHTS」等を有効に活用し、人間として相互に尊重しあう生き方への考察を深め、人権感覚の涵養につなげる。
  • ウ 教育の主体性・中立性を堅持するとともにあらゆる人権課題について共通理解を深め、多様性を尊重できる高い人権感覚を身につけた生徒を育成する。

 

5 健康管理に関する指導の重点

  

 保健体育の授業をはじめとするあらゆる教育活動の場を活用して、体力増強・健康管理について知識と対策を理解させ、その普及、実践の習慣を体得させ、明るく豊かな生活を営む態度を育成する。
 (1) 生涯体育・スポーツへの実践能力の育成
 (2) 学校保健の充実と生涯にわたる健康づくりの基礎の確立
 (3) 健康管理の充実
 (4) 安全管理の徹底
 (5) 救急時の体制の確立

 

6 校務分掌 

 

7 研究テーマ


(1) 外国人生徒の校内支援体制について
 外国人生徒の選抜、受入れの組織、事前指導、教職員研修、受入れ事業(個別対応授業、日本語授業、放課後学)、受入れ環境、支援員の効果的配置、学習評価等についての研究を行う。

(2) 地域の特色を生かした学校づくり
「高校生ふるさと貢献・活性化事業~トライやる・ワーク~」を基に、地域や行政と連携し、芦屋市の地域活性化に貢献できる事業を生徒主体で作り上げるように支援する。

(3) 全日制普通科単位制におけるガイダンス機能と選択科目の充実
「芦高タイム(総合的な探究の時間)」及びホームルームにおけるガイダンスや教育相談の一層の充実を図るとともに、教育課程やシラバスの内容改善を図る。

(4) 高大連携授業
 大学教員による出張授業、大学生のインターンシップの受入れなどの取組を通じて、生徒一人ひとりが高校から大学に円滑に移行できるよう、適切な進路選択を支援する。

(5) 高大接続事業
 大学教員のアドバイスを得ながら、大学生とともにボランティア活動を行うなどの取組を通じて、地域の中で共に活動する意識の醸成や大学への円滑な移行を図る。」

(6) 学校評価の在り方
 学校評価の一層の改善を図り、学校評議員会(学校関係者評価委員会)の意見を活用した学校評価に努めることで、保護者や地域住民の方との連携を強固にする。

(7) 特別支援学校との連携
 芦屋特別支援学校と授業や部活動等での交流活動を行い、自尊感情と自己有用感の育成を図る。
また、芦屋特別支援学校のセンター的機能を利用した教育相談の支援体制を充実させる。

 

8 高校生ふるさと貢献・活性化事業で実施する内容


(1) 「この手でつなぐ防災の輪」をテーマにした防災・減災活動の実施
 地域の地元自治会や芦屋市防災安全課等と協力した、地域防災研究会、避難訓練、夜間防災訓練や、ボランティア部による宮川町プロジェクト(地域の独居高齢者との交流)、書道部による書道パフォーマンス等、地域、行政、大学等研究機関と協働した防災・減災の取組を実施する。

(2) 生徒との談話を通じた癒しの空間づくり
 芦屋市福祉協議会等と連携し、芦屋市の特別老人ホームである『あしや喜楽苑』を訪問し、入所者との交流を通して、地域とともに生きる一員としての自覚と態度を養う。

(3) AUSSクリーンアップ作戦
 本校周辺やその近隣地域を、地域住民やPTA会員とともに清掃することにより、芦屋市の環境美化活動に貢献し、さらに地域を愛する心を育成する。

(4) 部活動による地域行事等においての地域住民との交流
 吹奏楽部、書道部、ボランティア部等の文化部やラグビー部、野球部等の運動部が地域等からの要請に応じて、芦屋市主催の桜祭りや秋祭り等の地域行事、あしやキッズスクエア(放課後子供教室事業)等の芦屋市の事業に参加する活動を通して、地元住民との交流を図る。

(5) JR・阪神芦屋駅周辺での募金活動
 芦屋市社会福祉協議会と連携し、周辺地域で共同募金活動を行う。

(6) ペットボトルのキャップ回収運動
 地域企業と連携し、ペットボトルキャップをワクチンに変える運動に役立てる。

(7) 学習支援ボランティア活動

(8)近隣の精道中学校へ学習支援ボランティア活動を通して交流を図る。

 

9 高校生就業体験事業~インターシップ推進事業~で実施する内容

(1) AUSS進路ナビ
 2年次生全員が自校を卒業した先輩・大学生の講話を聞く。進路を実現するための心構え、学習方法、スランプへの対応、高校生活の送り方など、進路決定に役立った話を聞き、質疑応答などを通して、意欲を高めるとともに将来への展望を拓く。

(2) AUSSインターンシップ
 「県庁インターンシップ」に参加することで職業意識を高める。また公務員・民間企業志望者は市役所・警察署・企業見学など職場体験を行い、現場の人の日常を見たり、質問することで職業倫理・勤労意欲を高めていく。

(3) 一日看護体験
 神戸・阪神間の民間病院で「一日看護体験」等に参加し、職業理解を深めるとともに、現場の人の働きぶりを見て、質問することで職業倫理・勤労意欲を高めていく。

(4) 芦屋市立小学校での実習
「総合的な探究の時間」での芦屋市立小学校の職場実習を通して、初等教育並びに教育現場の現状への理解を深めるとともに、将来教員になろうと考える生徒の問題意識を高めていく。

 

10 高校生キャリアノート及びキャリアパスポートの活用に関する内容

 

(1) 芦高タイムα、β、γ(総合的な探究の時間)
 1年次で実施する芦高タイムαにおいて、「キャリアノート」を活用しながら、体系的・系統的なキャリア教育を推進する。また、2・3年次で実施する芦高タイムβ・γで、自己の在り方や生き方を考えながら、よりよく社会の課題を発見し、解決していくための方法を探究する活動を通して、社会的、職業的自立に向けて必要な能力や態度を育てていく。

 

11 県立高校魅力アップ推進事業で実施する内容


(1) 指定のテーマ:海外との国際交流研究指定校

(2) 外国人生徒の受入れ指定校として
 職員・生徒の多文化共生の意識の向上を図る。姉妹校である台湾の新北市立三重高級中学とはビデオレターやネットの活用等、工夫しながら交流を企画していく。夏季休業中のオーストラリア語学研修を企画運営し、グローバル教育を推進していく。

(3) 計画及び内容
 外国人生徒の受入れのための教職員研修や生徒への講演。また、外国人生徒を主役にした多文化共生の活動を企画実行する。また、オーストラリア語学研修での現地校生との交流や国際理解教育講演会を通した地球規模の課題研究の機会を設けることで、グローバルな視点で問題に気づき課題解決に結びつける論理的思考力を醸成する。

 

12 その他


(1) 心の教育の推進(キャンパス・カウンセラーの配置)
 生徒や保護者との教育相談や教職員の相談を行うとともに、教職員及び生徒・保護者を対象とした講演会を実施する。

(2) 特別支援教育の推進(職員研修会の実施)
  発達障害を有する生徒の支援方法の確立について、全教職員で情報共有し、配慮事項を確認しながら支援に当たる。また、特別支援教育への理解を深めることが、生徒一人ひとりへのより丁寧な指導につながり、授業改善にも結びつくことをねらいとして推進していく。