〔ブログ〕学校・学年行事

コミュニケーションⅡ・特別講義「地政学/ロシア学入門」

ウクライナ侵攻以来、ニュースで取り上げられない日はないロシアですが、一体どんな国なのでしょう?

本校学校設定科目「コミュニケーションⅡ」では、現代社会の問題を取り上げて探究し、発表やディスカッションを通じて、自己表現力・メディアリテラシーを鍛える科目です。

2学期の研究テーマは「ヘイトスピーチ」「戦争と食糧問題」ですが、それに関して、ロシアの事情に通じている専門の講師より特別講義をしていただきました。

講義を通して、インターネットや書籍の情報だけで決めつけず、さまざまな視点から状況を考えることの大切さ、異なる文化や歴史を尊重する柔軟な姿勢を学んでほしいという願いをこめて、この特別講義を企画しました。

講師の土屋和男先生は、ロシアを10回以上訪れ、政府機関でロシア語で会計学の講義を行ったり、ホームステイを通

してロシアの人々と触れ合ったりとロシア文化に詳しい方です。
生徒たちとは70歳以上の年齢差のある先生ですが、歯切れよく、ロシア(ソ連)の成り立ち、宗教、文化、ウクライナとの歴史的関係を語ってくださいました。

参加者から飛び出した質問からも、さまざまな話題に発展しました。

マクドナルドがロシアから撤退した理由、プーチン影武者説、ロシアでおすすめの観光都市、ロシアのホームステイ体験、資本主義・社会主義・共産主義の違い等々。

最後に、「ロシア語を聞いてみたい」とのリクエストに応えて、会計学のテキスト(!)を丸々1ページ音読してくださいましたが、生徒たちは身を乗り出して、ロシア語の響きに聞き入っていました。

ロシア語愛が高じて、大阪の府立高校に勤めながら大阪外語大に通ってロシア語をマスターした先生の言葉:
「言語は世界に通じる窓です。日本語しか出来なければ、日本語の小さい窓から狭い景色を見るしかない。英語が出来たら英語の窓が開く、それでも十分ではありません。世界にはまだ見えない景色がいっぱいあります。どんどん言語を学んでください」

「その国に行ってみなければその国のことはわからないし、その国の言葉を話せなければ、その国の文化はわからない」

高校3年生は、学校で学んできた歴史や地理、政治経済、英語の知識を、今後の人生でどう生かすかという課題があります。
今回の地政学の授業が、彼らなりの答に辿り着く手がかりとなることを願います。