兵庫県立 有馬高等学校
Hyogo Prefectural Arima Senior High School, Since 1896
2024-6 Blog Entry List
人と自然科でトライやるウィークの中学生頑張りました
6月3日(月)~7日(金)の5日間、狭間中学校の2年生の生徒2名が有馬高校人と自然科の農場、学校園庭で「トライやるウィーク」を頑張りました。
兵庫県では中学2年生を対象に、職場体験、福祉体験、勤労生産活動など、地域での様々な体験活動を通じて、働くことの意義、楽しさを実感したり、社会の一員としての自覚を高める事を目的に「トライやるウィーク」が展開されています。そして有馬高校でも毎年、農業や植物管理の仕事を実際に現場で体験したいという中学生を人と自然科の農場で受け入れています。
まずは事前訪問の様子から。校長室を訪ね、先生方の前で決意文を読んでくれました。
「野菜の育て方を学びたい」「継続力や集中力を身に付けたい」「健康に優しいい野菜の栽培方法を体験したい」と意気込みを発表してくれました。そして校長先生からも「熱中症に気を付けて、そして指導を担当する先生方の話をしっかり聞いて、体験からいろいろなことを学んでください。がんばってください。」と励ましの言葉を頂きました。
そしていよいよ「トライやるウィーク」開始です。
人と自然科は野菜・草花・果樹と緑の3つのコースがあり、それぞれのコースで様々な農業体験を行いました。
例えば野菜コースではトマト苗の定植やキュウリの収穫・袋詰め作業、タマネギやニンニクの調整
果樹と緑コースでは、ブドウの整枝作業や樹木の剪定作業
そして草花コースでは花壇や花苗の管理作業を行い、最終日には販売所で花苗の販売実習も行い、来校された地域のお客様に人と自然科の生徒が栽培した草花苗を実際に販売しました。
そして校務員さんと一緒に行った学校樹の剪定作業でトリマーを、芝生の管理として芝刈機を実際に操作して管理作業を体験しました。
5日間のトライやるウィークはあっという間に終了。最後にお礼と報告のため、教頭先生を訪ねました。二人ともトライやるウィーク前の比べて自信に満ちた表情のように感じました。
5日間慣れない作業でとても疲れたけど、全ての体験が楽しく充実していたとのこと。一番印象に残ったのは二人ともキュウリの収穫・袋詰め作業だったようです。教頭先生からも、「体験中大変だったこと、困ったことをどのようにしたら解決できるのか。それを考えるのが君たちの役目です。将来農業をしなかったとしても今回の体験が二人のこれからに生きてきます。残りの中学校生活も楽しんでくださいね」と励ましの言葉をいただきました。
最後は恒例 農場長との記念撮影です。
5日間体を動かす作業ばかりで大変だったと思います。まずはゆっくり休んで下さい。そして残りの中学校生活、充実した時間にして下さい。有馬高校の先生方も二人を応援しています。
人と自然科 1年生農業と環境の授業で田植え実習を行いました
6月6日(水)1年生「農業と環境」の授業で、手植えによる田植え実習を行いました。この日に向け、有馬高校の水田でも事前に2年生「農業機械」の授業で耕うん実習を行い準備を進めてきました。
さて、2時間目が終わり、いよいよ田植え実習ということで、みんなサンダル姿で集合してきました。
まずは実習前の事前学習です。田植えの手順や苗の植え方、水分補給や着帽、タオルを首に巻く・・・など熱中症予防についての注意点などについて重点的に説明を受けました。
この日実習を仕切るのは、摂南大学に在籍し、農業の教師を目指している2名の教育実習生です。一人は人と自然科を、もう一人は総合学科を卒業された先輩です。人と自然科には農業の学びを活かし、国公立大学や難関私立大学に進学し、毎年のように卒業生が、教育実習生として戻ってきています。
また有馬高校では総合学科の生徒も2,3年生の選択科目で農業の授業を受講することができ、今回教育実習で戻ってきてくれた生徒のように、授業で農業に興味を持った生徒が農学部に進学し、関連産業に就職している生徒もいます。
ホワイトボードを使った説明も終わり、いよいよ水田に向かいます。そして水田でも実演を交えて最後の説明を受けます。
イネの苗を受け取り、一列に並びます。 そして早速田んぼに入りましょう。畦を踏んではいけません。裸足で水田に入るということで、最初は躊躇している生徒もいましたが、すぐにやる気モードに突入です。
そしていよいよ田植え開始。苗を3本取り分けます。このとき、根のかたまりの部分を持ってちぎらないと、根が切れて活着しにくくなります。そして教育実習生の合図で一斉にイネの苗を植えていきます。ちなみに有馬高校で今年栽培するイネは「ヤマフクモチ」という品種のもち米です。
イネの苗は玉ヒモ(20cmおきにイネの苗を植える場所の印がついたロープ)に沿って、1カ所に3本ずつ、中指の第1関節の深さまで植えていきます。ロープを持つ生徒も真剣です。
そして一歩下がって自分の足跡を消します。ここで重要ポイント。一連の作業が終わったら全員で腰を上げること。これが全体を教育実習の先生が玉ヒモを持つ生徒に次に進める合図を出すきっかけになります。
膝下まで沈む水田に足を取られてしまう生徒もいましたが、楽しく真剣に実習を行うことができました。
そして開始1時間30分が過ぎたころ、1枚の田んぼにイネの苗ををまっすぐ等間隔に植えることができました。
足を洗って振り返り。教育実習生からも、一生懸命頑張ったということでほめてもらえましたね。みんな達成感と充実感に満ちた表情でした。
今回手植えをしたもち米は、10月下旬に収穫を迎える予定です。有馬高校では毎年手刈りで収穫しています。
そして今年は11月9日(土)に予定されている秋の農業祭にて、もち米、そしてこのもち米を使って加工した「焼餅入りおしるこ」として販売予定です。楽しみですね。
収穫まで皆様しばらくお待ち下さい。
人と自然科「クラインガルテン」④トマトのえき芽取り
今回の授業ではトマトのえき芽取りを行いました。えき芽とは主茎と本葉の間から発生する芽のことです。
通常のトマト栽培では主茎を1本にする仕立て方にします。そのため、発生するえき芽は除去
する必要があります。今回も生徒の説明からスタートです。
えき芽の発生する位置や実際のトマトを使って再確認です。受講生の方も
生徒の説明を真剣に聞いてくれています。下調べした成果がありましたね。
ただ、えき芽が大きくなりすぎている株もあり、なかなか難しい管理となりました。
ちなみに、えき芽を取ることで、①主茎に養分が集中する ②日当たりや風通しがよくなる
などの効果があります。
陽射しも強くなってきましたが、和気あいあいと会話をして楽しく実習を終える
ことができました。来週のクjラインガルテンもお楽しみに!
人と自然科 農業クラブ三田警察署の花壇装飾活動&感謝状をいただきました
6月4日(火)農業クラブ本部役員ならびに有志の生徒7名が三田警察署を訪れ、花壇装飾活動を行いました。人と自然科では、日ごろの授業や実習で学んだ技術を活かして、公共施設の花壇装飾やイベントでの作庭などを行っています。今回は先週の三田市消防本部に続いての公共施設植栽活動です。
三田警察署でも事前に代表生徒が、冬のお花であるパンジーやビオラの片付けを行い、基肥(お花を定植する前に施す肥料)を施し、耕うんを行い定植できるように準備を行っていました。
今回は自分たちで栽培したサルビアやペチュニア、マリーゴールド約300鉢を持参し装飾開始です。
まずは花苗を並べてデザインを決めていきます。早速ベゴニアの苗を中央に配置していますね。
そして後方に背の高いサルビアを配置し、左右はオレンジと黄色のマリーゴールドで何かをデザインしているようです。
ペチュニアで隙間を埋めてデザイン完成。一斉に定植していきましょう。
潅水をたっぷり行い周囲の土や花がらを掃除して・・・
約1時間半かけて完成した花壇はこちらです。
真ん中にはベゴニアで110の数字を、そして右側には警察署の地図記号、右側には兵庫県のマークをマリーゴールドでデザインしました。
花壇完成後、三田署長が見に来てくださり、その後署長室に案内され、直接感謝状をいただきました。
そして署長との懇談会も行い、お花の管理方法を伝えるとともに、生活安全課の署員の方からも近年高校生の間で広がっている闇バイト、裏バイトに関する情報提供や兵庫県警が運用している犯罪発生マップの紹介などをしていただきました。
最後に署長と一緒に記念撮影です。このたびは感謝状をいただき本当にありがとうございました。
なお今回装飾に使用した、マリーゴールドやペチュニアなどの花苗は現在有馬高校ガラス温室にて絶賛販売中です。平日の9:00~17:00、6月いっぱいをめどに販売しています。場所は有馬高校西門(6角形の大温室が目印です)から入っていただき、左手の温室です。
無くなり次第終了となります。詳細は以下のとおりです。
生徒が実習で丹精込めて栽培した草花苗です。ぜひご購入ください。
人と自然科 ひとはく連携セミナー2回目 生物の「種」について学ぶ
5月31日(金)人と自然科1年生学校設定科目「人と自然」の授業で、今年度第2回目となる「ひとはく連携セミナー」を行いました。
有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。第2回目の講義は太田 英利研究員から「生物の「種」について」をテーマに講義をいただきました。
まずは「種類」と「種」の違いについて皆さんはわかりますか?英語で言うと「種類」は「kind」、「種」は「species」となり、地球上に生きている個体の集合体を「種」といっています。種の定義としてよく使われるのが「生物学的概念」と「類型学的概念」で、簡単に言うと「生物学的概念」は生殖の可否で分類し、集合体を作る考え方で、「類型学的概念」は姿・形で分類し集合体を作る考え方です。
しかし姿・形は生き物が住んでいる環境によって異なってくる可能性も高く、確実性に疑問がもたれることもあります。そこで新しい考え方として出てきたのが「遺伝子に基づく類縁関係」で分類する方法です。実際にDNAの配列を参考に分類していきます。「遺伝子に基づく類縁関係」が発揮された一つの例として、アオカナヘビの例を教えていただきました。
沖縄県の宮古諸島と沖縄諸島に生息しているアオカナヘビ。見た目がほぼ同じことから1990年代まで同じ種と考えられていました。しかし詳しくDNAの解析をしてみると姿かたちがよく似た全く別の「種」ということが分かり、1996年に宮古諸島に生息していたアオカナヘビがミヤコカナヘビに改名されたのだそうです。面白い事例ですね。
同じようにワニ・カメ・ムカシトカゲ・トカゲ・ヘビは爬虫類の仲間ですが、DNA解析を行ったところ、ワニとカメは鳥に近い、特にワニは極めて鳥に近いということが分かったとのことです。生き物の世界もまだまだ新しい発見がたくさんありますね。生徒は一所懸命にメモをとりながら聞いていました。太田先生、興味深いお話をありがとうございました。
次回の「ひとはく連携セミナー」は高橋 鉄美研究員より『タガニイカ湖での調査』というテーマで、世界に生息する固有種について学びます。楽しみですね。
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