2022年4月の記事一覧

4月全校集会講話

 新年度が始まって2週間が経ちました。1年生は高校生活にも徐々に慣れてきましたか。高校生・明高生としての自覚を持てるようになってきましたか。2・3年生には始業式で、「成功哲学」の話をしました。情熱と信念を持って8つのことを実践できていますか。成功への階段を一歩一歩上れていますか。

 昨日は、全学年とも仲間づくり、仲間との交流に主眼を置いた遠足でした。目的は達成できましたか。楽しい時間を過ごせましたか。今日から一週間、ゴールデンウイークまでギアをさらに一段上げて突っ走ってください。

 ところで、大手電機メーカーのソニーが電気自動車、いわゆるEV車製造へ参画するために、今春新たな会社を立ち上げました。個人的には、ソニーが自動車メーカーになるのかと大きな驚きを持ってこのニュースを耳にしました。今や、危険を察知して自動的に制御するシステムが搭載された自動車は当たり前になりつつあります。また、数年前から「空飛ぶ車」の構想が取り沙汰され、2025年に開催予定の大阪万博において、その姿が披露されることになりそうです。

 このように、これまでの常識では計り得ないこと、予想だにできなかったことが現実に起ころうとしているのが今の世の中です。こうした動きは、物づくりに携わる人々の壮大な夢の具現化、夢へのチャレンジに他なりません。本校の卒業生の中にも、著名な方では楽天の三木谷氏など、夢を具現化し社会に貢献されている方が多数おられます。皆さんが、そんな先輩方の後に続いてくれること、夢にチャレンジしそれを実現してくれることを強く願っています。

 実は、皆さんもこれまで様々なことにチャレンジしてきたと思います。人が生きていくということは、日々の小さなチャレンジの積み重ねであると言っても過言ではありません。しかし、ややもすると、新しいことにチャレンジしようとする時、自信がない、失敗したらどうしよう、自分には不向きなのではないかなどと躊躇し、挙げ句の果てにチャレンジしない理由をあれこれ考えて諦めてしまったり、先延ばししてしまったりすることも多いのではないでしょうか。そして、「あの時、やっておけばよかった」と後悔することはよくあることです。

 先日、ある大手企業の方が、「現状維持のままでは何も変わらない。現状維持は後退である。人は変化しないとゼロのまま、むしろマイナスかもしれない」とおっしゃっていました。そして、「変えることですぐに100の成果を望むな。1でもいい、10でもいい、チャレンジすることは次につながる。だから、変化は常に必要だ」とも。

 さて、皆さんも何か一つだけでも変えてみませんか。例えば、「朝ギリギリに登校している習慣を8時に変える」「一日のスマホの時間を1時間減らす」「小テストはすべて合格する」「(3年生なら)平日4時間以上は勉強する」など、できそうなことから始めてください。チャレンジとは、失敗を恐れず自分から進んで挑むこと、経験を通して自分を進化させていくことです。

 自分の課題に気づき、改善する、そしてチャンスをものにしてくれることを期待しています。

 最後に、新型コロナウイルス感染防止対策はしっかり行えていますか。特に、昼食時の会話、部活動時のマスクなしでの会話、これは絶対にしないでください。見かけたら互いに注意し合える、そんなクラスメイト、チームメイトであってください。また、下校時の飲食は自粛の通知が県教育委員会からも来ています。寄り道をせず、まっすぐ帰宅してください。

1学期始業式式辞

皆さんおはようございます。令和4年度が始まりました。ここにいる一人ひとりが、気持ちも新たに今日を迎えていることと思います。大切なことは、その気持ちを行動に移すこと、そしてそれを持続させることです。今年度こそ、そんな1年にしてください。

ところで、皆さんは「成功哲学」という言葉があるのを知っていますか。その提唱者がナポレオン・ヒルという人物です。彼は、20年間で約500人もの世界的な成功者を分析して「成功の法則」を見出しました。それは15の法則からなりますが、そのうち皆さんに伝えたい8つを紹介します。

1 目標を明確に自覚すること

なりたい自分を明確化することで今すべきことが見えてきます。

2 不屈の精神力

逆境の中でも決して諦めず、常に目標に向かって努力し続けることです。

3 生涯学習

世の中は変化します。絶えずインプットを行い、常に新しい目線を手に入れることです。

4 時間を有効に使うこと

優先順位を考えて一番大事なことから時間を使います。

5 創造力を駆使すること

どうすれば目標に効率よくたどりつけるかを常に創造的に考え続けることです。

6 自分がしてほしいことを相手にすること

キリスト、ブッダ、ムハンマド、孔子など多くの人に共通しています。

7 プラスアルファの思考

求められたこと、しなければならないこと以上の仕事をすることです。

8 感謝すること

逆境を成長できるチャンスだと考え感謝することでプラスに転化できます。

これらからも分かるように、ナポレオン・ヒルは「人生を決定するものは才能ではない。また、環境や条件でもない。その人の情熱と信念だ」と結論づけています。

皆さんは、日頃、学習や部活動に一生懸命取り組んでいますが、その原動力は何でしょうか。目標に向かって突き進んでいくには、自分の強い気持ちと、それを下支えしてくれるものが必要です。それがナポレオン・ヒルの言う情熱や信念に他なりません。

「やってやるぞ」「志望校に合格してやるぞ」「優勝してやるぞ」、こうした思いが強ければ強いほど精神的な土台は確固たるものになり、信念にブレは無くなります。「何のための行動か」を自覚し、「自分は必ずそれをやり通す」という強固な意思を常に持って行動に移し、それを持続させることが、これまでとは違う展開を生み出し、成功へと近づいていくのだと思います。

新年度を迎えるに当たり、皆さん一人ひとりが情熱と信念を持って先の8つのことを実践し、成功への基盤を作る、そんな実りある1年にしてくれることを期待しています。

最後に、新型コロナウイルス感染が依然として終息せず、第7波さえ危惧されています。不要不急の外出、3密の場所への出入りは避け、やむなく外出した場合も、手洗い・消毒とマスクの着用を徹底してください。また、校内でのマスク無しの会話はしないよう、皆さん一人一人が新型コロナウイルス感染予防に努めてください。

第77回 入学式式辞

 いにしへの奈良の都の八重桜けふ九重ににほひぬるかな

 時間と空間を超えて美しく芳しい香りを漂わせ続ける桜。ここ自彊が丘の八重桜も、九十九年前の「いにしへ」の創立期と変わらぬ美しさとその香りで、今日の皆さんの入学を祝福しているように感じます。

  ただいま入学を許可いたしました三二一名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員一同心からお祝い申し上げます。今日のその晴れやかな姿、緊張した表情にも喜びが満ちあふれているようです。

皆さんは、コロナ禍という多くの不安と制約を余儀なくされる中にあって、それらを乗り越えて、見事合格の栄冠を勝ち取りました。

本校では「文武両道」を校是とし、「社会的で創造力豊かな自主的個人」を育成するため、グローバル化時代に求められる思考力や判断力の伸長、主体性や協働性の向上を図る一方で、「ひょうごスーパーハイスクール」の研究指定を受け、地域はもとより、大学や企業等との連携を密にし、探究活動等の教育活動の充実に努めております。このすばらしい環境下で、若者らしく、何事にも果敢に挑戦し、将来の夢や進路希望を実現するべく、高校生活の第一歩を踏み出してください。

さて、本校は、大正十二年に明石市立明石中学校として開校し、昭和三年に兵庫県立明石中学校、昭和二十三年の学制改革により兵庫県立明石高等学校となり、来年度創立百周を迎える県内有数の伝統校であります。その間、県下唯一の美術科の設置、西オーストラリア州モーリー高校との国際交流、理数探究類型の設置等、学校改革を進めながら、地域社会や国際社会で活躍する有為な人材を多数輩出してきました。

 校庭に凜として伸びるクスノキに見守られ、閑静な荷山に位置する本校からは瀬戸内の海と淡路島、そしてそこに架かる雄大な世界二位の長さを誇る吊り橋、明石海峡大橋を臨むことができます。皆さんはこの恵まれた教育環境のもとで、建学の精神である「自彊不息」を基軸にして人生でも最も意義深い、青春の三カ年を送ることになります。この大切で貴重な時期を本校で学ぶ皆さんに、三つのことを希望します。

一つ目は「高い志を持ち続けてほしい」ということです。自分の志を立て、それに向けて具体的な目標を持つことは、自己を律し、生活を充実させる基盤となります。皆さんは高校生活三カ年の延長線上に、将来どのような人生を生きるかということを具体的に考えているでしょうか。どのような職業に就き、社会にいかに貢献していくかを考えておくことによって進路も明確なものが見えてきます。本校での充実した学びを通して自己認識を深め、自己実現をめざして、高い志を持ち続けながら努力を重ねてください。

 二つ目は「確かな自分を作り上げてほしい」ということです。世界はグローバル化時代にあります。あらゆる知識や技術は日進月歩以上であり、おびただしい情報が世界中に氾濫しています。皆さんが心豊かに生活するためには情報に流されたり惑わされたりせず、主体的に判断し行動することが大切です。国際的な広い視野に立って、弾力的で柔軟なものの見方、考え方を持つ、そして善悪・真偽を正しく判断できる確かな自分を作り上げ、磨き上げてください。

 三つ目は「良き友を持ってほしい」ということです。良き友とは、ともに喜び、ともに悲しみ、ともに高め合うことのできる真の友人です。この良き友は、安易に調子を合わせたり、誘われるままに行動したりするような関係の中には育ちません。時には「ノー」と言う友こそ心から信頼できるのです。他を尊重し合い、素直な気持ちをぶつけ合い、目標に向かって切磋琢磨し合う中に友情は育ち、本校校訓の一つ「協同」が生まれます。他を思いやる心を忘れず、自分にないものを学び、お互いを向上させ、信頼関係を深めながら、生涯にわたって心の支えとなる友を得てください。

  最後になりましたが、保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。本日はお子様のご入学本当におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。高校の三年間は、人生の方向を決定する大事な時期であり、その一方で悩みや苦しみが大きい時期でもあります。私達教職員は、ご子様が、自らの生きる道を、自らの力で切り拓いていけるよう、全力で指導に当たって参りますが、お子様の健全な成長を願い、豊かな個性を育てていくためには、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも、相互に補完し合い、連携を密にしていくことが重要であると存じます。どうか、本校に対するご理解ご協力、そしてご信頼をよろしくお願い申し上げます。

 新入生の皆さん、本校の校訓「自治」「協同」「創造」のもと、知・徳・体の調和のとれた人格の陶冶を図り、心豊かに、高い志を抱き、未来を主体的に切り拓いて行く人間として成長していくことを心から期待し、式辞とします。