2022年1月の記事一覧

1月全校集会(放送で実施)講話

 

 3年生が自由登校となり、1・2年生だけの全校集会となりました。少し寂しい気持ちもしますが、2年生は最高学年になるという自覚、1年生は学校の中核になるという自覚を持ち、高校生として、また明高生として恥ずかしくない言動がとれているかどうか、今一度自己点検してほしいと思います。

 ところで、皆さんはこれまで、繰り返し「凡事徹底」という言葉を耳にしてきたことと思います。「凡事徹底」とは、字のごとく「平凡なことを徹底する」という意味です。成功する秘訣、それは奇をてらうことなく、当り前のことを当たり前に徹底してできるかどうかです。

 元プロ野球選手のイチロー氏は、毎日素振りを欠かさず積み重ね、日本を代表する大リーガーとして記録と記憶に名を残す名選手となりました。まさに「凡事徹底」の結果です。

 経営の神様と呼ばれた松下電器産業、現在のパナソニックの元社長・会長であった松下幸之助氏は、「店の経営がうまくいっているかどうか、三つのことを見れば分かる」と言ったそうです。その三つとは何だと思いますか。答えは、「挨拶」「整理整頓」「トイレ」です。会社経営の秘訣は、この3つの「凡事徹底」が大切だと言っています。

 イエローハット元社長の鍵山秀三郎氏は、「凡事徹底」を「平凡を非凡に努める」と言い換え、これを徹底できるかどうかが成功のカギになると語っています。売れない営業マンの共通点は、すべてが適当、すべてが中途半端、いつも言い訳や誤魔化しばかりなのだそうです。平凡なこと、簡単なことをとことん極める、その姿勢がすべてに繋がっていくと言いたいのだと思います。信頼できる人とはどんな人でしょうか。少なくとも、適当な人、中途半端な人、言い訳ばかりする人、誤魔化してばかりいる人を信頼することなどできないと思います。

 皆さんに聞きます。すべてが適当になっていませんか。すべてが中途半端になっていませんか。すぐに言い訳をしていませんか。いつも誤魔化したりしていませんか。ぜひ周囲から信頼される人であってほしいと願っています。

 ちなみに、イエローハットが「平凡を非凡に努める」こととして徹底しているのは、

 1 約束の時間より10分早く行動する

 2 大きな声で元気よく挨拶する

 3 率先して清掃する

 4 訪問先では相手が来るまで立って待つ

 5 相手に感謝を伝える

 6 話を聞くときはメモを取る 

 皆さんもぜひ今から実践してください。少なくとも社会人になったら、この6つは必須です。覚えておいてください。

 さて、皆さんは「凡事徹底」ができていますか。

 生活面では、挨拶、清掃。

 学習面では、予習・授業・復習という基本サイクル、基本事項の徹底理解、課題の提出。

 部活動では、基礎体力、基本の徹底。オフシーズンの今がチャンスです。

 この機会にぜひ一度、自己を省みてください。

 最後に、オミクロン株の感染拡大が続き、兵庫県でもまん延防止等重点措置が取られます。改めて感染防止の徹底をお願いします。オミクロン株の感染力が非常に強いため、保健所の判断が変わり、自分がマスクをしていても相手の感染者がマスクをしていなかったら濃厚接触者になってしまいます。マスク無しの会話は絶対にしないでください。また、一つの部で感染が広がるとすべての部の活動を一定期間休止しなければなりません。一人一人が自覚を持って行動してください。

3学期始業式式辞

皆さん、新年明けましておめでとうございます。2022年、寅年を迎えました。寅は、陽気を内に宿して草花が伸びようとする状態を表し、新型コロナウイルス感染症の問題など、様々な問題が大きな社会問題となっている中で、安定した繁栄・成長の礎を築く年になると言われています。ぜひ、そんな1年であってほしいと願っています。

ところで、新年を詠んだ夏目漱石の句に、「新しき 願もありて 今朝の春」という句があります。この「願をかける」という風習は古今東西、すべての人の営みであったようです。皆さんの中にも、この正月、願をかけた人が少なからずいるのではないでしょうか。少なくとも、ほぼ全員が新年を迎えて気持ちも新たに、「今年こそ」という決意、何らかの目標を持って今ここにいることと思います。

中国の道家の思想書である『列子』の中に、「呑舟(どんしゅう)の魚は枝流に游(およ)がず」という言葉があります。呑舟の魚とは、舟を一呑みしてしまうほどの大きな魚のことです。そんな大きな魚は支流では泳がない、つまり「大人物はつまらない者とは交わったりしない」「高遠な志を抱く者は小事には関わらない」という意味ですが、この言葉には「大きな目標を立てろ」という教えが込められています。「大成する人は初めから大きな目標を立て、大きな舞台で勝負する」というわけです。目標が大きければ大きいほど達成感も大きくなり、そのための努力によって自分が成長できる度合いも大きくなります。万が一失敗したとしても、得るものは異なるはずです。

この言葉を実践したような話があります。戦国武将の毛利元就が12歳の時、家来たちを引き連れて厳島神社に参拝した際、家来たちに何を祈願したか尋ねたところ、ある家来が「殿が中国地域の主になることを祈願しました」と答えると、元就は「中国地域の主とは愚かだ。日本を手に入れるように祈願すべきだ。日本を手に入れようと思ってはじめて、中国地域を手に入れることができるのだ」と語ったそうです。

私の教員としての経験から、このことは、受験や部活動にも当てはまります。目標とする大学のワンランク上の大学を目指して取り組むことが目標とする大学の合格に繋がり、目標とする結果のワンランク上の結果を目指して取り組むことが目標達成に繋がります。目標より一段高いレベルの取組によって目標とするレベルをクリアできるからです。

教員として、私が生徒たちに教えられたことは多々ありますが、そのうちの一つが、「絶対に目標を達成するぞ」という強い覚悟ができた時、目の色が変わり、生活が変わり、人が変わり、結果も変わるということです。明高生の中から、そんな人が一人でも多く出てくれることを期待しています。

ちなみに、エジソンがこんなことを言っています。「結局、日常をダラダラ過ごし、ズルズルと落ちていく人間の何と多いことか。直前になって準備不足に気づいて初めてそこで後悔する人間ばかり。残念ながら、それは負けたことにはならない。負けたという事実は勝負をした人間にのみ与えられるのだ。勝つための努力を放棄した者は勝負すらしていないのだから」

さて、3学期を迎えました。1・2年生は1年間の総仕上げとして3学期をしっかりと締めくくってくれること、3年生は全員が進路実現を果たし人生の新たな門出を晴れやかな気持ちで迎えてくれることを期待しています。

最後に、新型コロナウイルス感染の第6波が危惧されています。感染者が日増しに増加しています。今一度緊張感を持ち、3密の回避、マスクの着用、手洗い、うがい、消毒を徹底してください。過去に本校で感染者が出たケースはそのほとんどが家庭内で感染したものです。家庭内でも感染防止に努めてください。マスクをしていない人との会話・食事は絶対に避けてください。お願いします。