2021年11月の記事一覧

11月全校集会講話

今年、米国プリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞しました。真鍋さんは、地球の気候をコンピューターで再現する方法を開発し、気候変動や地球温暖化の予測に関する研究分野を世界に先駆けて切り拓きました。その研究の中で、大気中の二酸化炭素(CO2)が増えると地表の温度が上がることを数値で示した「気候モデル」は、人類の大きな課題である地球温暖化の予測に欠かせないものになっています。また、気象予測の世界に初めてコンピュータによるシュミレーションを持ち込み、飛躍的に高精度な予測を実現した功績は大きく、「温暖化研究の父」とも呼ばれています。


その真鍋さんですが、ノーベル物理学賞の受賞に際して、「研究を始めたころは、こんな大きな結果を生むとは想像すらしていなかった。後に大きな影響を与える大発見は、研究を始めたその時には、その重要さに誰も気付かないものだと思う」と語っています。皆さんは、日々学習に取り組んでいますが、それが将来、皆さん自身の未来を切り拓く基盤になるかもしれない、あるいは世界的な大発見の礎になるかもしれない。それは誰にも分かりません。しかし、誰にもその可能性があります。そう考えたら、日々の学習は無駄にはならない、無駄にはできないということを皆さんには強く認識してほしいと思います。


また、真鍋さんは、「気候変動の研究を楽しんでいる。全ての研究活動が好奇心によって突き動かされている。研究の醍醐味は好奇心だ」とも語っています。


そう言えば、平成30年に、体内の異物を攻撃する免疫反応にブレーキをかけるタンパク質を突き止め、癌の免疫治療薬の開発に道を切り拓いたことでノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑教授は、非常に好奇心旺盛で、納得できるまで調べ尽くす頑なさを持っていたそうです。その本庶教授ですが、時代を変えるには6つの「C」が必要であると語っていました。英語表記で「C」で始まる6つの「C」とは何だと思いますか。答えは


①好奇心=Curiosity
②勇気=Courage
③挑戦=Challenge
④確信=Conviction
⑤集中=Concentration
⑥継続=Continuation です。


本庶教授は、「好奇心Curiosityを大切に、勇気Courageを持って困難な問題に挑戦Challengeし、必ずできるという確信Conviction をもち、全精力を集中Concentration させ、諦めず継続Continuationすることで、時代を変えられる」と言いたいのだと思います。


今の皆さんに欠けているのは、この6つの「C」のうち、どれでしょうか。この機会に、自分の取り組む姿勢を見つめ直してほしいと思います。そして、様々なことに好奇心を持てる明高生であってほしいと思います。皆さんの中から、世界に貢献する、世界を牽引する人材が育ち、活躍してくれることを強く願っています。


最後に、新型コロナウイルス感染拡大が収まっていますが、ワクチン接種が進んでいた海外でも再度感染拡大が続いており、日本でもやがて第6波がくると言われています。引き続き、感染防止の徹底をお願いします。