2021年10月の記事一覧

10月全校集会 校長講話

 早いもので、令和3年度も折り返し点を過ぎました。この半年を振り返り、どれだけの人が自分に納得できているでしょうか。納得できていないという人は、それぞれに事情や理由があるのでしょうが、大事なことはそれを踏まえて「これからどうするか、どう立て直していくか」だと思います。原因を考えて、それを改善するためにすぐに行動に移してください。

 さて、随分以前になりますが、NHKのEテレビで『テストの花道』という番組をしていました。実は私の教え子がこの番組のディレクターをしていたこともあり、私は毎回見ていました。ある回で、日本史の先生が授業をした後、抜き打ちのテストをしました。すると教室の1列目と2列目の生徒の平均点が20点台だったのに対して、3列目と4列目の生徒の平均点は60点でした。皆さんは、この差が生じたのはなぜだと思いますか。座席の位置が問題なのでしょうか。

 実は、この授業では、3列目と4列目の生徒に、事前にある指示が出されていました。その指示というのは、板書をノートに写す際に、①自分が疑問に思ったこと、②先生が大事だと言ったこと、③感想、この3つをノートの余白に必ず書き込むというものでした。それだけでこんなに大きな差が出るのかと思ってしまいますが、実際にノートをとる時の脳の働きを調べてみると、ただ板書を写すだけの生徒の脳はほとんど活動していないのに対して、考えながらノートをとっている生徒の脳は盛んに活動していることが分かりました。

 今、『テストの花道』という番組でのノートのとり方についての話をしましたが、このことから、学習に限らず何事も、単なる作業から思考へ、受動から能動へ、客体から主体へ、自ら考えながら行動に移すことが大変重要であることが分かります。

 部活動についてもそうです。何も考えずにプレーしていたのでは力はつかず、結果も伴いません。個人の課題、チームの課題を直視してそれを克服する練習に取り組むこと、つまり、考えること、考えて次の行動に移すことが皆さん一人ひとりの無限大の潜在能力を引き出し、チームとして勝利をつかむことにもつながるはずです。

 話は変わりますが、全県的に高校生のSNSを巡るトラブルが急増しています。本校も例外ではありません。後先のことを考えず、一時的な感情で、興味本位で、あるいは自分の正体がバレないだろうと錯覚して書き込んだことが、相手から誹謗中傷であるとして被害届が提出されると、必ず加害者が特定され、侮辱罪・名誉毀損等で処罰されて慰謝料まで請求されます。最近になって法律が改正され、非常に厳罰化されています。「自分がどういうつもりだったか」ではなく「相手がそれを読んでどう感じたか」が問題です。一歩立ち止まって「考える」ということをしてください。友達への発言もそうです。その善悪、是非をしっかり判断してください。人生が変わってしまうことのないようにしてください。

 今日は皆さんに、「考えること」「考えて行動に移すこと」をメッセージとして伝えます。

 最後になりますが、皆さんが新型コロナウイルス感染防止に努めてくれたお陰で、2学期以降、教育活動を支障なく進められています。本当にありがとうございます。しかしながら、決して油断はできません。

部活動では、一つの部で感染が広まれば、すべての部の活動を停止するよう県教育委員会より求められています。そうなれば、感染対策を徹底している他の部の県大会・近畿大会・全国大会への出場の機会を奪うことも起こり得ます。改めて、感染防止の徹底と、「考えて行動すること」を皆さんにお願いします。