2021年7月の記事一覧

1学期終業式

 今日で1学期が終わります。4月以降、日々の授業や部活動、学校行事等において、皆さんが真剣に、前向きに、そして真摯に頑張っている姿を見るにつけ、心を打たれることが多々ありました。そんな明高生に、私が偶然見つけ感銘を受けた言葉の一つをお伝えします。

 それは、東日本大震災が発生し、卒業式を中止せざるを得なかったある高校のホームページに掲載された「時に海を見よ」と題するメッセージの一節です。

 「時に、孤独を直視せよ。海原の前に一人立て。自分の夢が何であるか。海に向かって問え。青春とは、孤独を直視することなのだ。いかなる困難に出会おうとも、自己を直視すること以外に道はない。いかに悲しみの涙の淵に沈もうとも、それを直視することの他に我々にすべはない。海を見つめ、大海に出よ。嵐にたけり狂っていても海に出よ。」

 つまり、「いかなる困難も、自己を直視すること以外に乗り越えるすべはない」ということが言いたいのだと思います。

 皆さんの中には、「勉強をしても成績が伸びない」、「部活動を頑張っても結果が出ない」「自分が将来、何をしたいのか分からない」等、いろいろな悩みを抱えている人がいると思います。皆さんの家族も、そして、私を含む多くの先生方も、皆さんと同じ10代の頃は、そうだったと思います。

 では、どうやってそれを乗り越えるのか。それは、このメッセージにあるように、いろいろな困難に直面するたびに、自分自身と向き合うことから次のステップが始まるのだと私は思います。

 誰かに「してもらう」「やらされる」自分から、自ら「する」自分に変えること。自分を支えてくれている周囲に感謝の気持ちで接すること。人と自分を比べることを止め、未来に向けてコツコツと学び続けること。この一瞬一瞬をかけがえのない時間と捉え、自分を信じ、常にベストを尽くすこと。

 大切なことは、勉強や部活動で仮に目に見える成果が得られなかったとしても、その経緯を振り返り、今後の展望を自ら見出し、それを実行することです。

 私は、これこそが、今年度から始まった大学入試で評価される「学びに向かう力」だと思います。そして、日々の一つ一つの取組を振り返り、自分自身と向き合う。その地道な繰り返しこそが、これからの一人一人の「物語」、「人生」を創り上げていくのだと思います。

 さて、明日から夏休みに入ります。3年生の皆さん、受験勉強に行き詰まった時には自分と向き合う時間を作ってみてください。「自分の夢が何であるか」、きっと勇気と希望、打開の糸口が見出せるはずです。1・2年生の皆さん、携帯の電源を切って自分と向き合う時間を作ってみてください。そして、課題や部活動などで忙しい合間に、1冊の本と出会ってみてください。「大海に出よ」、自分を知るための「海」になるはずです。

 「いかなる困難も自己を直視すること以外に乗り越えるすべはない」

 この言葉を胸に、この夏休みを通して、今の自分を乗り越え、新たな自分に出会えること、成長した自分に出会えることを期待し、終業式の式辞とします。有意義な夏休みにしてください。

 最後に、新型コロナウイルス感染がまた拡大の様相を呈しています。不要不急の外出と3密の回避、マスクの着用、手洗い、うがい、消毒を徹底してください。特に、夏休み中の部活動内での感染を回避できるよう一人一人が細心の注意を払ってください。また、下校時の飲食は禁止の通知が県教育委員会からも来ています。寄り道をせず、まっすぐ帰宅してください。