【校長室の窓】1学期終業式 式辞

 みなさんおはようございます。3年振りの全校生徒が一堂に会しての式典となります。特に3年生は入学後すぐに休校となり、ずっとコロナだったので、体育館に全生徒が入るのは初めての光景ではないかと思います。この1学期は、少しずつではありますが、教育活動がコロナ前の状態に戻すことができはじめました。皆さんにとって充実した1学期になったでしょうか?ただ、また「第7波」がやってきています。十分気を付けて夏休みを過ごしてださい。

 さて、今日は「挨拶」について話します。これまでも何度か挨拶の重要性について話をしてきましたが、あまりにもショックというか、悔しい気持ちになった事がありましたので、皆さんにお伝えします。真剣に聞いてください。

 6月の終わりに学校評議員会がありました。相生高校の応援団で、本校の発展を心から応援していただいている方々で、コロナもあり3年振りに開催しました。その中のお二人の方(お一人は自治会の方ですが企業の常務取締役で、お子様が相生高校出身ではじめて来校されたと言われていました。もうお一方は地元の公民館の館長さんで、長年相生市の教育に携わってこられた方でした)、このお二人から「今日ここに入ってくるまでに、生徒の誰一人、挨拶してくれなかった。会釈すらなかった」と言われました。自治会の男性の方は、卒業生の親として、また企業人としてはじめて相生高校に来られました。「はじめて訪れる相生高校ってどんな生徒がいるのか。どんな学校の雰囲気なのか・・」と、内心ドキドキしながら校門をくぐられたそうです。「もう本当にショックだった。校門をくぐった人は何らかの学校関係者のはず。それがわからない相高生はいないはず。なのに、誰一人、挨拶も会釈もしてこないことに大変なショックを受けました。」と言われました。また、館長さんは、「校門から会議室までに十数人の生徒さんにすれ違ったけれど、誰一人挨拶してくれませんでした。挨拶運動を活発にされていると記載されていますが、効果無いのではありませんか?」とのお言葉をいただきました。

 

 どうです、みなさん・・・厳しいご指摘ですよね。

 

 お二人の側を通った生徒は、ほんの一握りの生徒ですが、まるで全ての生徒がそうなのでは??という印象を与えてしまったかもしれません。想像してください。企業の会合や相生市教育関係の席で、

「相高生は、勉強はできるけど挨拶一つもできないみたいやで!」

といわれたらどうします? 怖くないですか?悔しくないですか?
皆さんは、大学とかに進学するから、今は関係ないわ!!と思っている人いませんか?これだけ、勉強や行事やボランティア活動に頑張っている皆さんなのに、まるで「人間性ができていない」といわれているようで、非常に悔しい気持ちになりました。でも、これが社会ですなんですよ。たかが挨拶、されど挨拶です!!

 この2年間、コロナでのオンライン授業、オンライン面接、声を出して会話をしない、大きな声で挨拶しない、食事中の会話はしない等・・、大きく世の中の価値観も変わったことが原因かもしれませんが、皆さんが社会人になる時、今日の話を思い出してください。先ほどの評議員の方が、「企業人としての忠告です。」と前置きされて、「挨拶は社会人として非常に大切です。会釈でもいいんです。声を出さなくても目線を合わせて、こっくりとうなずくだけでもいいんです。その際に笑顔があればより良い!」と言われたことを覚えていてください。

 

 今の1年生には伝えていませんが、昨年私がこの学校に来てから、「自分から挨拶をする」「小さな事だが、勇気がいる行為で強い心を育てるためのささやかな訓練」であると。また「人間性」を高めることや身体を鍛える(運動する)ことも、実は学力の向上に結びつくことが立証されていると。伝えてきました。

 毎朝ではありませんが、できるときは7時40分から8時まで朝の立ち番をするようにしていますが、毎朝私は君たちに元気をもらっていました。しんどいときでも君たちの元気な笑顔と挨拶をいただくことで、私は元気になって気持ちよく仕事に臨めるようになっています。君たちの挨拶や笑顔には大きな力があります。昨年以上に挨拶をしてくれるようになっていると思いますし、立ち止まり礼やとても素敵な笑顔で挨拶や会釈をしてくれる人が多いです。これは武器です。23歳の時の武器になります。大きな声で挨拶する必要はありません。
目線を合わせて会釈でいいんです。実践してください。まずは、夏休みに家庭から。

 最後に、いよいよ、夏休みです。ありきたりな言葉ですが、「夏を制する者は受験を制する」です。「文武両道」。勉強も部活動も、目標を立てて、こつこつ計画性をもって、自分を信じて目標達成に向けてしっかり頑張って欲しい。有意義な夏休みを!!