校長室より
福祉ボランティア類型の学び1
「認知症サポーター養成講座」出前講座
6月19日(水)1,2時間目、福祉ボランティア類型3年生が、多可町ふくし相談支援課地域包括支援センターと特別養護老人ホームヘルシービラ加美の方々から、認知症サポーター養成のための講座を受講しました。認知症についての理解を深めて、支援や援助の方法を学ぶことで地域社会で生かせる能力を育むことが目的です。
2時間連続の講座の中で、暮らしやすい地域をつくる認知症サポーターの役割、認知症の原因や認知症の原因となる主な病気、記憶障害や行動・心理症状等の認知症の症状、診断、若年性認知症、近隣の専門医、認知症の人への対応時の3つの心得(驚かせない・急がせない・自尊心を傷つけない)、認知症の予防、認知症初期集中支援チームや認知症相談センター等の多可町の取組のお話をいただきました。講座展開の中では、認知症の方への対応をわかりやすく寸劇を交えてご説明をいただいたり、グループ別に意見を交換したりして、理解を深めて実践するための準備を整えました。
認知症は誰にでも起こりえます。これからの時代は人生100年が普通です。その中で、誰もが認知症についての正しい理解をし、偏見を持たずに、認知症の人や家族を温かい目で見守る応援者であることが大切ですね。
教科横断的な学び 英語と理科のコラボレーション
バイオミメティクス 〈Biomimetics〉のテーマによる英語・理科のコラボ
『バイオミメティクス』という言葉は、聞き慣れない人が多いと思いますが、今から70年ほど前にアメリカの神経生理学者オットー・シュミットが初めて使いました。日本語では『生物模倣技術』や『生物模倣』と標記され、生物の形状や機能、その行動や生態等の研究から、人類にとって有用な新技術の開発やものづくりに生かす科学技術のことです。空を飛ぶための飛行機の翼も、人類は鳥の翼を真似ました。最近では、蚊の針の構造と刺す動作を模倣した「痛くない注射針」が話題になりました。
英語科主任の末廣恵教諭が主に担当する3年生「英語コミュニケーションⅡ」で、バイオミメティクス〈Biomimetics〉を教材としました。生徒は末廣教諭をはじめALTのエミリー 先生や同じ科目を担当する田中教諭のアドバイスを得ながら2~4人のグループで、自分たちが焦点とする生物を定め、主体的にグループで対話しながらその生物に係る人類の模倣を詳しく研究しました。この研究過程では理科の武富教諭のアドバイスも受けました。研究結果をまとめ、英訳した文を自分のものにするために何度も発表練習を繰り返し、6月18日(火)に発表会を行いました。
発表では、黒板に発表テーマの生物名や写真、キーワードを投影し、グループ毎に英語で発表しました。聞き手は様々な観点から評価を行い、質疑応答も行いました。研究テーマになった生物は「Tree frog」、「Rain deer」、「Diving bell spider」、「Cameleon」等です。他教科の授業参観者も多かったため、生徒の皆さんにとっては緊張感が高く、十分な学習成果が出せなかった人もあったかもしれませんが、大変興味深い内容で、生徒の皆さんの積極的な取り組み風景から、今後もさらに学びの深まりを予感しました。
読んでいただいている方も、「Tree frog」の和名や、その生物について人類が模倣している部分を調べてみると面白いですよ。
妙見祭を終えて
妙見祭が終わりました
去る6月14日(金)に『妙見祭』を実施しました。朝から晴天に恵まれ、平日開催であるにも関わらず、昨年度にも増して多くの保護者の方にご来校いただきました。
体育館でのオープニングでは、各団体の準備の様子やその雰囲気を見事に表現して編集したPR動画、総合的な探究の時間『福祉のこころ』で取り組んできた力強く心と体に響く和太鼓演奏、全校生それぞれの思いを束にして声にしたカウントダウン、『足音 ~Be Strong~ 』の意味やその言葉に込めた想いを生徒会長が宣言して妙見祭が開幕しました。
3年生は、主にステージ発表でした。 エンディングで練習風景も披露した1組は、誰もが思わず一緒に口ずさみたくなる曲の合唱と美味しそうに焼ける匂いが魅力のイカ焼きの模擬店です。オープニング後すぐの会場をさらに盛り上げたステージと食品模擬店の二刀流でした。2組は脚本に趣向を凝らした演劇です。原作のシンデレラを楽しく面白く興味深くアレンジして、出演者の熱の入った演技から随所に笑いを誘う見事な演劇でした。時間をかけた背景画等の大道具も素晴らしく、友情出演も全体を大いに盛り上げました。
2年生は、食品バザーでした。1組は、本格的なフライヤーを使ったフライドポテトです。小気味よくはじける油の音につられて列に並びました。テンポ良くカウンターに並べられるフライドポテトには塩とコンソメ等の味が用意され、気分も浮き立ちました。2組は、焼き鳥です。元プロ職人の指導を受けて焼き上がっていく焼き鳥は、プロの店らしくやはり「塩」と「タレ」が用意され、その香ばしい匂いが食欲をそそります。私は残念ながら長い列を見て諦めました。
1年生は、教室を使った企画でした。1組は、何回も撮り直したと思われる驚くパフォーマンスをまとめた神ワザ動画と美しく彩られたフォトスポットでした。編集されたNG動画もその撮影の苦労を物語っていました。2組は、フォトスポットとドリンク販売をしました。企画室は、イートインスペースになっており、飲んだり食べたりしながら談笑される保護者の方でいっぱいになっていました。丁寧に時間をかけて作成したフォトスポットは思い出作りの場所になりました。
文化部は、ディセット部の食品バザー、日本文化部と美術部の展示、吹奏楽部と軽音楽部のステージでした。
ディセット部の名前は、フランス語の17を意味する『dix-sept』が由来です。5種類(プレーン、チョコチップ、抹茶、チョコナッツ、プレーン生地のオレオ)のマフィンと豚丼の販売でしたが、私がお店に立ち寄ったときには、すでに完売でした。毎年の人気を皆知っているのですね。日本文化部は「和の心」をモットーにして色とりどりで鮮やかな花のジャンル、古典的でいてかつ現代的なジャンルに挑戦した書の作品の数々。体育館や教室、渡り廊下等に展示された作品は、鑑賞する人の心を和ませながら、癒やしの中にも力強い躍動感がありました。美術部は、ステージの背景画を完成しました。個性豊かな鯨や魚、学校周辺の自然を表現した巨大な作品は、ふるさとの未来を明るく照らしているかのようでした。また、教室に展示された個々の作品については、制作過程にも想いを巡らせしばらく見入っていました。
軽音楽部は3つのバンドが演奏しました。そのうち3年生が主体の2つのバンドは、妙見祭を最後に解散します。これまでの活動にかけた想いとこれからさらに広がる未来を予感させる演奏でした。赤、黄、青等に色とりどりに会場全体で輝くケミカルライトが、波打つような雰囲気の会場に花を添えました。妙見祭ステージの最後に、満を持して登場した吹奏楽部は、トリの演奏にふさわしく、会場全体を1つにして大きく盛り上げました。部員数が少ないながらも、ここまで一生懸命つくりげてきた演奏にゲスト出演者が加わり、最高のフィナーレを創りあげました。
有志は、今年は「FRIEBDS HIP」のダンス、「Hz(ヘルツ)」、「Chirpy」、「ちーむキタ」の3つのバンドが出演しました。いつどこで練習しているんだろうと思うほど、当日の妙見祭の中で何度も登場している人もありました。すべてのチームが自分たちのパフォーマンスを全力で会場に伝え、それに呼応する会場からのアンコール。また、それに応えるメンバー。妙見祭の素晴らしい成功に、華々しくて感慨深く無くてはならない存在でした。
閉会行事では、エンディングムービーに全員が見入りました。妙見祭当日の様子に準備風景も含めて編集された動画を見て、まだ、しばらくは続きそうな心地よく清々しい余韻に会場全部が満たされました。
クラス毎に作成したクラスTシャツも見事でした、ユニフォームとともに織りなすクラスの一体感は、それぞれがさらに全校生の中で調和の取れた大きな和を創りだしました。スローガンの「足音」がまとまり、大きく逞しく聞こえました。これらのことが、Be Strongに繋がることと思います。
そして、妙見祭の準備期間を通じて、企画や当日の運営に至るまで、周囲と上手に連携をとりながら走り回った生徒会執行部の皆さん。本当にお疲れ様でした。執行部の皆さんはいくつもの掛け持ちをしながらクタクタになって動いたことと思います。皆さんの頑張りがクラスや文化部、有志参加の皆さんの心を動かすパフォーマンスに繋がり、素晴らしい令和6年度妙見祭が完成しました。
保護者の皆様、開催にご協力いただいた関係者の皆様、本校の生徒と教職員の皆さん全員で、たくさんの弾ける想いと感動を共有できたとても素晴らしく、強く記憶に残る文化祭となりました。ありがとうございました。関係するすべての方に深く感謝いたします。
PTA役員の方々による焼きそばも、気温の高い中、本当にありがとうございました。本格的な屋台焼きそばの味を購入された皆さんは満喫されました。本当に保護者の方と学校が一体となった形を演出していただき嬉しい想いがいっぱいでした。
最後に生徒の皆さんへ ~ありがとうの気持ちとともに~
妙見祭が終わって学校生活は日常に戻りましたが、日常の授業の中でも、頭と感覚を研ぎ澄ませれば知的な感動につながるものがたくさんあります。人によって興味の感じ方は違いますが、妙見祭での様々な経験を是非、未来に繋げてください。
生徒の皆さんのアンケート結果 とても楽しめた:70.0% 楽しめた:26.9%
兵庫県高等学校総合体育大会
県総体を終えて
県総体に出場した選手の皆さん、お疲れ様でした。試合会場で応援をしていただいた保護者の皆様、ありがとうございました。皆様の応援の姿は、選手に届いて大きな力になったはずです。また、練習や練習試合で何度もお世話になった関係者の皆様、温かいお声かけもいただきありがとうございました。そして、この総体で引退することとなった3年生の皆さん、高校生としてのかけがえのない経験の記憶を自分自身の中に、そしてチームに残しました。その頑張りの積み重ねに敬意の気持ちを表さずにはいられません。
陸上競技部、ソフトテニス部、バスケットボール部、ソフトボール部の各部が出場した兵庫県高校総体。個人の技能向上からチームづくり、そして試合に臨むまでの過程での鍛錬が素晴らしいパフォーマンスを生み出しました。私は、吉川総合総合公園でのソフトテニス、加古川河川敷球場でのソフトボールの試合以外は観戦することができませんでしたが、個人の能力の限界に挑む姿、対戦相手に最後まで食い下がる様子が目に浮かびました。厳しいディフェンスを受けながらも一心にゴールを目指す姿、得点に繋がらない場面でも随所に見せる好プレー、徐々に体力が消耗する中でも果敢に相手チームに挑む姿勢は、見る人の心を動かしたことは間違いありません。
1回戦で見事にコールドゲームで勝ちを収めたソフトボール部の但馬ドームでの2回戦は、過去20回の優勝を誇る昨年度覇者の兵庫大学付属須磨ノ浦高校との対戦でした。序盤からの点差で、決して優勢とは言えない試合展開でも、変わらぬ闘志で、それぞれの役割をしっかりと果たしました。部活動に一生懸命取り組む中で、勝敗とは別に生まれた目的もしっかりと自覚して臨んで戦った試合です。今後の人生の貴重な糧となる素晴らしい成果を収めたことと思います。
心から拍手を送ります。
そして、多可校生のこれからの活躍が、益々楽しみになりました。
兵庫県高校総体ソフトボール競技 本校1回戦
県総体ソフトボール1回戦突破
6月1日(土)本校女子ソフトボール部は、加古川河川敷球場において、明石高校・明石城西高校・明石南高校の3校合同チームと対戦し、13対6で見事に勝利しました。結果、但馬ドームでの2回戦(6月7日)に進出します。2回戦の対戦相手は3月の全国選抜大会出場の須磨ノ浦高等学校です。
1日(土)は、昨年の1回戦当日の天候と同様に早朝から晴天に恵まれ、非常によいグラウンドコンディションでの試合でした。先攻の本校は初回に3点を先取して序盤から有利な試合展開になることを期待しましたが、それぞれが流石に実力のある学校の合同である明石・明石城西・明石南チームの反撃で逆転を許しました。しかし、この日までの毎日のひたむきな練習から、忍耐強く一途に積み上げた本校チームの本当の強さが発揮されたのはそこからでした。外野を深々と破る長打を含んだ8安打等により計13得点を奪い、守りはバッテリーを中心として、その後の失点を最小に抑えて守り切りました。制球よく粘り強く投げ続け、要所で三振を奪う投手、冷静な判断と正確なスローイングで連続して盗塁を阻む捕手、外野手からの目の覚めるような返球による進塁阻止、守備範囲を広くカバーする内外野の捕球と全ての場面で正確なベースカバーを行う内野手等、常にベンチとグラウンドの選手が一体となった素晴らしい試合でした。
明石高校・明石城西高校・明石南高校の選手、顧問の先生方、関係の皆様、ありがとうございました。また、本校の応援のために駆けつけて頂いた本校PTAをはじめとした応援の皆様、ありがとうございました。
選手と顧問の先生の今後に繫がる健闘を称えるとともに、関係のすべての皆様に深く感謝申し上げます。