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校長室から

国際交流の場を中国にも広げていきます!

鳴尾高校では鳴高2025アクションプラン ”やっちゃえ”鳴高!”Naruo Hjgh school  Goals(NHGs)として7つのゴールを設定し教育活動を進めてきていますが、そのゴール1「学校全体でグローバルリーダーを育成しよう」に向けて、これまで実施してきたオーストラリアや英国との国際交流プログラムに加えて中国との交流を広げていきます。

そのスタートとして、11月には国際文化情報学科1年生と広州外国語学校の生徒がオンライン交流を行いました。(本校HP11/20投稿)

今後、広州外国語学校との相互の交流をさらに進めていきます。

そして、11月4日~13日の間、普通科1年生 富井 都美さんが、「中国・広東省との高校生交流事業」で兵庫県を代表して中国広東省を訪問し、様々な体験や学びを深めて帰国しています。

そのインタビュー内容は、校長メッセージ12月号にも掲載していますが、そこでは書き切れなかったインタビューの詳細を校長ブログでご紹介します。

インタビューで富井さんから開口一番に出た言葉は「兵庫県代表として一緒に中国に行った10人と出会えたことが今回参加して最も大切なこと。帰国後も、電話やテレビ電話でやり取りをしています。」でした。

中国広東省の仏山第一高校で交流のあった高校生とも、オンラインでやり取りをしてつながっているそうです。

中国との政治的な問題や歴史的な対立は昔からあって、今回の研修を通じて、それらのことを超えてこうしていきたいという思いが強くなったと語る富井さんに、「在りたい未来」を創っていくこれからの世代を感じ、頼もしく思いました。

仏山第一高校で交流のあった高校生とオンラインでやりとりしている中で、仏山第一高校の校長先生が、学校の集会で最近の中国に関わるニュースで日本と中国が対立していることに触れ、「私たちはそれなしで話しをしようね。」と話しをされたと聞き、これからの「在りたい未来」が見えた気がしました。

中国広東省で出会った人々は、日本のことが好きだ、行ってみたいと言ってくれて、若い世代は日本に良い印象や考えを持っているのだと感じたそうです。

インタビューにあたって、事前に富井さんが校長の質問に答えてくれました。ご紹介します。

<質問の回答>

(Q1)中国に行ってみようと思ったきっかけは何ですか?

 私は、中学校3年で進路を決めるときに日本以外の文化に触れたい、高校も留学のチャンスがある高校に行きたいと考え鳴尾高校を受検しました。異文化交流に興味があり、この研修を通じて自分の視野を広げ、コミュニケーション能力を高めたいと思ったことがきっかけです。

 日本に近い国でありながら、中国の文化や価値観についてはほどんど知らなかったため、実際に現地に足を運び、自分の肌で感じられるこの機会に参加してみたいと思いました。

(Q2)中国に行って感じたこと、考えたことを教えてください。

 私はこの研修の中で、仏山第一高校に行かせていただいたことが一番印象に残っています。なぜなら、中国の学校生活について学ぶことができたり、生徒の皆さんが積極的に話しかけてくれたからです。

 多くの生徒が毎日自宅から通うのではなく、寮で生活しています。家に帰れるのは、基本的に日曜日だけだという環境です。また、朝は6時30分ごろに起床し、早い時間から授業が始まります。夜も授業が22時15分まで続き、一日のスケジュールがとてもハードであることに驚きました。

 また、休み時間になると、多くの生徒が私たち日本人の周りを囲み、話しかけてくれました。中には「日本語を勉強していて日本に行ってみたい」と日本語で伝えてくれた人もいました。日本に興味をもってくれていることがとても嬉しく感じ、私自身ももっと中国のことについて知ろうと思うきっかけになりました。

(Q3)最近では高市総理の発言を受け、中国から日本への渡航を制限するなどのニュースが流れました。中国と日本の関係について思うこと、考えたこと、自分ができることは何だと思いますか?

 日本と中国の関係について考えると、政治や歴史の面ではどうしても意見がぶつかったり、ニュースで問題が取り上げられたりすることがあります。ですが、私たちはそうした大きな問題だけで相手を判断するのではなく、目の前の一人一人を大切にしたいと思っています。この研修で出会った友達とは、国同士の状況とは別に純粋に「人と人」として向き合ってきました。お互いの文化や考え方に違いはあっても、それを知ることでむしろ理解が深まり、尊重し上げる関係を続けていきたいと感じています。

 向こうで出会った人たちとは研修が終わった今でも連絡を取り合っていて、二週間に一度ほどテレビ電話をして顔を合わせています。こうした小さなつながりを大切にしていくことが私にできる一歩だと思います。

 大きな課題にすぐ影響を与えることはできなくても、人として誠実に関わり続けることが、日中の関係を少しでも前向きに考えるきっかけになると信じています。

(Q4)鳴高生のみんなに伝えたいメッセージは何ですか?

 皆さんも普段、SNSで中国に関する動画や投稿を目にすることがあり、あまりポジティブな印象を持てないかもしれません。ですが、実際に訪れてみると、日本に興味をもってくれている方や、素敵な文化に沢山出会いました。SNSだけでは伝わりきらない人のあたたかさや街の雰囲気、食文化の魅力を私が発信し、みなさんの中国へのイメージが親しみやすいものになれば嬉しいです。

※2学期の終業式では、富井さんが鳴高生のみなさんに向けて、「中国・広東省との高校生交流事業」で得た学びを伝えてくれます。お楽しみに♪