校長室より

紅白歌合戦

紅白歌合戦

 昔は、大晦日の夜はNHK紅白歌合戦を見るものと決まっていました。昨年の第二部の平均世帯視聴率は史上最低の34、3%でした。これでもかなり高いな、と思う人がいるかもしれませんが、1963年は81.4%だったということですから、時代の流れを感じます。年配の人はジャニーズ系や若い人の歌を知りません。若い人は演歌を聴きません。「二兎を追う者は一兎も得ず」という事で、年配の方にも、若者にも嫌われてしまったのかもしれません。紅白歌合戦の存在自体が問われているようです。

 昔は一家には一台のテレビしかなく、一家二世代、三世代にわたってテレビを見ていたものです。現在では、地上波のテレビは見ないという人も増えてきました。NetflixやYouTubeの方が面白いという訳です。テレビではなく、コンピュータのモニターやスマホを見ている人が多いです。不特定多数の大きな人口に対して、情報を発信していくことが時代遅れになりつつあるのでしょう。少数でもコアな人たちから賞賛される方を求めていく方が、時代に合っているのかもしれません。

 ところで、2022年のアカデミー賞のノミネート作品が発表されました。村上春樹さんの小説を原作にした、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、日本映画として初めて作品賞にノミネートされたということで、話題になっています。他の作品を見ると、もちろん映画として公開された作品が多数ではありますが、NetflixやAmazonで配信された作品も並んでいます。そんな時代になっていくのですね。紅白歌合戦も、紅白饅頭に席を譲って、引退していくのかもしれません。