校長室より

二極分化

二極分化

 昔に比べて、スポーツ競技の成績や記録は一般的には向上していると思います。トレーニングの方法や、食事やサプリメントの補給、また道具の進歩などには著しいものがあるからです。ところが、陸上競技の男子400mの日本記録は、高野進さんが1991年に記録した44秒78が30年以上破られていません。どうしてでしょうか。

 もちろん、高野進さんが素晴らしいアスリートであり、オリンピック等でも活躍した選手ではありましたが、30年の間には、ウエア、靴、競技場のトラック等、物理的に多くの進歩があったはずです。また、トレーニングをとっても映像をコンピュータで解析する等、格段の進歩があったに違いありません。

 武井壮さんが次のように解説していました。

 道具やトレーニングの進歩で、昔に比べて練習の効率は著しく進歩した。その進歩をうまく利用できるアスリートはどんどん競技力が向上する。逆に、効率だけを求めて、自力の向上を図れないアスリートは記録が伸びない。科学の進歩により、アスリートにも二極分化が起こっているのではないか。

 ここまではアスリートの話でしたが、これは他の多くの出来事に応用できないでしょうか。勉強や仕事においても、二極分化が進んでいないでしょうか。多くの人にとって適切であろう勉強(仕事)を、先生(上司)に言われるがままにやらされている。これで勉強(仕事)ができるようになるでしょうか。自分にとって最適な方法を自分で考えて、目標と締め切りを設定して努力する人は、きちんと成長するに決まっています。皆さんも、快調に最長に体調に気を付けて、成長を続けてください。