アニマルウェルフェア
アニマルウェルフェア
「アニマルウェルフェア」あまり聞いたことがない言葉かもしれません。日本語では「動物福祉」や「家畜福祉」と訳されています。動物を「感受性のある存在」と捉え、家畜にとってストレスや苦痛の少ない飼育環境を目指す考え方のことです。家畜やペット、実験動物などが満たされて生きる状態を確立するために、次の「5つの自由」が定められました。1 空腹と渇きからの自由 2 不快からの自由 3 痛みや傷、病気からの自由 4 正常な行動を発現する自由 5 恐怖や苦悩からの自由
確かに動物たちにも、人間と同じように福祉や自由の権利があるとの認識は必要なことなのかもしれません。しかし・・・
例えば卵を産むために育てられている採卵鶏には4つの飼い方があります。アニマルウェルフェアの実現度の高い順に「放牧」「平飼い」「エンリッチドケージ」「バタリーケージ」です。日本の主流は「バタリーケージ」よく見る鶏の飼い方で、狭いケージの中に閉じ込められている感じがしますが、92%の採卵養鶏場が採用しています。先日農業科のある高等学校の先生と話をする機会がありました。その学校でも採卵鶏を飼っているのですが、普通のケージ飼いと、平飼いの両方を試されていました。
「アニマルウェルフェアのことを考えると、平飼いの方が良いのですか」
「いや実は平飼いをすると、鶏同士がくちばしで互いをつつきあい、怪我をすることが多いのです。それを避けるためには、かなり広い敷地の中で飼育することが必要で、人手がかなりかかってしまいます。一般の農家さんではなかなか難しいと思います」
アニマルウェルフェアの考え方で、平飼いや放牧で鶏を育てたとすると、費用がかなりかかってしまうため、卵の値段がかなり上がってしまうことが予測されます。それでも消費者として、高い値段の卵を買うでしょうか。なかなか難しい問題です。
先日名古屋入国管理局の施設で、スリランカ人の女性が亡くなるという事件がありました。日本では「アニマルウェルフェア」よりも、「人間ウェルフェア」の方が優先順位が高いのかもしれません。
学校紹介・美術工芸部紹介
サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
Copyright(C)2019-
Kodera High School of Hyogo
All rights reserved.
このサイトの著作権はすべて
兵庫県立香寺高等学校にあ
ります。画像・PDFなど、
サイト内にある全てのコンテ
ンツの流用を禁じます。