新しい資本主義
新しい資本主義
どこかの国の総理大臣が「新しい資本主義」などと言っています。資本主義をどのようにとらえるかは難しいと思いますが、「大量生産、大量消費」「貧富の格差の拡大」「環境に優しくない」等、問題点はたくさんあるように思います。だからといって、資本主義に代わる夢のようなシステムがあるかと言われると、これもまた難しいのが現実です。
ヤニス・バルファキスという人が書いた、原題「ANOTHER NOW(日本語では「もう一つの現在」くらいが適切)」という本の日本語訳が「クソッたれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界」というかなりぶっ飛んだタイトルで出版されました。著者のヤニス・バルファキスという人は、ギリシャ出身で経済学の学者ですが、2015年ギリシャが全国的な経済危機に陥ったときに、チプラス政権の財務大臣に就任し、財政緊縮策(国の予算を小さくする策で、良い面もなくはないが、庶民は困ることが多い)を迫るEUに対して大幅な債務減免(国の借金を、なかったことにしてくれという無茶な話)を主張し、注目を集めた人物です。
この本の内容を紹介するのは至難の業なのですが、やってみましょう。一言で言えばSFです。現在の資本主義の世界と、それを劇的に改善してできた架空の世界を比較し、個性的な登場人物5人に自由に語らせたという形式です。1980年代、イギリスのサッチャー首相が「There is No Alternative」「(資本主義、市場主義のほかに)選択肢はない」の頭文字を取って「TINA(ティナ)」と言ったのに反対して「That Astonishingly There is An Alternative」「驚くことに選択肢は存在する」の頭文字を取って「TATIANA(タティアナ)」を主張しました。一つの想像上の理想的な社会を考案するのですが、その実現のためには名もなき庶民1人1人の努力と貢献と行動が欠かせないと書かれています。この架空の世界では、商業銀行、株式市場、上司と部下の関係、その他「当然のように存在すると思われるもの」が全く存在しません。まさにSFなのですが、私は絵空事だと笑い飛ばす気にはなれませんでした。
資本主義の代わりはないことはない。日本にも手本となる見本を作り、絵本になるような基本を大切にしましょう。
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サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
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