トマ・ピケティ
トマ・ピケティ
その筋では有名な人物であるトマ・ピケティです。1971年に生まれたフランスの経済学者です。彼を有名にしたのは、2013年の著書「21世紀の資本」です。当然フランス語で書かれた本ですが、世界10数カ国語に翻訳され、累計百万部を超えるベストセラーになりました。日本語版はみすず書房が2014年に出版しましたが、728ページもあり、定価5500円にもかかわらず、13万部売れています。
「21世紀の資本」の内容を簡単に要約すると、次のようになります。「資本から得られる収益率が経済成長率を上回ると(実際にそうなっている)富は資本家へ蓄積される。そして富が公平に再分配されないことによって、貧困が社会や経済の不安定を引き起こすということを主題としている。この格差を是正するために、累進課税の富裕税を、それも世界的に導入することを提案している」この本が画期的だったのは、データが残っている範囲で、過去200年以上のデータを分析して、これまで収益率が経済成長率を上回ってきたことを実証したことにあります。
今回、香寺高等学校の図書室にトマ・ピケティの新著「来たれ、新たな社会主義」を購入してもらいました。この本は学術書に近い「21世紀の資本」とは異なり、フランスの新聞「ル・モンド」に書いたコラムをまとめたもので、かなり読みやすくなっています。この本から引用します。
「ハイパー資本主義はあまりにも行き過ぎてしまった。いまや私たちは、資本主義を超える新しい体制、すなわち、参加型かつ分散型、連邦主義的かつ民主主義的で、環境にやさしく、他民族共生かつ男女同権といった新しい形の社会主義について考える必要がある。私はそう確信している」
「社会主義」という言葉にネガティブなイメージを持つ人もいると思いますが、現在の資本主義が絶対的に正しいとも言えないように思います。トマ・ピケティの言うことが100%正しいかどうかは分かりませんが、考えてみる余地は多分にあるように思います。ピケティよりキティちゃんの方が可愛いのは間違いありませんが。
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サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
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