校長室より

二兎を追う

二兎を追う

 「二兎を追うものは一兎も得ず」ということわざは、もともと英語で「If you run after two hares you will catch neither」ということわざを日本語に訳したもののようです。「同時に2つのことをしようとする者はどちらの成功も得られない。1つの事柄に集中するのがよろしい」という意味です。しかしこのことわざに対して「二兎を追うものだけが二兎を得る」という言葉もあります。生徒の皆さんはどう考えますか。

 「文武両道」という言葉があります。中国の歴史書である「史記」にも記述があるようですが、日本では鎌倉時代以降の武士の世界で、文事と武事の両方に秀でることとして使われた言葉です。現在の高等学校でも、勉強と部活動の両立を目指すこととして、多くの学校の目標として用いられています。確かに、高校生には勉強はもちろんですが、部活動に取り組むことも大切で「二兎を追う」ことにつながります。

 総合学科の高等学校では、以前から「探究活動」に重きを置いてきました。探究は自分の興味関心のある事柄について、色々な方法を駆使しながら深堀していくもので、現在では普通科の高等学校にも広く取り入れられています。通常の学習活動と探究活動を両立させていくことも「二兎を追う」ことになると思います。

 ビジネスの世界では「二兎を追っていると三兎めが出てくる」という話もあるようです。多角経営を奨励するときには、適切なのかもしれません。皆さんも二兎を追うと、古都を問う事ができるかもしれません。