校長室より

ゴルゴ13

ゴルゴ13

 ゴルゴ13は、小学館が発行する「ビッグコミック」誌で、1968年から連載が始まった「さいとう・たかを」さんによるアクション劇画です。日本人あるいは日系と思われる国籍不明のスナイパー・自称デューク東郷が、何物にも支配されず、ただ己の掟にのみ従って、依頼された仕事を完璧に遂行していくストーリーです。単行本の刊行が207巻を超え、2021年にはギネス世界記録にも認定されました。

 作者のさいとう・たかをさんは2021年9月に84歳の生涯を閉じられましたが、「さいとう・プロダクション」によって現在も連載が継続しています。これだけ長く連載が続いていますから、ストーリーの基本は時代とともに変化してきました。アメリカのCIA(中央情報局)とソ連のKGB(国家保安委員会)の暗躍が柱だった1970年代、産業スパイものが目立つ90年代、デジタル万能社会を使いこなし、かつ我が道を征くゴルゴが際立った2000年代以降、という具合です。この作品を読んで、国際情勢を学んだ読者も大勢いると思います。

 私には、主人公のデューク東郷は、イギリスの007シリーズのジェームズ・ボンドと重なって見えることもあります。昔は平気だったと思いますが、最近はコンプライアンス重視の傾向があるので、画期的な新しい作品を生み出していくことが困難になっていくのかもしれません。とりあえず連載は続いていくようなので、今後の活躍に期待しましょう。ゴルゴ13の話題を、大阪の十三に行ったつもりで、1月13日に掲載できることを嬉しく思います。