世阿弥 最後の花
世阿弥 最後の花
室町時代の有名な猿楽師である世阿弥です。観世流の能として現代にも受け継がれていますし、著書である「風姿花伝」は能の理論書としても、また芸道書とも読め、昔から多数の読者を獲得してきました。
三代将軍の足利義満に気に入られ、名声を得ますが、六代将軍足利義教からは弾圧を受け、罪のないまま72歳にして佐渡島へ流刑されてしまいます。世阿弥の佐渡での様子を著した小説が藤沢周さんによる「世阿弥 最後の花」です。
実は世阿弥についてはよく分かっていないことが多くあり、佐渡へ流されたのは間違いないようですが、その後許されて京に戻ったという説と、佐渡で生涯を閉じたという説があります。
藤沢周さんは、史実を踏まえながらも、佐渡で出会う魅力的な人間を多数配置し、老いた世阿弥が「最後の花」を咲かせる舞台を創造していきます。この小説を書くにあたり、彼自身も観世梅若流(かんぜうめわかりゅう)の謡(うたい)と仕舞(しまい)を稽古するようになり、文章に説得力が増すことになります。昔から罪人が流されてきた佐渡島ですが、その地にあって、世阿弥が亡き父親や息子を思い、ほぼ命がけで雨乞立願能(あまごいりつがんのう)を舞い、佐渡の仲間たちと「西行桜」を完成させる。私も読みながら佐渡島で能舞台を見ているような気分になりました。
能は、Noと言わずに、Know(知っておく)べきものですね。
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サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
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