校長室より

宇宙人と出会う前に読む本

宇宙人と出会う前に読む本

 生徒の皆さんは、宇宙人は存在すると思いますか。私は小さい頃から「宇宙人はどこかにはいる」と思ってきました。「宇宙はものすごく広いから、どこかの星には地球と同じような星があるに違いない」というのが理由です。

 今回は、筑波大学研究員の高水裕一さんが書いた、講談社ブルーバックス「宇宙人と出会う前に読む本」から紹介します。この本では、「地球人」と「宇宙人」が交流するという架空の話を通して「地球での常識と宇宙での常識」を考えるという内容になっています。以下、いくつか紹介します。

①    あなたはどこから来たのですか。

 「地球という惑星から来ました」これでは全く通じません。正解は「天ノ川銀河の中心から約2.6万光年離れたG型恒星(緑色や黄色をした軽量型の恒星)である太陽を公転する惑星のうち、内側から3番目にある地球から来ました」

②    あなたは何でできていますか。

「私は原子でできています。現在の地球の素粒子物理学では、物質の究極の最小単位は電子とクォークであると考えられていますが、あなたの惑星ではどうでしょうか」現在地球で用いられている元素の周期表は、宇宙でも通用します。

③    あなたたちの太陽と月は、いくつありますか。

「地球では太陽も月も一つです」そんな惑星は、宇宙では大変珍しいものです。すべての恒星のうち半分以上は「連星」で三重やそれ以上の連星もあります。太陽が二つ、三つある場合は、日の出や日の入りを定義したり、そもそもカレンダーをどのように作るのか、とても大変です。また月のような衛星の数も、太陽系ですら水星と金星にはありませんが、火星は二つ、木星は72個、土星は53個となっています。日食や月食が頻繁に起こることになります。

    他にも、「あなたは左右対称ですか」「エネルギーは何を使っていますか」等、地球人の常識が、宇宙人の常識とは異なる事例が述べられています。自分たちの物事の見方を考え直す、とても面白い本でした。見方を考えるためには、味方を多くして、少なくとも三方から見つめ直すことが必要です。