校長室より

国際連盟

国際連盟

 国際連盟は1918年に第一次世界大戦が終了し、パリ講和会議の後、1920年に発足しました。提唱したのは当時アメリカの大統領だったウッドロウ・ウィルソンですが、よく知られているように、アメリカはモンロー主義によって議会で否決され、結局国際連盟には参加しませんでした。

 国際連盟の仕事としては、①戦争の防止 ②委任統治、少数民族の保護 ③社会・経済的な取り組み の3つがあげられました。このうち、結果としては第二次世界大戦が起こってしまいましたから、①戦争の防止 が達成できませんでした。ということで、現在では国際連盟の値打ち(?)はなかった、という感じになってしまっています。果たしてそれでよいのでしょうか。

 国際連盟の本部はスイスのジュネーブに置かれましたが、発足当時は人も物もお金もなく、文字通り手探りの立ち上がりだったようです。ゼロから1を作り出すことは大変です。当分の間はホテルの部屋を借りて、本部にしていたそうです。当時の国際連盟本部は、現在では国際連合ジュネーブ事務局として利用されています。②と③については、かなりの成果があったものもあります。そして第二次世界大戦終了後の国際連合の立ち上げについては、国際連盟でのノウハウがかなりの部分に生かされています。限界はありましたが、当時の多くの人々の苦労が積み重ねられた国際連盟でした。連盟のために、混迷の中で懸命に運命を感じて、鮮明に本命に任命されるように頑張りました。