校長室より

世界のおすもうさん

世界のおすもうさん

 相撲は皆さんの身近にありますか。日本の伝統ある格闘技、興行ではあるのですが、若い世代にとっては少しとっつきにくいですよね。特に最近の大相撲を見ていると、日本人力士よりモンゴル出身力士の方が活躍しているイメージがあります。

    大相撲の世界に外国出身力士が登場しはじめたのは、ハワイ出身の高見山からだと思います。以後曙や武蔵丸、小錦とハワイ出身力士が活躍しますが、これは第二次世界大戦以前から、日本からハワイに移民する人たちが増えて、相撲が普及していったという経緯があります。

    実は1992年から「世界相撲選手権」が始まっています。世界中からアマチュアの力士が集まり、日本の相撲のルールで戦うのです。2019年には大阪で第23回世界相撲選手権大会が世界31の国と地域から選手が集まり開催されました。2020年は当然のように新型コロナウイルスの影響で中止になったそうです。

 世界中には、相撲のようにいわゆる武器を手にせずに、肉体のぶつかり合いだけで勝敗を決する格闘技が数多く存在しています。沖縄相撲シマトゥイ、韓国のシルム、中国のシュアイジャオ、そして「モンゴル相撲」等です。大相撲にモンゴル出身力士が多いのも、「モンゴル相撲」の存在があるからです。

 「モンゴル相撲」正しくは「ブフ」といいます。ブフのルールは、日本の大相撲とはかなり異なります。まず土俵がありません。ですから寄り切りとか押し出しという決まり手はありません。勝負は両足の裏側以外の部分が地面についたら負けです。だからモンゴル出身力士は、外掛けやけたぐり等の足技や、投げ技が得意な人が多いわけです。

 おすもうさん達は、身体を大きくするのが仕事です。朝起きて、稽古をして、ちゃんこ(いわゆる「ちゃんこ鍋」以外でもおすもうさんの食事は「ちゃんこ」と言うらしい)をたくさん食べて、昼寝をする。また起きて、稽古をして、ちゃんこをたくさん食べて寝る。一日2食で、食べたら寝る。これが太るのに適しているようです。ちゃんこはおすもうさんが食べるもので、にゃんこのエサにはなりません。