校長室より

怒らない男

怒らない男

 作家の吉行淳之介さんは、温厚で「怒らない男」と呼ばれたそうですが、本人はそうでもないと書かれています。負の感情が爆発しそうになると、ある禅僧の次の言葉を思い出したそうです。

 「気に入らぬ風もあろうに柳かな」

 あの柳をごらん。気分のいい風ばかりではなかろうに素知らぬ顔で吹かれているじゃないか。と、そう考えれば少しは落ち着く。吉行さんによれば「だいたい効き目がある」そうです。

 本当に怒らなければならないこともたくさんあると思います。しかし、後になって冷静に考えてみると、そこまで腹を立てる必要もなかったことも数多いのではないでしょうか。腹立たしいことがあったときに、柳の木を思い出してみることも大切かもしれません。2022年も終わりを迎えますが、来年は腹立たしいことが少なくなるような年にしたいものです。腹立つことは、巨人の原辰徳監督に任せましょう。