校長室より

ギリシャ文字

ギリシャ文字

 新型コロナウイルスの変異株の名前で有名になった、ギリシャ文字です。生徒の皆さんは、これまでにも主として数学や理科の勉強でギリシャ文字を使ってきたと思います。英語のアルファベットは26文字ありますが、ギリシャ文字は24文字です。ちなみに「アルファベット」という言葉はギリシャ文字の最初の2文字である、アルファとベータに由来するそうです。

 ギリシャ文字には大文字と小文字がありますが、小文字は次のように書きます。

αβγδεζηθικλμνξοπρστυφχψω

 最初の3文字はアルファ、ベータ、ガンマでなじみがあると思います。数学の二次方程式、解と係数の関係に出てきますし、放射線の三つの種類はα線、β線、γ線と呼びます。デルタには少しだけという意味があり、シータは角度として、ラムダは電磁波の波長に、パイは円周率に、シグマの大文字はΣで、数列などの総和に、オメガの大文字はΩで、電気抵抗の単位オームに使われています。

 新型コロナウイルスの変異株の名前に使われるようになったのは、約100年前の新型インフルエンザの大流行の際、スペインが発端ではなかったのに「スペイン風邪」と呼ばれ、スペインが迷惑したことの反省に立ったものです。アルファ株からスタートして、ミュー(μ)株まで使われていました。次はニュー(ν)の番でしたが、ニューはnewと間違えやすい、その次のクサイ(ξ)は英語表記だとxiとなり、人名によくある名前だということで、二つ飛ばしてオミクロン(ο)が採用されました。

 そうすると、あと残りの文字は9個しかありません。この先変異株がたくさん出てきたらどうするのでしょうか。と思っていたのですが、さすがに世界のWHO(World Health Organization 世界保健機関)はちゃんと考えているようで、ギリシャ文字を使い切ったあとは、星座の名前をつけるそうです。星占いの星座は全部で12個しかありませんが、現在認められている星座の名前は88個あるそうなので、しばらくは大丈夫のようです。

 それにしても、コロナが収まるのは、いつコロナのでしょうか。