独裁者
独裁者
生徒の皆さんは「独裁者」と聞くと、誰を想像しますか。歴史を振り返ると、また現在の世界を見渡しても「独裁者」であろう人物を何人も指摘できそうです。しかし過去史上最大の独裁者と言えば、やはりドイツの「ヒトラー」だと思います。今回、芝健介さんが書いた岩波新書の「ヒトラー」を読んだので、彼について考えてみます。
知っている人は知っている事実なのですが、アードルフ・ヒトラーは実はオーストリアの生まれで、後にドイツ国籍を取得しました。画家を目指していましたが、第一次世界大戦では「通信兵」としてドイツ軍に従軍しています。第一次世界大戦終了後、ドイツは敗戦国となりますが、当時最も民主的と呼ばれた「ワイマール憲法」を制定し、復興に取り組みます。その中からヒトラーが率いる「ナチス党」は「合法的」に選挙で多数派を形成し、首相になっていきます。当時のドイツ国民は、困難な生活状況を何とか変革してくれないか、という希望をヒトラーとナチス党に託したのでした。
現在ではヒトラーを「評価」する意見もわずかにあるようですが、彼の所業はとんでもない事ばかりです。第二次世界大戦を引き起こしたこと、ユダヤ人や障がい者等を虐殺したこと、自分に反抗した人々を処刑しまくったこと、数え上げればきりがありません。そしてこれだけの悪行を行えたのは、ヒトラー一人の力ではありません。取り巻き、側近である多くの人物によるヒトラーへの「忖度」が大きな影響を及ぼしました。あまりにも非人道的な政治が続いたので、ヒトラーは反対勢力から二度、暗殺されかけました。不幸なことに、二度とも失敗に終わってしまい、その後はドイツ国内に「反ヒトラー」勢力は表面的にはなくなってしまいました。
ヒトラーはさすがに極端な例だとは思いますが、過去を振り返っても、現在においても、どこの国家においてもある意味「独裁者」が存在しています。権力を持つものにおもねり、すり寄り「忖度」を繰り返す人間は後を絶ちません。人間は歴史に学ばねばなりません。絶対権力は絶対的に腐敗すると決まっているのですから。ヒトラーは無視して、マヨラーやキティラーを大切にしましょう。
学校紹介・美術工芸部紹介
サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
Copyright(C)2019-
Kodera High School of Hyogo
All rights reserved.
このサイトの著作権はすべて
兵庫県立香寺高等学校にあ
ります。画像・PDFなど、
サイト内にある全てのコンテ
ンツの流用を禁じます。