実るほど
実るほど
春に植えた稲が、秋になり、収穫の時期を迎えています。毎年この時期になると「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざを思い出します。有名なことわざなので、皆さんよくご存じだと思います。この「よく知っている」というのは、結構落とし穴になることが多いものです。
このことわざの意味は「稲が成長すると実を付け、その重みで実(頭)の部分が垂れ下がってくることから、立派に成長した人間、つまり人格者ほど頭の低い謙虚な姿勢である」というものです。
「立派な人ほど謙虚な姿勢である」「虚勢を張って威張るだけの人は、人格者とはほど遠い」
なるほどその通りなのでしょうが、このことわざを「若いときから謙虚が大切」と読んでしまうとどうでしょうか。ある程度の年齢を重ね、それなりの成功をしている人たちはほとんど皆さん、謙虚な方ばかりです。しかし、若いうちから謙虚であったか、というと、決してそんなことはなかったようです。謙虚の反対は傲慢(ごうまん)ですが、ほとんどの人はその傲慢な生き方をしていたのではないでしょうか。しかし、その傲慢さによって、手痛い失敗や、ひどい経験をしてしまいます。その経験からいろいろと学んでいくうちに、だんだん望む結果を手に入れられるようになり、現在の成功をつかんだのだと思います。ですから、若いうちから頭を垂れて謙虚になど生きていく必要はなく、むしろ傲慢なくらい頭を上げて生きていった方が、将来的には立派な実りを得られるのではないかと思います。
またもう一つ「稲穂は、自らの意思を持って頭を下げているのではない」ということです。つまり自分が意識して謙虚になっているのではなく、ごく自然に当たり前に謙虚な生き方になっているということです。「謙虚にする」のではなく、「謙虚になる」ということです。皆さん、どうでしょうか。私も「謙虚になる」ように、新居に転居して、根拠を持って選挙に投票して免許を得たいと思います。
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サンテレビ「4時!キャッチ」2020/7/15
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