校長室より

言語化する

言語化する

 日本の女子体操界を引っ張ってきた、村上茉愛(むらかみ まい)選手が現役引退を表明しました。村上選手は東京オリンピックの体操種目別床の演技で銅メダル、秋に行われた世界選手権でも床で金メダルを獲得しました。彼女は引退後、指導者の道を歩むそうですが、こんなことを言われていました。

「これまでは体操競技を、演技で表現してきた。これからは、体操の素晴らしさを言語化して表現しなければいけない」

    この「言語化する」ということは、大変難しいことですが、とても大切な事だと思います。例えば、絵画が美しい、音楽が魅力的だ、ご飯が美味しい、という事実があったとします。絵画を見る、音楽を聴く、ご飯を食べるという実際の体験ができるのであれば、それが一番です。しかし、みんなが体験できることばかりではありません。ですから、絵画の美しさを、音楽の魅力を、ご飯の美味しさを言葉で表現して、伝える必要があります。

    香寺高校では12月に3年次、2年次それぞれ「総合的な探究の時間」の発表会があります。また2月には「総合学科発表会」も予定されています。この会は、探究してきた内容を言語化して、皆さんに伝えるものです。大変な作業だと思いますが、自分の力を発揮する良い機会だと思います。また、3年次の皆さんは就職、進学するにあたって、しっかり練習をして、面接試験に臨んだ、またはこれから臨んでいくと思います。このときも、自分の考えや経験を言語化することが必要です。「3年間○○部で頑張りました」で終わるのではなく、どんな苦労があって、どんな経験をしたので、自分がどれくらい成長することができたのか、やはり体験を言語化することが必要です。この力は大学へ進学した後も、就職試験等で必ずまた必要になります。

    もちろん私は日頃から親父ギャグを考え、言語化することを実践していますから、言語化はめっちゃ得意です。特異な話も得意です。