総長・校長室より

総長・校長室より

附属中高 夏季休業前の全校集会ーPDCAサイクルを持ち、ピンチをチャンスにー(R4.7.20)

 附属中学校と高等学校と、夏季休業を迎えるにあたり、全校集会を持ちました。本校は2学期制のため、前期の終業式は9月の終わりですが、夏季休業中をしっかり乗り切って欲しいと、総長、校長からメッセージと、生徒指導担当からの感染症対策と熱中症対策について話しました。

 中高の全校生が体育館に入ると、密になるため、附属高校は体育館、附属中学校は夢造館で別々に実施しました。

 総長は附属中学校に、校長は附属高校で生徒にメッセージを伝えました。附属中学生には前日の部活動の県大会壮行会で校長メッセージを伝え、附属高校生には総長のメッセージも校長から伝えました。

 総長、校長の思いが生徒に届いて欲しいと願っています。40日間の夏季休業を、健康に気を付けて送って欲しい。

                                          校長 小倉 裕史

 

【総長あいさつ】 武尾 正弘 

 ようやく前期の大半は終わり、夏休みに入るわけですが、4月に思い描いた通りの生活や勉強をここまで進めることができましたか? 

 一般社会やビジネスの世界では、PDCAサイクルという言葉があります。

 これはそもそも物を生産する工場で、品質管理の観点から出てきた言葉ですが、Pはプラン、計画、DはDo、実行すること、Cはチェック、結果を評価すること、最後のAはアクションと言って行動するという意味ですが、ここでは結果の評価に基づいて、改善するということを意味します。PDCAは、計画、実行、評価、改善ということです。

  この考え方はものの生産だけにとどまらず、最近はビジネスの世界のあらゆる事柄に拡がってきています。

  皆さんの生活や勉強についても、まず、計画し、それに基づいて実施し、その後、結果について評価して改善し、次の計画に生かすといったPDCAサイクルが必要です。

  でも実際にこれをやるとなったら、どんなことをすれば良いか迷いますね。

 でも大事なことは、まず、計画をノートなどに日付入りで書くことなんです。そして、設定した目標についてはいつまでにそれをやってしまうか期日を決めることなのです。この期間は長くても短くても良く、最初は全く計画通りにはいかないと思いますが、そのノートをみてきっと反省することになると思います。それがPDCAサイクルの第一歩になるのです。 

 これから長い夏休みになると思いますが、まず最初に、計画をノートなどに書くことと、期限を決めることをやって頂いて、皆さん独自のPDCAサイクルをつくることをお願いいたします。 

 それから、コロナ感染がどんどん拡がっている状況にあります。かかっても重症化しないという人もいますが、他人にうつしたり、後遺症がのこることもあり、感染しないに越したことはありません。夏休み期間中もこれまでのルールを十分に守り、節度ある生活を過ごしてください。

 

【校長あいさつ】 小倉 裕史

 今年度は、4月には、高校3年生は延期の延期となった宮古島への研修旅行、高校1年生は3年ぶりの蒜山高原自然教室を無事に実施してスタートしました。文化祭や先週実施できた球技大会などの実施や、黎明寮での朝食の一部バイキング形式に戻すなど、可能な限りの感染対策を取りながら、3ヶ月余りが経ちました。

 私からは、「ピンチはチャンス」「窮(きゅう)すれば転ず、転ずれば通ず」ということをお話しします。

 皆さんは、これまでの高校生活や中学校生活を振り返ってみると、うまくいったこと、感動したこと、失敗したこと、悲しかったこと。それぞれあるかと思います。うまくいったり感動した時は、やる気に繋がったでしょうが、失敗した時や、悲しかった時は、悔しさがこみ上げてきたと思いますし、思い出したくないかもしれません。

 しかし、まず皆さんに伝えたいのは、「ピンチはチャンス」という言葉です。人間は、窮地(きゅうち)に立った時が、チャンスと言われます。ピンチはピンチで、チャンスのはずがないし嫌だと思います。しかし、高校生活だけでなく、これからの人生の中で、一度はもう限界だと感じることがあるかもしれません。また、「窮すれば転ず、転ずれば通ず」という言葉があります。

 窮する(行き詰まり苦しむ)ことで、道を進んでいた際に行き詰まり、転んでしまった。しかし転んだからこそ、そこから見える新たな視点や発見があるものだ。という意味です。つまり、人間はまず「転ぶ」ということがなければ、「通ずる」ということがないと言われます。転んだからこそ、そこから見える新たな視点や発見がある訳です。

 ピンチが訪れて、どうしようもないとならないとき、諦めるしかないかと思ったとき、もう一度引き返そうと思ったとき、方向転換をして(転じて)あらゆる事を見ることで、「こんなところにこんな方法があった。こんな道があったな」と新たな発見ができるのです。

 しかし、これも諦めてしまっては、チャンスは絶対に訪れては来ません。転じてこそ活路が見出されるのですから、何事も最後まで諦めないことが、いかに大切かということです。現在の成績では、目指す進路を諦めなくてはならないのではないかと思っている人もあるかもしれません。しかし、そのピンチを、ピンチで終わらせるか、チャンスに変えるかは、気持ち次第だと思います。

 高校3年生は、人生で一番しんどい夏休みを迎えると思います。頑張って当たり前で、誰も褒めてくれないかもしれません。しかし、しっかり目標を決めて、頑張ったら自分を褒めてあげることも大切です。将来の目的は大事ですし、目的がなければ頑張れません。しかし、身近な目標も定めないと、なかなか頑張れないのも事実だと思います。

 すべては、目的に向かっての種まき(行動)だと思います。まかない種は生えないので、思えばまず行動にうつして種まきをしましょう。まいても、なかなか実を結ばなくて嫌になることがあるかもしれません。しかし、それは、貯金していると思って頑張って欲しいと思います。いつか、多額の利子がついた結果が返ってきます。

 できるか、できないかということよりも、昨日より今日、今日より明日、少しでも向上しようという心がけが、一番大切だと思います。

 夏季休業中は、生活が乱れがちになります。計画を立てて、「昨日よりも今日、今日よりも明日」の気持ちで、一歩一歩進んでください。もしピンチが訪れても、決して諦めず、これはチャンスと思って方向転換して頑張ってみてください。皆さんの頑張りを心から応援しています。

 暑い日が続きますので熱中症対策、そして第7波が到来したと言われていますので、感染症対策を徹底してください。40日間の夏休みをくれぐれも健康に気を付けて過ごしてください。