2022年度 学校経営の重点など

 

1 学校経営の重点
(1)教育方針
聴覚に障害のある子どもたち一人一人の個性や能力を的確に把握し、確かな学力、豊かな心、健やかな体をはぐくみ、「主体的・対話的で深い学び」を実践し、未来に向かって夢や志の実現に努力する、こころ豊かで自立する人づくりをめざす。
(2)重点目標
①幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた指導の充実
個別の指導計画、個別の教育支援計画等の内容を充実させ、保幼部から高等部専攻科までの一貫した指導を行うとともに、豊かな言語力の育成、コミュニケーション能力の向上を図る。
②専門性の維持及び向上
聴覚障害についての専門性はもとより、幼児児童生徒の多種多様な実態に対応できる専門性を向上させ、指導方法や指導体制の工夫や改善を図る。
③自立活動の指導の充実
自立活動の指導の充実に向け、幼児児童生徒一人一人について的確なアセスメントを行い、長期・短期目標を設定して多様な指導を計画的に展開する。
④進路指導の充実
保幼部から高等部専攻科まで一貫したキャリア教育・進路指導を行うとともに、就業体験等を計画的・継続的に実施して、主体的に進路を選択・決定する能力や態度を育成する。
⑤地域における聴覚支援教育のセンター的機能の充実
教育相談、通級指導教室、情報提供等により、地域における聴覚支援教育のセンター的機能を十分に発揮するとともに、在校する幼児児童生徒一人一人について校内支援の充実を図る。
⑥安全・安心な学校づくり
災害対応マニュアル、救急・緊急連絡体制等の整備、見直しを行い、防災体制の充実を図るとともに、いじめ・体罰・ハラスメント等のない環境づくりを推進する。
⑦生徒指導(生活指導)の充実
共感的な指導、人権に配慮した指導を実践するとともに、問題行動等の未然防止、早期発見・早期対応を図る。ネット依存やネットトラブル等については喫緊の課題としてとらえ、ネットトラブル防止教室や研修会を実施して情報モラルの向上を図る。また、児童生徒会活動や部活動を通じて、自主性や社会性、忍耐力、チャレンジ精神等を培う。
⑧学校・家庭・地域の連携
高等学校との交流及び共同学習を推進するとともに、地域の学校園と連携し、居住地校交流や学校間交流の実施方法等について工夫を図る。また、学校ホームページを充実させ、学校評価の公開やオープンスクール、学校説明会等により開かれた学校づくりを推進する。


2 連続性のある多様な学びの場における教育の充実(縦の連携)
(1) 多様な学びの場における指導の充実
ア 教科指導及び生徒指導の重点
(ア) 教科指導の重点
①幼児児童生徒一人一人の的確な実態把握の上、基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる。
②習得した基礎的・基本的な知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力と多様な表現力を育成する。
③主体的に学習に取り組む態度を育成し、確かな学力を身に付けさせる。
④「主体的・対話的で深い学び」の視点を踏まえた授業改善に取り組む。
⑤言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成する教科横断的な視点に立った内容を組み立てる。
⑥「ことばの力」及び言語能力を育成するために各教科における言語活動の充実を図る。
⑦紙の教材では表現が難しかった内容を、ICTを活用してプレゼンやアニメーションによる映像で提示し、聴覚障害者である子供たちに対して、視覚的に理解がしやすい授業を提供する。
⑧自然体験活動や社会体験活動、ボランティア活動等の体験活動を通して自立心や社会性を育成する。
⑨生涯学習の基礎を培う観点から、課題解決学習や家庭学習など自ら学習する習慣を身に付けさせる。
(イ) 自立活動の重点
①一人一人の障害の状態や発達段階等を把握し、指導目標及び指導内容を明確にする。その上で、教育活動全体を通して、自立活動(聴覚学習・発音・コミュニケーション・障害認識等)を基盤とした指導を行う。
②補聴器・人工内耳の装用状況を把握し、聴覚管理に関して、適切な指導と支援を行う。
③自立活動を基盤とした指導を行う基礎資料として、「自立活動の分野別指導プログラム」の内容の検討を継続して行うとともに個別の指導計画を連動させ、一層の指導の充実を目指す。
④聴覚障害に関わる情報提供を充実させる。
⑤自立活動に関する研修を積み、聴覚障害教育の専門性を高める機会を高める。
(ウ) 生徒指導の重点
①一人一人の内面に対する共感的な理解を深め、お互いに認め合うよりよい人間関係を形成し、個々の幼児児童生徒の良さや可能性を発揮できるよう指導する。
②幼児児童生徒の内面理解を深め、信頼関係を築いた上で指導を行う。また、心のケアについては、スクールカウンセラーと連携して取り組む。
③教育活動全体を通じて幼児児童生徒の社会性を培い、自立心や自立性の育成に努めるとともに、生きる喜びと命の大切さを実感させる教育に努める。
④児童生徒会活動や部活動を通じて、チャレンジ精神や協調性、忍耐力等を培う。
⑤いじめや不登校、問題行動等は、未然防止、早期発見・早期対応の方針に基づき、関係機関と連携しながら、組織的かつ計画的に取り組む。
⑥ネットによるトラブルや問題行動等は、企業や関係機関と連携して、情報モラルの向上に取り組む。
(エ) 人権教育の重点
①指導者自ら常に言動を振り返り、鋭い観察眼を養うなどし、人権感覚を磨こうとする。
②全ての人の人権が守られなければならないことを、学校教育活動全体で共有する。
③偏見と差別心は誰しもあることを自覚したうえで、違いを大切にし、自身も他者も尊重できる学校づくりを目指す。
(オ) 防災教育の推進
①幼児児童生徒一人一人の障害の状態を認識し、地震や様々な自然災害から自らの生命を守るため、正しい知識や技能を身に付け、主体的に行動する力を育成する。
②生命に対する畏敬の念やボランティア精神等の共生の心を育み、地域の一員として協働できる、助け合いの心を育成する。
③聴覚障害に応じた防災訓練や災害対応マニュアルを見直すとともに、危機管理意識を高め、地域や専門機関等と連携を図り、学校防災体制を強化する。
イ 健康管理に関する指導の重点
(ア) 発達段階に応じた保健教育・安全教育を行い、主体的に健康づくりをさせるとともに自他の生命の尊重について自覚を持たせる。
(イ) 幼児児童生徒の実態に即した性教育の推進を図り、命の大切さや性に対する適切な価値観を養い、互いを尊重する態度を育む。
(ウ) 学校給食を充実させ、望ましい食習慣を身につけさせる。また、教科等の学習活動と関連づけて、食に関する指導の充実を図る。
(エ) 心身の健全な発達のために健康相談活動の充実に努める。
(オ) 新型コロナウイルス感染症を踏まえて幼児児童生徒の健康観察を徹底する。また、消毒やマスクによる予防と、適切な睡眠・運動・食事により抵抗力を高める指導を行う。また、臨時休業を想定し、日頃からICTを活用した授業づくりに取り組む。そして、心のケアを行う相談体制やスクールカウンセラーの有効な活用を行う。
(2) 交流及び共同学習の一層の充実
ア 近隣の学校園との交流及び共同学習を計画的・組織的・継続的に工夫を行い、相互に理解を深めようためのコミュニケーションを図り、「心のバリアフリー」を推進する。
イ 同世代の居住地の仲間と直接交流や間接交流により共に学ぶ居住地交流を推進し、地域での生活基盤の形成を促す。
(3) 自立と社会参加の実現に向けたキャリア教育の充実
ア 自然体験や社会体験、現場実習等のあらゆる体験活動を通じて、自己による意思決定する意識を高め、自己肯定感と自己有用感を育む。
イ 教育活動全体を通じて、発達段階に応じ、自己理解と他者理解、障害認識を深めるとともに、人や社会との関わりを認識させる。
ウ キャリア教育発達段階表を活用し、将来を見通したキャリア教育の視点から授業づくりに取り組み、基礎的・汎用的能力を育成する。
エ 就業・就労先の情報収集・新規開拓に努め、生徒・保護者への積極的な情報提供と現場実習、外部人材の活用を計画的に行い、個々の能力・適性・実態等を踏まえて、主体的に進路選択・決定できる指導や相談を計画的に行う。
オ タブレットやパソコンの操作を練習し、社会人になっても抵抗なく扱えるように育成する。また県の実施する技能検定にも積極的な参加を促す。
(4) 教職員の学びの継続による専門性の向上
ア 一人一人の多様化する実態に応じて、聴覚活用や視覚支援、手話等による多様なコミュニケーション手段を活用し、言語活動の充実を図る専門性を向上させ、指導方法や指導体制の工夫や改善を図る。
イ 幼児児童生徒の障害の重複化や発達障害等の多様化に応じた専門性を向上させ、指導方法や指導体制の工夫や改善を図る。
ウ 校内研修の内容を改善することで聴覚障害について興味を抱かせたり、専門性を高めることが教育内容の充実に繋がることを説き、特別支援学校教諭免許状(聴覚)は全職員が取得するように促す。

(5) 教育環境整備の推進
ア 幼児児童生徒の障害の状態や特性に応じ、教育内容・方法や支援体制、施設・設備について学校が必要かつ適当な変更・調整を行う等の合理的配慮について合意形成を図り、提供する。
イ 手話や音声認識ソフト等による情報保障や効果的にICT等を活用した視覚支援、聴覚活用に配慮した音環境の工夫に取り組む。
ウ 障害の重複化や多様化に応じた安全かつ機能的な環境を整備する。
エ 学校危機管理マニュアルの継続的な見直しや学校危機管理体制の強化を図る。

3 連携による切れ目ない一貫した相談・支援体制の充実(横の連携)
(1) 関係機関との連携
個別の教育支援計画を活用し、関係機関と連携・協働する。
ア 教育機関
(ア) 地域の学校園に在籍する幼児児童生徒の聴力測定や補聴相談などの適切な聴覚管理を行うと共に、聴覚障害に関する情報の収集や提供を行う。
(イ) 地域の学校園への教育相談及び在籍する児童生徒への通級指導・教育相談の充実を図る。
(ウ) 地域の学校園への聴覚障害教育に関する啓発活動を行い、聴覚障害の理解を深める。
(エ) 地域の学校園に在籍する聴覚障害児の交流の場を設定し、よりよい障害認識の育成に寄与する。
イ 保健・福祉
(ア) 保健師や福祉等の関係機関との連携を深め、幼児児童生徒への適切な支援を行う。
(イ) 保健師や福祉等の関係機関との連携を深め、地域の乳幼児への早期教育相談の実施や学校園の幼児児童生徒への適切な支援を行う。
(ウ) 障害福祉に関する行政や福祉事業所等と連携を密に取り、福祉就労等に関する情報の収集や新規開拓に努める。
(エ) 個別の移行支援計画を策定し、卒業後の福祉就労等の定着に向けた支援を行う。
(オ) 放課後等デイサービス事業所等の連携を取り、支援方法の共有を図る。
ウ 医療機関
(ア) 新生児聴覚スクリーニング検査による早期教育相談の充実を図る。
(イ) 関係医療機関と連携を図り、聴力測定や補聴相談などの適切な聴覚管理を行う。
(ウ) 幼児児童生徒一人一人の発作や疾病、アレルギー等に関する支援方法について共有し、連携を図る。
(エ) 学校医と関係機関との連携を密にし、感染防止対策について専門的な知識の提供を求める。そして、教育活動が十分な感染防止対策をとった上で安心して行えるように徹底する。
エ 労働機関
(ア) 公共職業安定所や企業関係者に授業を公開し、指導助言を得ながら、教育内容や支援方法を工夫する。
(イ) 公共職業安定所や企業関係者との連携を密に取り、就業や就労先に関する情報の収集や新規開拓に努める。
(ウ) 個別の移行支援計画を策定し、卒業後の就労の定着に向けた支援を行う。
オ 地域住民
(ア) 同窓会や白鷺会(親の会)の活動と連携による教育活動への支援を得ている。
(イ) 姫路東ロータリークラブと一緒に、企業開催の調理教室に参加し、親睦を深めている。
(ウ) 姫路城敷地内の千姫ぼたん園の清掃活動を年1回実施している。
(エ) 学校評議員会を年間2回開き、体育大会・文化祭などの行事にも招待をしている。

(2) 特別支援教育に関する理解啓発
ア 特別支援教育や障害(主に聴覚障害)に関する理解が深まるよう、学校ホームページを充実させ、オープンスクールや学校説明会、学校評議員会等で教育活動について積極的に発信する。
イ 自然体験活動や社会体験活動、ボランティア活動等の体験活動による地域の方々との触れ合いや交流を通じて理解啓発を推進する。
ウ 進路指導等を通じて企業・福祉施設関係者や地域住民への理解啓発を図る。
エ センター的機能の発揮により、地域の教育、福祉、医療等関係機関への理解啓発を図る。

2022年度 研究テーマ

研究テーマ
「充実した言語活動を通して、学力を伸ばし、豊かな心を育む授業づくり~個を活かした支援のあり方~」


(1) 保育相談部・幼稚部
「言語発達を促し、豊かなコミュニケーションを育む支援~専門性の継承と継続的な保護者支援のために~」
(2) 小学部
「確かな言語力の育成と対話による深い学びを目指して」
(3) 中学部
「自ら考え、議論し、学びを深めるための支援の工夫~聴覚特別支援学校における道徳教育のあり方~」
(4) 高等部
 「卒業後の社会自立をめざし、主体的に学び、考え行動する力を育む授業の工夫」
(5) 寄宿舎
「生きる力を育む寄宿舎生活~主体的に取り組む舎生会活動を目指して~」