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2024年5月の記事一覧

人と自然科 地域自然保護 現地フィールドワークその2 里山管理を体験する

 人と自然科3年生学校設定科目「地域自然保護」の授業では、今年も県立有馬富士公園をフィールドとし、1年かけて有馬富士公園を訪れるゲストに公園の自然を感じてもらうための体験プログラムを生徒自身が企画し、実践する授業を行っています。

 人と自然科教育課程表はこちら.pdf

  前回は実際に有馬富士公園で夢プログラムを実施されている地域の先輩方からプログラムを体験させていただいており、里山を存分に楽しむプログラムを体験しました。

 前回のフィールドワーク 『ありまふじ里守の会』里山を存分に楽しむ に関する記事はこちら

 そして5月14日(火)、現地フィールドワーク2回目として、有馬富士公園で里山管理活動を継続的に行い、さらにはシイタケ菌打ち体験やキノコ観察会などの体験活動を来園者に提供されている『緑の環境クラブ』の方々から夢プログラムを体験しました。まずは体験の1週間前、グループの代表の方に来校いただき事前学習を行いました。

 

 里山と人間との密接な関係や多様な生態系、そして常緑樹を中心に間伐するなど、里山管理の方法について学んだ後、安全に里山管理柄を行うための注意点について詳しく説明いただきました。特に今回は太い樹木を伐木するということで、鋸刃の入れ方やロープのかけ方など、専門的な技術をスライドを見ながら学びました。

 そして一週間が過ぎ、有馬富士公園へ。天候は快晴です。

 ヘルメットと剪定ばさみ・のこぎりを装着し、自己紹介です。今回は緑の環境クラブより10名の方にお世話になります。お忙しい中本当にありがとうございました。そして安全に実習を行うための最終確認。マダニなどから守るために肌の露出を避けること、ハチやマムシが出たときは安易に近づかず周囲に知らせることなど、けがをしないための大切な心構えを再確認しました。

  3班に分かれ、いよいよ実習地へ向かいます。

 ラジオ体操、そしてマダニ対策の虫よけスプレーをしっかり吹き付けた後、里山に入ります。

 入る直前には、触るとかぶれる可能性のあるウルシ類の植物も教えていただきました。

 まずは全員で下草刈り体験です。このように地表部を覆うネザサをノコギリや剪定ばさみで刈っていきます。

 

 『バイオネスト』という分解を促進させるためのスペースに集めていきました。さっぱりして風通しが良くなりましたね。

 

  次は間伐体験です。混み合った里山を明るくしていきます。一週間前の事前学習で教えてもらった内容を思い出しながら、ロープと滑車をかけていきます。

 今回はソヨゴやヒサカキなどの常緑樹をノコで伐採しました。太い樹木は下の写真のように受口を作り、ロープを引っ張り、意図した方向へ倒していきました。

 

 そして間伐した樹木置き場を作るために丸太を削って杭を作り、枝を使って支え、安全に杭を打ちバイオネストを作りました。

 

伐採した木は腐食し土に還りやすくするために小さく切断し、お手製のバイオネストに積んでいきました。

 木を1本間伐しただけで、上空から光がさしてきました。里山の中に光が入ると、地表面に新しい植物が芽吹き始め、多様な生態系が生まれます。

 約2時間のプログラムはあっという間に終了。最後に道具の手入れをしっかり行います。これも大切なプログラムです。

 最後に大ホールに戻って振り返りです。この日見つけた樹木の名前を復習し、

  1人ずつ本日のプログラムで気づいたことを発表しました。『木を1本切るだけで様々な技術が必要だということを学んだ』『里山管理の方法について学ぶことができた』『次回機会があれば、もっと太い木を間伐してみたい』など前向きな意見ばかりで、生徒にとって忘れられない経験となったようです。

 緑の環境クラブの皆さん、すばらしい夢プログラムをありがとうございました。

 

 この日あまりにも天気が良かったので、最後に公園のシンボルツリーの前で集合写真を撮りました。

 

 次回の現地研修は元キッピーフレンズの方から、公園の植物を活用した夢プログラムを体験する予定です。

人と自然科 ひとはく連携セミナー1回目 兵庫県のlいろいろな生き物について学ぶ

 人と自然科には身近な環境保全方法を学ぶ「ナチュラルキープ」やフラワーアレンジメント技術を専門的に学ぶ「フローラルアート」など、人と自然科でしか学べない授業「学校設定科目」がたくさんあります。

R6入学生人と自然科教育課程表はこちら.pdf

 そして1年生の生徒が全員学ぶ学校設定科目が「人と自然」。今年も「人と自然」の授業で、ひとはく連携セミナーがスタートしました。有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の専門員から、各分野のユニークかつ専門的な講義を直接受講することができます。有馬高校から徒歩で約15分。みんなで元気よく歩いていきます。天気にも恵まれてよかったですね。

 さて、第1回目の講義はセミナーは「兵庫県のいろいろな生物」をテーマに、毎年お世話になっている鈴木武研究員から講義をいただきました。鈴木先生は植物研究の第一人者ですが、植物以外にも昆虫やは虫類など幅広く研究されています。

 まずは「種分化」について学びました。大陸移動や砂漠・氷河の形成などが障壁となって複数の集団にれること分断されることを地理的隔離といい、また個体群の中で生殖が行われないこと、もしくは同じ場所に生息していても互いの間で交雑が起きないことを「生殖的隔離」といいます。このような様々な隔離によって「種」というのができあがっていくのだそうです。

 次に種分化の一例として、鈴木先生が研究の第一人者であるタンポポについて説明していただきました。タンポポにはカンサイタンポポやセイヨウタンポポ、カントウタンポポ、シロバナタンポポなど多様な種類があり、花弁の色はもちろん、特に外片の細かな形の違いで見分けるのだそうです。ちなみに近年はカンサイタンポポとセイヨウタンポポの雑種も増えているそうです。

 そして鈴木先生のコレクションも実際に見せていただきました。ヘラクレスオオカブトや蛇のレプリカ、イモリやハツカネズミ・・・それぞれの生き物の触り方や特徴など実際に触れて学ぶことができました。

 

 ちなみに生き物には特徴から名前がついているものが多くあるようで、例えば今回見せていただいた生き物では、イモリは井戸や池を守る「井守」、ヤモリは家を守る「家守」、コウモリは河を守る「河守」という意味が込められているとのことでした。

 とても興味深く学べたようであっという間に90分すぎてしまいました。鈴木先生本当にありがとうございました。はじめてのひとはくセミナーということで、集合写真を撮りました。

 今年入学した1年生は、農業や環境に特に興味があり、普段の農業に関する実習も意欲的です。そして人と自然科ではこのようなユニークな経験、体験を積み重ね、3年後の進路実現につなげていきます。

 令和5年度人と自然科 進路実績はこちら.pdf

 次回のひとはくセミナーは太田 英利研究員より『生物の種について』というテーマで、「種」についてさらい知識を深めていきます。頑張りましょうね。

【福祉】3年生 生活支援技術-車いす介助(校外)-

2024年5月14日(火)8:45~10:35

学校から三田駅まで車いすで出かけてきました。前日までの雨が心配でしたが、とても良い天気。暑いくらいでした。校内で習得した技術を、まちへ出ての実践です。

  

 

 

 

 

 

 道中の坂道の移動はきちんとできています。校内ではできない、横断歩道を渡りました。信号のタイミングが早いところもあったり、信号のないところもありました。止まってくれた運転手さん、ありがとうございました。

 また道路が傾いていたりして真っすぐに進めなかったり、ちょっとした段差に前輪がとられたりしてしまうこともありました。

 学校から約15分ほどで三田駅前に到着しました。

 

 

 

 

 

 

エレベーターも学校では実践しにくいことの一つです。介助するときは、先の乗るは介助者?それとも車いすに乗っている人?そんなことを考えました。すれ違う人に「勉強頑張ってね」と声をかけてもらいました。

外出するには目的があります。その目的の一つ、買い物も実践しました。お釣りを取りやすいように前に出してくれたり、車いすに配慮した席(他の机と高さが少し違った)の説明をしてくれたりと店員さんの配慮がうれしかったです。 

 

 

 

 

 

 

今日体験して感じたことを、マップにして行きたいと思います。

さて、次はどこへ何をしに行きましょうか。みんなが過ごしやすいまちを考えていきたいですね。       

 

人と自然科「クラインガルテン」①~開講式、植え付け

令和6年度のクラインガルテンが開始されました。「クラインガルテン」とは有馬高校の学校設定科目の1つで本校生徒と一般受講生の方が一緒に野菜栽培にチャレンジする科目です。

本年度は3年選択者14名と受講生9名で授業を行っていきます。

まずは教室で開講式です。学校長挨拶、生徒代表挨拶、生徒と受講生の方の自己紹介です。

開講式も終了し、さっそく圃場で野菜苗の植え付けです。1人あたり約4mの圃場で、春~夏は、トマト・ナス・ピーマン・シシトウ・スイートコーンなどの栽培を行いました。

さっそく、生徒は今までの実習の経験を生かして根鉢を崩さぬように植え付けを行っていきました。さすが、3年生!慣れた手つきで受講生の方と実習を進めていきました。

連日の雨で圃場も足元が緩く実習しにくい環境でしたが、約1時間で植え付けを終了

しました。今後は毎週2時間、野菜栽培にチャレンジしていきます。一般受講生の方も、生徒と楽しくお話をしながら野菜栽培を楽しく学んでいきましょう。どうぞ宜しくお願いします。

 

 

人と自然科1年生 『農業と環境』 スイートコーンの定植を行いました 

 1年生の生徒が有馬高校に入学してあっという間に1か月経ちました。人と自然科でも『総合実習』をはじめとした実習の授業が本格的にスタート。野菜・草花・果樹の栽培について、実学を通してしっかり学んでいます。

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 作物の栽培について基礎から学ぶ『農業と環境』の授業では、先日自分たちで種をまいたスイートコーンを圃場に移植する定植という行程を学びました。

 スイートコーンの種まきの様子はこちら

 種をまいて10日後、育苗ハウスを訪れてみると・・・

 一気に10センチほど成長していました。早速発芽率を計算。ほとんどの生徒が85%を超えていましたね。優秀です。

 その後雨が続き、なかなか圃場に入れない日が続きましたが、ゴールデンウィーク明けにやっと天気が持ち直し、整地作業です。農具の説明を受けた後、早速農場に向かいます。

 皆さん野菜などの作物が植えられているところが山のように盛り上がっているのを見たことがあると思います。これは専門用語で『畝(うね)』と言って、排水性を良くしたり、作業効率を上げたりする役目があります。この『畝』の上の部分『床(とこ)』をクワを使って平らにする作業が整地です。

 一見簡単そうに見えますがコツが必要です。山の上を削りすぎると低くなりすぎてしまいますし、逆に高くしすぎると床の面積が小さくなりスイートコーンを植える間隔が狭くなってしまいます。目安は畝幅50cmです。そして柄を短く持つと力が入りやすくなります。また仕上げはクワの横の部分を使って整えます。

 整地できたところでいよいよ定植です。

 今回は株間(苗の中心から中心までの間隔)30cm、並み植え(隣の列の苗と平行に植える方法)で行いました。ポイントは、少し深めに植えてウオータースペース(かん水したときに水がたまるくぼみ)を作ることです。うまく定植できましたか?

 定植した日はちょうど公開授業&春季オープンハイスクールの日。中学生と保護者の方がたくさん見学に来てくださり、少し緊張しましたね。

 公開授業&春季オープンハイスクールに関する記事はこちら

 約1時間半かけて一人30本のスイートコーンを定植しました。これから気温もどんどん上がり、スイートコーンもどんどん成長していきます。

 ちなみに人と自然科では毎年1年生の生徒が栽培したスイートコーンを北摂第一幼稚園の年中さんと一緒に収穫をしています。昨年もとても楽しい時間となりました。

 昨年の収穫交流会の様子はこちら

 しっかり管理・観察して、おいしいスイートコーンを収穫できるように頑張りましょう。