総長・校長室より

後期始業式ーノーベル賞を目指す高い志を期待、毎日が重要な時間で困難を乗り越えてこそ光ありー(総長式辞・校長挨拶から)(R3.10.4)

 10月4日(月)、4日間の秋季休業を終え、中高合同で後期始業式が行われた。三密を防ぐために、放送によって実施しました。

 総長式辞では、ノーベル賞の話を通じて、附属学校の校訓「創進」【創造と進歩の人たれ】を実践し、「ノーベル賞を目指す」高い志を期待しており、自覚と責任については話して頂きました。また、校長挨拶では、ラジオ番組を生徒に聞いてもらい、命の大切さと、志を高く持ち、毎日毎日が意味ある重要な時間であること、困難を乗り越えて光があることなどを伝えました。(詳細は後に記載)

 始業式のあと、10月から着任された、北川友紀先生の着任式を行いました。

 生徒一人一人が、新たな気持ちでスタートを切って、頑張って欲しいと願っています。

                              校長 小倉 裕史

 

 

 

 

 

 

 総長式辞

 短い秋休みでしたが、前期を振り返って、後期への思いを新たにすることができたでしょうか。模擬試験でそれどころではなかったという学年もありそうですが、区切りをつけて新たな気持ちで後期をスタートさせましょう。

 さて、附属学校にとってはあさっての体育大会が重要な行事ですが、学術の世界ではノーベル賞の発表に関心が集まっています。120年の伝統がある国際賞であるノーベル賞の注目度がとても高いことはご存知の通りです。今日10月4日は「医学・生理学賞」、明日は「物理学賞」、あさっては「化学賞」と、来週月曜の「経済学賞」まで続きます。これまでに、経済学賞を除く、5つの分野で日本人あるいは日本で生まれた人、27人が受賞しています。

 わたくしにとっては、化学に進もうと決めた高校生の時に福井謙一先生が日本で初めて化学賞を受賞されたことが印象に残っています。また、一昨年受賞の吉野彰博士は、同じ電気化学分野の方で、直接その人となりを存じ上げていましたので受賞された時には大変うれしく思いました。

 現在の日本には、たくさんのノーベル賞受賞者がいて、身近に感じたり、日本語で講演を聞いたり、文章を読んだりすることができます。母語、すなわちnativeな言語で直接に触れられることは素晴らしいことです。皆さんも、今年の受賞に関心を持ってください。そして、今年28人目があればうれしいですが、30名近くの日本の受賞者の文章を読んだり、機会があれば講演を聞いたりして刺激を受けてください。ノーベル賞の対象は「人類のために、最大の貢献をした人」です。それは、附属学校の校訓「創進」【創造と進歩の人たれ】を実践した人でもあります。皆さんの中に「ノーベル賞を目指す」といった高い志を抱いている人がいることを期待しております。

 最後に、終業式でお話しした「自覚と責任」を覚えてくださっていますか?コロナ対策は、高い意識、すなわち自覚を持って継続することが重要です。そのためには、繰り返し、注意を喚起する必要があります。聞き流すのではなく、もう一度、皆さん方、一人ひとりの「自覚と責任」を確認してください。

                            附属学校総長 八重 真治

 校長挨拶

 今日から後期が始まります。新たな気持ちでスタートを切って欲しいと願っています。さて、今日は皆さんに、高校生の作成したラジオ番組を聞いて欲しいと思います。

 この作品は、私が17年前に県立龍野高等学校で放送部の顧問をしていた時に、生徒と一緒に作ったラジオドキュメントの「いちばん星」という作品です。

 内容は、当時高校1年生であった生徒が、生徒会執行部に所属して、将来は外交官になりたいという夢を持って頑張っている生徒に、放送室でインタビューしたことから始まります。しかし、インタビューした2日後に、マラソン大会の練習中に心臓発作を起こし亡くなりました。彼のインタビューで残した言葉を、葛藤しながらも残したいと思って作成した作品です。

 7分間、静かにお聞きください。(ラジオ番組 「いちばん星」)

 この作品は、NHK杯の全国大会のラジオドキュメント部門で全国優勝した作品となりました。彼とは2年生になったら、放送部に入って全国大会を目指そうと約束していました。直接一緒に行けませんでしたが、彼の思いや残した言葉を作品にして、紅白歌合戦の会場でもあるNHKホールの決勝の舞台に一緒に来れて、たくさんの人に聞いてもらうことができたという思いで、当時涙があふれたのを忘れません。

 生きていれば、もう33歳になっているはずですが、17年たった今でもこの作品を聞くたびに、お母さんの思いや、彼が残した「志を高く持つ」「みんな違ってみんないい」「毎日毎日が意味ある重要な時間だと思います」の言葉を思い返します。彼が果たせなかった分も、自分が頑張らなくてはと改めて思います。当時の生徒たちも同じ思いかもしれません。皆さんが、命の大切さを実感し、今しかできないことを精一杯頑張って、一人一人の「いちばん星」を輝かせて欲しいと思います。

 「難の難 乗り越えてこそ 光あり」難しいことも、やる前から諦めている人はありませんか?精一杯、難しくても、それを乗り越えてこそ光が見えるのです。

 黎明寮では、今日からアフタースクールゼミが始まります。しっかりと頑張ってください。明後日の体育大会に向けて、中高共に生徒会執行部を初め皆さんが頑張って準備をしてくれています。体調管理に気を付けて運動不足の人は、準備をしっかりして明後日を迎えてください。楽しみにしています。

                      附属高等学校長兼附属中学校長 小倉 裕史