授業風景

ニワトリ発生の観察~アポトーシス~

先週に引き続き、2年 生物選択者がニワトリ胚発生の観察を行いました。

からだの形づくりでは、細胞は増えるばかりではなく、
いったん作られた細胞が死んで失われていくことで形ができていく、
という過程が見られます。
「アポトーシス」と呼ばれるプログラムされた細胞死です。
死んでいった細胞は「マクロファージ」という白血球に取り込まれます。

今回は、ニワトリの前肢(翼になる)後肢{脚になる)に注目し、
ナイルブルーで死んだ細胞を取り込んだマクロファージが青く染まることを利用して、
アポトーシスの起こっている時期と場所を確認しました。

肢芽の縁や、いったん作られた指と指の間の「水かき」部分に、
顆粒状に青く染まったマクロファージが観察され、
アポトーシスによって細胞が失われていっていることが分かります。
 
ニワトリ8日胚後肢(ナイルブルー染色)


班内で交換しながらいろいろな時期の胚を観察しました。
50分間では足りないぐらい、どの生徒も丹念に観察スケッチし、
気づいたことを書き留めていきました。
さらに、放課後にも、希望者が発展的な観察に取り組みました。

ニワトリの胚はたった1日で変化が見られるのが面白いと思った。
 特に目のつくりの変化が興味深く感じられた。
前回の実験同様、命を取り扱う実験だったので複雑な気持ちでした。
 「生物を知る」というのはこういう実験があってこそなんだと思いました。

発生の単元の学習として、たくさんのことをニワトリ胚から学びました。
また、精一杯、真摯に学ぶ姿勢を持って、自己をコントロールし、
いのちを真正面から見つめる、その経験を通して、
生命科学を支えるものについても思いを巡らせる機会になりました。
  
(実験方法についてはこちらをご覧ください。)