今日のできごと

三木市国際交流協会による出前授業の報告

12月16日(月)に、2年次選択授業「異文化コミュニケーション」で、「三木市の多文化共生の現状と課題」というテーマで、三木市国際交流協会事務局長様に授業をしていただきました。

三木市の外国人の人口比率は 3.5 %(2023年12月)で、国内でも高い方であるとお聞きしました。2014年までは三木市の外国人は1,000人以下だったそうです。三木市に外国人が増えた理由は、技能実習生と留学生の人数の増加であるとのことです。

多文化共生の現状の例として、三木市内には職員の1割が外国人という病院があるということを挙げられました。

また、外国人労働者の出産により、ご家族の滞在も増えているということです。子どもさんは、家庭での生活言語と、学校での学習言語が異なるため、三木市国際交流協会の活動として、放課後に公民館で子どもさんの勉強を助けていらっしゃることも知りました。

日本と海外の文化風習間の驚くべき相違についても、多くの例を挙げてお話しいただきました。2学期の授業では、「ビジネスでの異文化接触」について学習しましたが、それをリアルなものとして感じる内容でした。

 

 

外国人だけが集まって住む地域を作るのではなく、「同じ社会」で外国人と共に生きていく三木市であるために、住民にできることは何か。出前授業では、①「やさしい日本語」を使って交流すること ②相手の立場を理解して「win-winのヒューマンネットワーク」を形成することが大切であると教わりました。

①「やさしい日本語」とは、「はっきり、(省略せずに)最後まで、短く」を意識して伝える日本語のことです。「異文化コミュニケーション」の授業で使っているテキスト「多文化社会で多様性を考えるワークブック」(研究社)では、3学期に学習します。

②「相手の立場を理解すること」とは、「作家のブレイディみかこさんが『他者の靴を履く』という言い方でおっしゃっていますが、『相手の立場に立ってみること=エンパシー(empathy)』」との解説がありました。「外国人が日本に来て、最初に誰に会うか、誰と繋がるかが重要」とのメッセージをいただきました。

三木市国際交流協会では、英語での対応も可能な外国人のための生活相談窓口を開設されており、2024年は約340件の相談があったとのことです。同じ社会で日常生活を営んでいる、身近にいる外国人住民の困りごとを教えていただき、「相手の立場に立って感じる・考える」体験をすることができました。学びの多い授業をしていただき、ありがとうございました。

以下に、生徒の感想の一部を紹介します。

・三木市に住んでいても、知らないことが多くありました。三木市にもこんなにも外国人がいるとは思いませんでした。日本の普通は外国には伝わらないことが多いと知りました。なかでも、時計を見ない文化にすごく驚きました。日本の文化が普通だと考えない方がいいとすごく思いました。それでも、全く違う文化に慣れようとしている外国人の方はすごいと思いました。

・お話を聞いて、三木市の多文化共生の現状について初めて知ることができた。自分も、小・中と、シリアの子たちと一緒に過ごしてきたけど、その子たちと家族が、安心・安全にこれからも過ごせるように、自分でもできることがあるならできるだけしていきたいなと思った。お話は分かりやすくてよかった。

12月18日(水)の2学期最後の授業では、11月13日(水)に行った「オンライン国際交流」で交流した3か国(インドネシア、ベトナム、ミャンマー)について、iPadを使って、調べ学習を行いました。担当教員がロイロノートの「共有ノート」で作成した、日本と3か国を比較するための表に、15人全員で分担して調べ、文字や写真を入れて、表を完成させました。最後に、全員で完成した表を振り返りました。初めて見聞きする内容に驚いたり、オンライン交流でスムーズに会話が成り立たなかった話題(スポーツや食べ物)の背景を推測したりすることができました。