薬品庫の整理の仕方

1.棚の選び方 

・地震対策として、薬品庫は観音開きのものより引き戸式のほうが安全である。ビン類は、倒れないように固定金具や ツッパリ棒で止めておくことが望ましい。スライド式の耐震性薬品庫(写真1)も棚が一列ずつロックできて便利である。
・スチール製の薬品棚は酸を入れておくとさびが出て困る。耐薬性の薬品棚も鍵の部分は金属なのでさびてしまう。動きにくいときは、さび落としのスプレーを使用するとよい。

(写真1 スライド式耐震性薬品庫)

 

2.棚の区画に番号を付ける 

 棚番号を一覧表や台帳に記入しておくと薬品を探すのに便利である。

(工夫例)

・書き込み式の電話番号帳等を使って、薬品名と場所を書き込む。
・五十音順の薬品一覧表(保管場所を記号で記入)を薬品室の中に貼っておく。
・コンピュータに入力しておくと、場所別台帳、五十音別台帳が簡単にできる。
・棚前面のガラス戸にその列の薬品名を書いたラベルを貼っておく。

 

3.棚の内部の並べ方 

・混合すると危険なもの(ヨウ素とアンモニア水過マンガン酸カリウムとグリセリンや硫酸など)を隣り合わせや上下に並べたりしない。
・棚の前面下部に桟をする。ビンが取り出しやすく、かつ倒れない高さにする。
・棚の最下段は強酸類を置く場所とする。酸がこぼれてもよいように砂を入れたり、テフロンシートを敷くなどするとよい。
・耐薬品性の運搬ボックスの中に仕切りをして、個々の薬品を入れ、棚に収める。
・市販の安全仕切り版(発砲ポリエチレン製で、はさみやカッターで切れる)で個々のビンの間を仕切る。
黄リン、フッ化水素は深めの容器の中に砂を入れ保管する。

 

4.整理方法 

 分類、整理方法に決まった様式はない。それぞれの学校での薬品の所有数や薬品庫のスペースを考え、扱いやすい配置に分類整理する。

例1)

無機化合物: 酸化物 単体: 金属で構成 有機化合物: 炭化水素
  硫化物   非金属で構成   アルコール・エーテル
  塩化物       アルデヒド・ケトン
  硫酸塩 染色液    

カルボン酸・スルホン酸

・酸無水物

  硝酸塩 色素     エステル・油脂
  炭酸塩 指示薬など:     アミン・アミド・アゾ
  ハロゲン化物       フェノール
 

無機物一般

アルカリ

(水酸化物)

その他:    

天然高分子

合成高分子

   無機酸        

例2)

無機薬品: 陽イオンごとに周期表順に並べる
   
  塩基  
  非金属類  
  金属単体  
有機薬品: 基ごとに  
特殊薬品: 指示薬など  
毒劇物: 毒物・劇物  

例3)

無機物: 周期表の順番によって整理する
有機物: 構造式によって並べる 鎖式,環式・・・