学年・専門部
産業社会と人間「新聞の読み方講座」
1月24日(金)の産業社会と人間の授業では、神戸新聞社の三好正文氏をお招きして新聞の読み方について講義していただきました。
最初に、「気になるニュースは?」ということで生徒同士話し合いの時間を設けたところ、最近の芸能関係の話題から米国トランプ大統領就任に関すること、また相次ぐ通り魔事件など実に様々なニュースが出てきました。このことから、生徒の関心が実に様々な方面にわたることが再確認できました。
また、新聞は昨年行われた兵庫県知事選や衆議院議員選挙において批判されることがありましたが、三好氏はそのことを踏まえて、「いまほど『正しい情報を読み解く』ことが大切な時はない」と強調されていました。新聞の特徴として ①一覧性、②網羅性、③信頼性、④保存性 の4点を挙げており、SNSでの情報収集や発信が盛んな現代においても新聞の優位性はこれらの点においては保たれることになるでしょう。
なお、本校は現在NIEの研究指定校2年目にあたります。全校集会で紹介できなかったのでこの場を借りて紹介させていただきますが、先月12月に「いっしょに読もう!新聞コンクール」で学校奨励賞を受賞しました。
今後自分でさらなる情報を調べたり、そのことを友達や家族と共有したりして自分の考えを持ち、SNSの情報に安易に左右されないようにしていってほしいです。
そして1年生はこれからいよいよ探究が始まっていきますが、探究の題材が新聞の中に転がっているかもしれません!2年生も、今自分がしている探究に何か関連する話題がないか、ぜひ一度教室にある新聞を読んでみてください。全部読まなくてもいいです。見出しと前文を読めば大体の内容はわかる、のでしたね。(1年生は今は教室にはありませんが、随時配布していきます。)
中国語講座-餃子講座
総合学科2年次では中国語講座が選択科目として開講されています。
本日は、毎週お世話になっている講師の先生(中国出身)から餃子の作り方を教えていただきました。
家庭毎に使用する食材が異なるそうで、今回は食材選びから生徒と講師の先生が相談しながら決めました。
100個以上の餃子を作り、いざ実食。
招待した校長先生や事務長も、本場の味に舌鼓を打っていました。
人と自然科 ひとはく連携セミナー最終回 三田周辺の地層と化石について学ぶ
1月17日(金)人と自然科1年生学校設定科目『人と自然』の授業において、今年度最終回 第8回目となるひとはく連携セミナーが実施されました。
有馬高校人と自然科と県立人と自然の博物館の間では生徒のセミナー受講について協定を結んでおり、年間8回、県立人と自然の博物館を訪れ、博物館の研究員から自然や環境、動植物など専門的な講義を直接頂き、深く学んでいます。前回の7回目も『人とのかかわりから見た三田盆地周辺の地形と地質』をテーマに、加藤 茂弘研究員より三田盆地周辺の大地と私たちとのかかわりについて講義をいただきました。
ひとはく連携セミナー7回目 三田盆地周辺の地形と地質について学ぶ に関する記事はこちら
いよいよ最終回となる今回は、半田久美子研究員より『三田周辺の地層と化石~植物化石の仲間分けにチャレンジ~』をテーマに講義いただきました。有馬高校が位置する三田周辺には恐竜時代の火山活動によってできた有馬群層の上に、その後の河川活動による堆積物である神戸群層や大阪群層が積み重なっています。今回はこれらの群層からどのような化石が見つかったのか、お話しいただきました。
まず半田先生より『有馬高校の周辺には化石が存在すると思いますか?もしあるとすればどのような化石があると思いますか?』という問いかけからスタートしました。普段何気なく通学し、農場の土を掘り返していますが、そんなこと想像したこともなかったですね。有馬高校周辺の地質図(表土の下にどのような種類の石や地層が分布しているのかを示した地図)を見てみると、約3000万年前にできた神戸群層が存在しており、東条湖凝灰石が見られます。そしてこの東条湖凝灰石には植物の葉の化石が多く見つかっているようです。
そして半田先生から、この地域で発見された化石の種類について教えていただきました。メタセコイヤやブナ、タマミズキなどの植物の葉の化石、そして樹幹が珪化した植物化石である珪化木も多く見つかっているようです。さらに植物だけでなく哺乳類の化石も見つかっており、カバ・イノシシの仲間であるサンダタンジュウや原始的な小型のサイであるヒラキウスなどの化石も発見されておるとのこと。驚きですね。
化石の種類について学んだあとはグループに分かれ、神戸層群の葉の化石の仲間分けに挑戦しました。まずそれぞれの葉の特徴について細かく説明を受けます。そして半田先生が準備してくださったたくさんの植物の化石の中から、先生が指示された化石を探し、グループのメンバーと当たっているか議論します。
最後にスコープで化石を画面に映し、半田先生と一緒に葉の特徴を確認しながら答え合わせです。当たっていましたか?本物の化石を使って仲間分けというなかなかできない経験に大盛り上がりでした。
これこそ博物館でしか学ぶことができない、貴重な学びですね。半田先生興味深いお話本当にありがとうございました。
以上で今年度のひとはく連携セミナーは終了です。『ひとはく連携セミナーが終わってしまうのがさみしい・・・』そんな感想も聞かれました。実際に博物館の専門員から高度な内容の講義を聞く機会はなかなかないですよね。今回学んだことは2年生以降の学び、そして3年生の進路で大きな武器になります。ぜひ活かしてください。県立人と自然の博物館の皆さま、このような機会をいただき本当にありがとうございました。
人と自然科 1年生を対象に第2回先輩農業者特別授業を実施しました
1月20日(月)人と自然科の1年生の生徒を対象に、今年度2回目となる先輩農業者特別授業を実施しました。
この授業は、阪神農業改良普及センター様との連携事業で、地域で活躍されている若手先輩農家の方をお招きし、農業の楽しさや面白さ、やりがい、さらには大変なことなど、直接お話を伺うことで、将来の進路につなげようという取り組みです。ちなみに5月には3年生を対象に、三田市で梅・栗を中心に栽培されている小仲さんをお招きし第1回の先輩農業者特別授業を行いました。
人と自然科で学ぶ生徒は、農業に限らず、経営や栄養、スポーツなど様々な分野に進学しています。また就職では製造業や運輸業、公務員など幅広い職種に就職していきます。以下現3年生の進路先の速報です。
現3年生の進路先の速報をご覧いただくとわかるとおり、農業を学ぶ学科ということで、就農や関連産業への就職を目標に農学系の国公立大学、私立大学、専門学校へ進学する生徒も一定数います。先輩農業者特別授業は、このような生徒を後押しすることはもちろん、他の分野へ進む生徒にとっても、経営者でもある先輩農業者の話は有益な情報をたくさん得ることができる絶好の機会となっています。
さて、今年度2回目となる今回は宝塚市で観光農園『エーアイファーム』を経営されている石井伸啓先輩にお越しいただきました。石井先輩は人と自然科の前身である生産流通科の最後に卒業され、水道や観光など農業以外の仕事に就かれました。高校在学中は農業をすることを考えていなかったとのこと。一方で他産業での経験が現在の農業経営に活かされているとのことでした。
そして平成28年5月に就農し『エーアイファーム』を立ち上げました。観光農園を中心とした経営をされており、イチゴ狩り、サツマイモ堀りを中心に多くのお客様が石井先輩の農場に訪れているそうです。『直接お客様からおいしいという言葉を聞くことができる。これが私にとって農業の魅力です。』と嬉しそうにおっしゃっていました。さらに先輩の農家さんに教えてもらいながら、ブドウや落花生など新たな作目にも挑戦しておられます。『今でも毎日必死に勉強しています。もしからしたら学生時代よりも勉強しているかもしれません。』という言葉が印象的でした。
そして最後に人と自然科で学ぶ後輩の私たちへ
「今有馬高校人と自然科で毎日学んでいる授業や実習、たとえば農産物を販売してお金をいただくこと、いただいたお金がしっかり収益を上げているか検証すること、このような日々の学びが当たり前だと思わないでください。皆さんは特別な経験を毎日しています。そして将来、皆さんにはぜひ事業を起こしてほしいと思います。高校や大学で学びながら事業を興こすことも可能です。農業、また農業以外でも良いのでぜひ事業主になって活躍して下さい。応援しています。」
というメッセージを頂きました。
講義後は質問コーナー『観光農園を経営していく中で一番大変なことは何ですか?』『1年間の農業経営の中で一番忙しい時期はいつ頃ですか?どのような作業に追われていますか?』『農業経営で使用している農業機械について詳しく教えてください。』『ブドウ栽培を始めるとき、大変だったことはありますか?』『オクラ栽培に使用されている生分解性マルチはどのくらいで分解されますか?』などなど20分以上質問が続くなど、1年生の生徒にとって興味深い内容だったようです。
石井先輩、お忙しい中興味深いお話本当にありがとうございました。そして阪神農業改良普及センターの皆様、このような機会をいただき、本当にありがとうございました。
人と自然科 令和6年度課題研究発表会を開催しました
1月16日(木)講義棟にて人と自然科令和6年度課題研究発表会を実施しました。『課題研究』の授業は、入学してから様々な授業や実習をとおして農業や環境について学んできた知識や経験を活用して生徒自ら課題を設定し、計画、実施、評価する科目です。
そして課題研究発表会は自分が取り組んだ研究をスライドにまとめ、1.2年生の後輩の前で発表します。3年生にとって、3年間の農業の学びの集大成と位置付けられている会です。発表前も最高の発表ができるように、後輩が会場に入る前に3年生のみでリハーサル。スライドと原稿の読み合わせを行い最終確認です。
3時間目、いよいよ講義棟に人と自然科3学年全員が集まり、課題研究発表会のスタートです。
司会進行や計時、照明など運営もすべて1,2年生の生徒が担当し発表会を進めていきます。
人と自然科は野菜、草花、果樹と緑の3つの部門があり、1.2年生ではすべての部門を学びます。そして3年生になると一つの部門を選択し、1年間集中的に学びます。それでは3年生が1年間取り組んだ研究テーマを紹介します。
まず野菜部門。
・イチゴの栽培比較実験
・トマトの品種と栽培方法による生育調査
・黒豆の無農薬栽培と遺伝特性について
・ヤマノイモの生育実験
・マルチの違いによる生育実験
・緑肥作物を用いた減化学肥料栽培
続いて草花部門
・綿花の生育環境による成長の違い
・品種改良の可能性
・キフゲットウと斑入りモミジの繁殖
・シダ植物の成長過程と発芽研究
・多肉植物を増やそう
・シードペーパーづくり~好気性種子の発芽率を上げるためには~
最後は果樹と緑部門です。
・ビオトープの活用
・環境に優しい害虫対策
・有馬富士と花火
・アボカド
・青パパイヤのことを知ってほしいんです!!
・ブドウの収穫に新時代!農場当番に革命を!
・放置竹林問題に立ち向かえ ビートルズ!!
どの発表もしっかり事前に計画し、仮説を立て、実験結果から考察している素晴らしい内容でした。後輩の1.2年生もタブレットにアップロードした研究内容の要旨も見ながら、先輩方の発表を真剣に聞いていました。
、
生徒や先生からの質問にもしっかり回答。最後は大きな拍手が送られていました。
そして全学年生徒の投票の結果、草花班『品種改良の可能性』の発表が学科代表に選ばれました。
今回学科代表に選ばれた上記の発表は、2月1日(土)に有馬高校で行われる学習活動発表会にて、人と自然科代表として発表します。中学生の皆さん、保護者の皆さま楽しみにしておいて下さい。
発表会終了後、3年生全員で最後になるかもしれない集合写真です。
3年間人と自然科での学校生活はいかがでしたか?本当に元気いっぱい、そして3年間の成長していく変化が目に見えてわかるクラスでした。また最上級学年になり、農業クラブの各種競技会での活躍、農業祭やイベントなどでリーダーシップを発揮し、後輩を引っ張っていく姿がとても印象的でした。さらにクラス一丸となり戦った進路も就職、進学とも自身の目標を実現できたようです。
あと少しこのまま頑張ったら(卒業考査を乗り切ったら)入学時から一人もかけることなく、全員で卒業を迎えられます。人と自然科での学びや経験を活かし、次のステップでも頑張ってください。農場の先生方も皆さんの活躍を応援しています。本当にお疲れさまでした。