学校経営
Ⅰ 学校経営の重点
1 スクール・ミッション
「清く 正しく 優しく 強く」の理念のもと、将来に向けて高い目標を掲げ、グローバルな視野と豊
かな感性を備え、自分で考え、自分で判断し、他者と協働して、未来を創造することのできる人材を
育成する。
2 スクール・ポリシー(三つの方針)
(1)育成をめざす資質・能力に関する方針(グラデュエーション・ポリシー)
① 夢の実現に向けて、チャレンジ精神を持ち、新しい未来を創造するために積極的に行動する生徒
を育成する。
② 課題に向き合い、主体的に学び続けることを通して、常に自らの成長を目指す生徒を育成する。
③ 多様な人々と尊重し合うためにコミュニケーションに努め、協働して課題を解決する生徒を育成
する。
④ 豊かな感性と、他者を理解し思いやる心を持ち、素直に感謝できる生徒を育成する。
(2)教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
① 基礎・基本の確実な定着とともに、高大連携や外部講師の授業等、生徒の進路希望に応じた「学
びたいこと」につながる教育課程を編成する。
② 演習や ICT の活用、個別指導・習熟度別指導等により「わかる授業」を実践する。
③ 知識・技能を総合的に活用し、協働して課題解決に取り組む探究活動を推進する。
④ 生徒自身が考え、実践する学校行事や生徒主体の委員会活動等を推進する。
⑤ 日本や海外の教育についての実践的探究と、人間の発達や学習についての心理学的探究を柱とし
て、人間理解を深める。(教育・心理類型)
(3)入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
① 高い目標を掲げ、自分の夢の実現に向けて最後までやり抜く生徒を募集する。
② 仲間を大切にして、互いを思いやり、ともに高め合おうとする生徒を募集する。
③ 教育や心理に興味があり、人間理解について関心のある生徒を募集する。(教育・心理類型)
3 育てたい資質能力
① 自ら学び自ら成長させようとする力
② チャレンジ精神(実践する・継続する)
③ コミュニケーション能力(聴く・表現する・発信する)
④ グローバルな視野(豊かな感性・幅広い教養)
⑤ 創造力・想像力
⑥ 分析力・計画力
⑦ 協働力
⑧ 問題解決力
4 重点目標
(1)生きる力を育成する
心のふれ合いを通して、自己有用感を高め、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考える力や表現
力等の育成を図るとともに、豊かな心と健やかな体を有する生徒の育成を目指す。
(2)進路指導を充実する
生徒一人一人の能力・適性、興味・関心等に応じた進路選択ができる能力・態度の育成を図ると
ともに、キャリア教育の視点に立って将来の職業や生活を見通し、社会で自立できるための自己教
育力を育てる。
(3)生徒指導を充実する
人間的なふれあいに基づく生徒指導の充実を図り、基本的生活習慣の確立を基盤にして、たくま
しい体・高い知性・豊かな心情・強い意志を兼ね備えた調和のとれた人間の育成を目指す。
(4)教科指導を充実する
授業内容の精選、指導方法等の改善を通して基礎・基本の確実な定着に努める。また、学ぶ喜び
や達成感を味わわせて学習意欲を喚起するとともに、グローバル化が進展する世界で、自覚と誇り
を持って、主体的に行動できる意欲や能力の育成を図る。
(5)健康教育を充実する
生徒一人一人の発達段階に応じた健康教育を推進し、生涯にわたって心身の健康を保持増進する
ため、自己健康管理能力の育成を図る。
(6)人権・福祉教育を推進する
共に生きる社会づくりを目指して、命と人権を大切にする心、感謝の心、思いやりの心の育成を
図る。
(7)職員研修を推進する
専門職としての指導力の向上を図るため、各種の校内研修を積極的に推進し、「教育の専門家」と
して期待される職員の資質向上に努める。
(8)学校評価システムを確立する
地域に開かれた学校づくりを推進するため、学校評価を学校経営の基礎に位置づけ、学校関係者
評価の充実を図る。
(9)学校改革を推進する
新学習指導要領の実施に対応し、また本校創立百周年(令和7年度)に向けて、これからも地域
の期待に応え信頼される学校であり続けるために、将来構想を見据え学校改革を着実に推進する。
Ⅱ 教科指導及び生徒指導(特別活動を含む)の重点
1 教科指導
(1)指導方針
① 変化の激しい現代社会の中で生徒が自ら学び、自ら考え、主体的に判断できる力を育成する。
② 基礎・基本の確実な定着を図り、個性を伸ばす教育を充実するため、生徒の特性や進路希望等
に応じた教科・科目が選択履修できるようにする。
③ 国際社会の中で主体的に生きていく資質・能力を培うために、芸術など感性を養う科目や実践
的・体験的な科目が選択できるようにする。
(2)具体的取り組み
① 教育課程を検討し、指導内容・指導方法を工夫改善する。変化の激しい現代社会に対応した学習
内容の精選と教材開発に努めるとともに、生徒の興味・関心や進路希望に対応した教育課程を編
成する。
② 学校設定教科「教育・心理」、学校設定科目「教育・心理実践」「教育・心理探究」の授業を充実
させる。
③ 生徒の自主的・主体的な学習態度を養い、予習・復習を徹底させ、授業を充実させる。
④ 学習内容について生徒に興味・関心を持たせ、学習意欲を高め、学習の達成状況を的確に把握
し、指導と評価の一体化を図るとともに、個別指導・習熟度別指導等を通して「分かる授業」を
実践する。そのため、生徒による授業評価を含めた、授業評価の改善・実践を図る。
⑤ 授業開発委員会を中心に、授業公開や研究授業を計画的に実施し、ICTを活用した授業方法の開
発並びに指導力の向上を図る。
2 生徒指導
(1)指導方針
① 基本的生活習慣の確立を図る。
② 挨拶を励行する。
③ 生徒会活動の活性化を図る。
④ マナー意識、規範意識の向上を図る。
(2)具体的な取り組み
① 基本的生活習慣の確立
全職員の共通理解のもと、連携を密にして、自律した生活を送ることができる自立した人となる
よう、生徒の成長を促す。
② 挨拶の励行
日常生活の中で教職員から生徒に挨拶の言葉をかけることによって、教職員と生徒間及び生徒間
相互の人間的なふれあいを深めるきっかけとする。生徒会を中心に地域での挨拶運動を推進し、
地域住民との交流を図る(夢の挨拶運動)。
③ 生徒会活動の活性化
生徒会執行部を中心に、各委員会活動や学校行事等の計画立案に参画し、自主的・主体的に運
営・実践ができるようにする。生徒が身近な環境を見直し、積極的に環境の改善・美化に取り組
む活動(グリーン&クリーン作戦)や、地域での挨拶運動などの活動を通して地域住民との交流
を図る。
④ 社会規範意識の高揚
社会人として身につけておくべきマナーを丁寧に指導する。徹底できていない事項については、
その分析に基づき指導方法を改善する。特に、登下校時における望ましいマナーの定着を図り、
事故やトラブルに巻き込まれないよう意識を高める。
3 進路指導
(1)指導方針
① 個々の興味・関心、能力・適性に応じた自己実現と、キャリア育成に必要な基礎学力の伸長に努
める。
② 生徒の進路希望の把握に努め、一人一人の目標・希望に応じた指導を行う。
③ 生徒に対して、適切な情報を適切な時期に与えることができるように、ガイダンス機能の充実を
推進する。
④ 家庭との連携を強化し、保護者への進路情報の提供に努める。
⑤ 進路指導に関する職員間の共通理解を深め、学校全体としての進路指導体制をより強化する。
⑥ 進路指導目標の実現にあたって、「総合的な学習・探究の時間」を有効に利用する。
(2)具体的な取り組み
① 進路指導部と学年、教務部、類型推進部、授業開発委員会との連絡・連携を密にし、進路指導に
ついての共通理解を図り、学校全体が統一した進路指導方針に基づいて指導の充実に努める。
② 各学年のホームルームにおける進路学習を充実させる。
③ 生徒・保護者面談の質・量の充実を図る。
④ 大学関係者・専門的職業人等外部講師を積極的に招聘し、講演会等を実施する。
⑤ 大学体験やインターンシップ等の機会を通して、体験活動の充実に努める。
⑥ 教員の教科指導力向上のため、教材を充実させるとともに、授業研究会への参加を促す。
⑦ 保護者会での進路情報の提供について、その内容や質を吟味し、より有益な情報提供を図る。
⑧ 小論文・面接指導の組織化を図る。
⑨ 進学希望者の多い大学については、校内で入試説明会等を行う。
⑩ 就職希望者への適切な指導を行う。
⑪ 看護・医療技術系進学希望者を対象にしたガイダンスを充実させる。
⑫ 校内での進路研修会の充実を図る。
⑬ 進路指導室及び進路の間の資料を整備し、生徒の利用の便宜を図る。
⑭ 進路指導部便りを定期的・継続的に発行する。
4 人権教育
(1)指導方針
① 人権尊重の精神を基盤とし、人権感覚を磨き、差別の実態を正しく理解する態度を養う。
② 学校教育の諸活動全体を通じて、すべての生徒がお互いの個性を認め合い、いきいきと自己表現
できるよう、人権教育の深化を図る。
③ ホームルーム活動・各教科における学習活動・学校行事等の全領域において、人権教育を推進す
る。
④ 上記の方針に基づき、職員研修会を計画的・継続的に実施する。
(2)具体的な取り組み
① 第1学年 今日の様々な基本的人権について学ぶ。
② 第2学年 人権の歴史や現状について学ぶ。
③ 第3学年 社会生活における人権問題を通して人権尊重の精神を学ぶ。
5 図書情報教育
(1)指導方針
① 情報化社会に主体的に対応できる情報教育を推進する。
② 幅広い教養や深い思考力を身につけ、感性豊かな人間形成に資する読書習慣を形成させる。
(2)具体的な取り組み
① 教職員のメディア・リテラシーの向上に努め、ICTを活用した授業の指導力向上のための研修会
や講習会を開催する。
② 生徒のメディア・リテラシーの向上が図られるよう、計画的に環境を整備する。
③ Webページや「夢高メール」などICTを活用し、学校・家庭・地域との連携を深める。
④ 学校図書館の計画的利用など、生徒の主体的で意欲的な学習や読書活動を充実させる。
6 防災教育
(1)指導方針
① 危機管理が機能的かつ効果的に行われるよう日常における危機管理の意識の啓発に努める。
② 学校防災に対する意識を高め、学校防災体制を一層整備する。
(2)具体的な取り組み
① 災害対応マニュアルを整備するなど学校防災体制を充実し、災害発生時の緊急対応や、生徒の心
のケアなど事後の指導を的確に行う体制を強化し、教職員の役割分担や行動等についての共通理
解を徹底する。
② 防災避難訓練において、避難経路を確認し、安全を確保しながら迅速な行動がとれるよう訓練す
ることなどを通して、生徒が災害に際して状況を的確に判断し、適切な行動がとれる能力を育成
する。
③ 「災害時における健康管理」について考える機会をもち、心身の健康に対する意識を高める。
Ⅲ 健康管理に関する指導の重点
1 指導方針
(1)保健に関する意識の高揚を図るため、生徒の実態に即した保健指導に努める。
(2)健全な精神の涵養と体力の向上に努めるとともに、安全教育を推進する。
2 具体的な取り組み
(1)保健委員の役割を明確にし、日常の保健・衛生活動の中で指導力を発揮させる。
(2)保健室利用状況ならびに生徒の健康状況について教職員間で情報を共有し、連携して指導する。
(3)健康相談やAED・心肺蘇生法等の講習会を実施し、部活動や学校行事等における事故防止の徹
底を図る。
(4)不登校傾向のある生徒に対して、教育相談委員会・学年・保護者の連携を密にし、適切にかかわ
っていく。
(5)特別な教育的支援を必要とする生徒に対して、必要に応じて効果的な支援を進めていく。
(6)保健体育科・家庭科と連携し、食中毒や、新型コロナウイルス等の感染症予防や、「薬物乱用防
止」「がん」に関する正しい知識を習得させる。
(7)学校保健安全委員会を開催し、学校医・学校歯科医・学校薬剤師・保護者との連携を深める。
Ⅳ 研究テーマ
1 本校の特色である教育・心理類型に関連する研究を推進し、教育内容の充実を図る。
2 開かれた学校づくりの一環として、学校関係者評価を充実させるとともに、中学生とその保護者に
対する広報活動を積極的に展開する。
3 学力向上に向けた取り組みを一層充実し、一人一人の生徒の進路実現をしっかり支えるとともに、
学校としての進路実績の目標を掲げ、組織をあげてその実現を図る。
Ⅴ 地域貢献・就業体験事業
1 夢高ハートフルライフ事業
人間としての在り方生き方を考えさせるために、震災体験等から学んだボランティア活動の意義を
生徒に理解させようと努めている。特に思いやりの心や他者を尊重する態度を涵養するため、福祉の
心を中心とした「夢高ハートフルライフ事業」を立ち上げて、これまでも地域社会と積極的な交流活
動を行ってきた。この事業を通して、社会福祉への理解と関心を高めるとともに、ごく自然にボラン
ティア精神が発揮できるような生徒を育成していく。
2 グリーン&クリーン作戦
生徒が自分の環境を見直し、積極的に環境改善、環境美化に取り組む姿勢を養う。校内や近隣の
方々から見える場所に、季節に応じた花を植え、心の癒しを図る。
3 インターンシップ体験
インターンシップの体験を通して、健全な職業観・勤労観の育成を図る。そのために大学教授や専
門的職業人の講義・講演を実施し、生徒の興味・関心に応えると共に職業人として求められる資質や
能力について理解を深め進路目標を確立させる。
また、総合的な学習の時間においては、1年で「わたしの仕事館」を訪問し、2年でインターンシ
ップ就業体験を実施したり、希望大学を訪問し一日大学体験を実施する。
4 高校生ふれあい育児体験
学校設定科目「発達とコミュニケーション」において、学校近隣の保育所・幼稚園を訪問して、乳
幼児との交流を前提とした基礎的・基本的な学習及び実習を行う「高校生ふれあい育児体験」を実施
する。日々成長する乳幼児と直接ふれあうことにより、思いやりの心を育むと同時に、乳幼児に対す
る理解を深め、子育ての不安や悩みを体得する中で、自分自身の生き方を考え、健全な父性、母性を
育成する。
5 オープンハイスクール事業
<趣旨> 高等学校を受検する学区内中学校3年生や保護者及び中学校の教員を対象に、本校の施
設・設備や授業の見学及び部活動等の教育活動についての説明を通して、自ら学びたい学校
を選択する一助とし、高校進学への目的意識の確立を図る機会とする。
<内容> 神戸市内の普通科を設置する公立高等学校が日時を統一して事業を実施する。
(1)学校概要説明
(2)学校行事の紹介
(3)授業見学及び校内施設見学
(4)部活動見学
(5)高校生活等に関する質疑応答等