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カテゴリ:GS科×SSH

化学部 高校化学グランドコンテストにおいて優秀賞・IHI企業賞を受賞

10月25日(土)、26日(日)東京 芝浦工業大学豊洲キャンパスで行われた「化学Chemistryの甲子園」と言われる、「高校化学グランドコンテスト」の最終審査会に参加してきました。
全国の高校から集まった化学研究の論文について一次審査により110件に絞られ、その中の上位10件でのグランドアワードを決定する最終審査に挑みました。審査は英語による12分の口頭発表と7分の専門家による質疑応答でした。
3年生にとっては高校生として本当に最後の発表で、悔いのないように、自分たちが育ててきた「天然多糖類による固体二次電池」を精一杯全国に紹介しました。
英語のスライド作成、英語のみの発表は今回初めてで発表準備が大変でなかなか間に合わず、発表練習もほとんどできないまま当日を迎え不安で一杯でしたが、自分たちのできることを最後の最後まで追求し悔いのない発表を行いました。専門家による厳しい質疑にも、日頃から何度も何度もディスカッションしてきたことが功を奏してしっかりと乗り切ることができました。これまでの豊富な経験値がこのような大舞台での落ち着いた発表に確実につながったことを実感。

 

 結果は、惜しくも第1位の文部科学大臣賞を逃したものの、第3位のグランドアワード化学技術賞を頂くことができました、あわせてIHI賞という企業賞も頂きました。
併せて、Singaporeで開催される「18th International Science Youth Forum @Singapore 2026」に1月4日から1月10日まで派遣されることが決まりました。3年生は受験のため参加できませんが、代表して2年生が私たちの「天然多糖類による固体二次電池」と「宝塚北高校」を世界に紹介してきます。
研究においては川西市の公益財団法人東洋食品研究所様に分析でご協力頂き感謝申し上げます。
また、とことん研究活動に向かえる宝塚北高校の環境や多くの先生方のサポートに感謝します。

 

News Week 日本版 にも掲載されています。
https://www.newsweekjapan.jp/press-release/2025/10/20-2028.php#google_vignette
発表の様子はYou tubeにて公開されていますのでぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/live/FKgWTCefPWw  1時間30分~, 7時間30分~、7時間40分~

日本金属学会高校生ポスターセッションで最優秀賞、優秀賞をトリプル受賞

2025年9月25日

 化学部がオンラインで行われた2025年日本金属学会秋期講演(第176回)大会 高校生ポスターセッションで3件の発表を行い、最優秀賞(2~4位相当)2件、優秀賞(5~13位相当)1件のトリプル受賞となりました。

本発表会は、日本の科学技術を支えてこられた歴史と伝統の日本金属学会の定期発表会の中で、高校生も参加しポスターセッションを行うというものです。本年度の会場は北海道大学ということで、本校はオンラインでの参加となりました。

 

 研究は「銅の煮色着色技法への科学的アプローチ」、「天然多糖類を用いた固体ダニエル二次電池の開発」、「糖アルコールはカラメル化するか」の3件で、何れも本年度になってから1,2年生でコツコツと実験に励んできたものを一所懸命に伝えました。本テーマでは初めての発表ということもあり、研究内容がどのように他の方々に受け止められるか「ドキドキ」でしたが、受賞につながり「ホッ」としました。ここでのアドバイスや経験を今後に生かし、よりよい研究、発表に深めていきます。

Dr. Matthew Spry 講演会 - Science Dialogue

2025年10月24日

GS科3年生が学校設定科目「GSⅢ」の授業で 大阪大学産業科学研究所 准教授 片山 祐 先生、博士研究院 Dr. Matthew Spry をお招きし、持続可能な社会の実現と環境に優しい電気化学手法によるアンモニアの合成についてご講演いただきました。本講演は独立行政法人日本学術振興会のプログラムを活用したものです。 
All English の講演は2年生でのシアトル研修以来ということで、いくらかの懐かしさも感じるものでした。しかし、2時間みっちりのご講演ということで、不安でいっぱいでもありました。
前半は地球環境の持続性についてクイズを交えながらお話し頂き、スライドもわかりやすく、大方の理解が可能でした。後半はいよいよ専門的な研究内容に入り、幾分苦しい生徒も出てきましたが、理解しようと必死にくらいつきました。

 

 講義後のアンケートでは
1)講義における英語は、理解できましたか? Y:45%
2)講義を聞き、科学や研究に対する関心は高まりましたか? Y:84%
3)全体として、今日の講義はよかったですか? Y:87%
4) 再度、外国人研究者からの講義を聞きたいと思いますか? Y:93%

となり、完全には英語が聞き取れなくても、スライドや身振り、表情、雰囲気から読み取り、内容を理解する能力、興味を持って取り組み自分のものにしようとする姿勢が表れ、GSⅠ、Ⅱ、Ⅲをとおして育んできた力が着実なものとなってきていることが窺えました。

 

 生徒から講師の先生へ
・I realized how amazing it is that the power of science can help solve the problems we are facing today.
・Through your talk, I learned that the development of science is essential to solve the various problems that humanity is facing.
・Your research was very interesting. I become to want to be a good researcher such as you in the future.

片山 祐 先生もDiscussionに加わってくださりありがとうございました。

GS科3年 科学コンクールでの受賞

2025年10月01日

GS科3年生が応募した科学コンテストで多数の受賞が報告されました。
GS科では、1年生でGSⅠの授業を通して探究的技法、マインドを学び、リサーチプランを立てます。2年生でGSⅡの授業を通して課題研究に取り組み、発表します。3年生で課題研究を論文としてまとめ、科学論文コンテストへ投稿します。今回受賞となったのは以下のとおりです。

東京理科大学主催【第16回坊ちゃん科学賞】
 優良入賞:《波消し班》:ケーソンを用いた消波効果-モデル実験による試み-
 佳  作:《シャトル班》:横風の影響を受けにくいシャトルの開発
 佳  作:《Wallstat班》:筋交いの配置による倒壊方向の制御
 奨 励 賞:《甲 虫 班》:オオクワガタのフンが持つ抗菌作用
 なお、優良入賞論文は、作品集に収録されます。

東京家政大学主催【第23回生活創造コンクール】
 AAA(先端加速器科学技術推進協議会)賞:《カラメル班》:カラメルのヒミツ
 「高校生の萌芽的研究No.5」に収録されます。

兵庫県教育委員会、読売新聞社 他主催【第69回日本学生科学賞兵庫県コンクール】
 佳  作:《和蝋燭班》:芯切り不要な和蝋燭の開発

まだまだ受賞の報告は続いています。後日報告します。

GS科1、2年合同 科学講演会

2025年9月30日

GS科1,2年生合同の科学講演会を時間割変更により6,7時間目に実施しました。講師には、国立研究開発法人 物質・材料研究機構NIMSの高分子・バイオ材料研究センター 電子機能高分子グループ グループリーダー、大阪大学大学院情報科学研究科招聘教授の樋口昌芳先生をお招きしました。
有機分子と金属が結合してできる「メタル超分子ポリマー」によるエレクトロクロミック材料の開発研究についてやNIMSはどんなところかなどについてご講義頂きました。研究機関は、大学や企業だけではなく、国の研究機関もあることを知り、将来のキャリアの幅が広がりました。
エレクトロクロミック材料とは電気のON、OFFで色が変わる材料で遮光、遮熱を自在に制御できる窓や様々な表示デバイスへの応用が期待されています。シアトル研修で乗ったボーイング787機にも使用されていることから、この技術を身近に感じ、より興味を持つことになりました。

 

 講義を聞くだけではなく、実際に乾電池で駆動する小型のエレクトロクロミック調光ガラスの作成に挑戦しました。通電することで色が変わった瞬間は、自分たちが授業で習った「酸化還元」や「電気」、「分子」や「配位」といったことがつながってこうして形に現れ、それらが社会の役にたつテクノロジーとなることを目前で感じることとなりました。

 

難しい内容もわかりやすくお話しくださり、実験キットもご用意いただき、はるばる筑波からお越しくださった樋口先生に感謝申し上げます。
今回はGS科1、2年生が1つの班になりました。先輩が後輩を先導して実習を進める姿もGS科ならではの縦の繋がりでしたね。

GS科1年 GSⅠフィールド実習-丹波竜発掘現場-

2025年10月5日

GS科1年が学校設定科目「GSⅠ」の授業として兵庫県丹波市の丹波竜発掘現場を訪問し、フィールド実習を行いました。SSHの事業の一貫として大型バスを借り切って現地に向かいました。
講師として兵庫県立人と自然の博物館 主任研究員(兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 教授)の池田忠広先生にお越しいただき、特別に丹波竜発掘現場の篠山川の岩場に降りて解説していただく予定でしたが、生憎の雨による激流のため川岸や旧上久下村営上滝発電所記念館からの観察となりました。

 

化石の発掘事業にあたられている池田先生から、世界に比べての日本の地層研究のち密さや、地学だけではなく生物学、語学を初め様々な学問に精通することの大切さ、そして最初の化石の発見から発掘までの壮大な事業の舞台裏の苦悩までもお聞きすることができました。発掘現場跡を見ながら聞く講義は臨場感があり、発掘調査のスケールの大きさや意義深さを感じることができました。お忙しい中、わざわざ足をお運びくださった池田先生本当にありがとうございました。

 

 次週の「GSⅠ」では、統計的な処理を活用して、恐竜の脚の長さから歩行速度を算出しました。

化学部 SSH全国生徒研究発表会 生徒投票賞

8月6日(水)、7日(木)

化学部がSSH全国生徒研究発表会にて生徒投票賞を受賞しました。本発表会での受賞は、兵庫県からは神戸大学付属中等教育学校と本校の2校で、本校は、昨年度のGS科の発表に引き続き2年連続の受賞となりました。
本発表会は全国のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校や過去に指定を受けたことがある学校(経験校)から、SSH事業採択による研究成果を各校が持ち寄り発表するもので、全国から238件の発表がありました。化学部の発表は校内選考を経て、北高代表として発表しました。
内容は、昆布などから採れる天然多糖類であるアルギン酸を使って電池を固体化し、本来充電できない電池を充電できるようにしたものです。乾電池で充電した電池でプロペラを回す実演も行い、斎藤兵庫県知事をはじめ、非常に多くの方々に見て頂きました。休む暇なく、説明をくり返しました。その結果、生徒の投票で12件が選ばれる「生徒投票賞」を受賞することができました。また、観覧に来ていたGS科生も、斎藤知事に話しかけられサプライズ!

 

 元素の定量測定を行って下さった、(公財)東洋食品研究所様をはじめ、多くの方々にご助言を頂きありがとうございました。

GS科 40回生 2年生 リサーチプラン検討会

7月31日(木)

 GS科2年生が学校設定科目「GSⅡ」において、京都大学名誉教授馬場正昭先生、神戸大学教授谷篤史先生をお招きし「リサーチプラン検討会」を実施しました。

1年生の3学期には「リサーチプラン講習会」「リサーチプラン相談会」を実施し、2年生になって予備実験を実施し、今回「リサーチプラン」

をブラッシュアップするというものです。

 

  事前に作成した最新版の「リサーチプラン」をパネルに貼り付け、班ごとに説明し、質疑に答えたりご助言を頂いたりしました。

答えが用意されていない課題研究を進めていくにあたり、本当にこの方向性でいいのか不安でいっぱいの中、励まされたり、気づかされたりと、課題研究を進めるための勇気となる検討会となりました。

 

 今後本格的に課題研究に取り組んでいきます。どんな研究に仕上がるのか楽しみですね。

GS科 学校設定科目「GSⅠ」~データの解析法~

7月15日(火)
 GS科1年生の学校設定科目「GSⅠ」で、データの解析法の授業を行いました。講師にお招きしたのは奈良女子大学 准教授 京極大助 先生です。GS科1年生は、2学期に研究のリサーチプランを作成し、2年生から始まる課題研究のテーマを3学期に決定します。どのような目的でデータを収集するのか、またデータに基づいて論じるためには統計学が不可欠なことなど、様々な内容について学ぶことができました。
 多忙な中、本校に来ていただいた京極先生に感謝を申し上げます。

GS科41回生 1年生 【GSⅠ】生物学講座

7月15日(火)

学校設定科目「GSⅠ」の授業で、京都大学名誉教授の沼田英治先生をお招きし、生物学講座「クマゼミは雨の日に孵化する」を実施しました。
「どうしてクマゼミは雨の日に孵化するのか?」様々な実験結果から結論を導きました。
探究ってこう進めるのだということがよくわかる内容でした。
実際にクマゼミの卵がついた枝を何本も持ってきてくださり、顕微鏡で卵や孵化を観察しました。普段セミが木にとまって鳴いているのが日常ですが、卵が枝についているのや、孵化した直後などはほとんどの生徒が見たことがなく(気にも留めたことなく)、みんな興味深々でした。

 また、中学校の国語2の教科書の「クマゼミ増加の原因を探る」の執筆者であることが明かされた時は「あれか!」と驚きと共感で、過去と現在が線でつながった瞬間でした。
まさか、あの教材の執筆者とここでお出会いするとは!
探究心をそそる非常におもしろい講義、実習をありがとうございました。