校長室より

2学期終業式にて ~イマジネーションを膨らませる~

 皆さん、おはようございます。寒くなりましたが風邪などひいていませんか?体調管理をしっかり行ってコロナやインフルエンザに打ち勝ちましょう。

 さて、“百聞は一見に如かず”とよく言います。このことは探究活動などを行っている君たちにとって納得できることかと思います。様々な活動を通し、自分の目で見て体験することによって納得したことがたくさんあったと思います。

 しかし、私たちひとり一人には1日24時間という時間が割り当てられています。ひとりだけ25時間とか20時間とかではなく、誰しもが平等に24時間です。つまり、限りがあるということです。何でも見てやろう何でもやってやろうとしても限度があります。そこで、読書です。読書の秋と言われますが、皆さんはこの秋に読書をしましたか?

 最近は、高校生の一ヶ月平均読書数は1.7冊だそうです。忙しい高校生活では月1冊2冊が限度であると思いますが、驚いたのは不読者の割合です。なんと48.3%の高校生が一ヶ月0冊、つまり約半数が本を読んでいないということです。読書をすることによって、実際の経験には及びませんが、どこにでも行けます。どんな時代でも、どんな人の立場でも立てます。ドキドキしたり、ハラハラしたり、楽しんだり、悲しんだり、怒ったりもできます。そのためには、イマジネーション(想像力)が必要です。今まで、イマジネーションが大切と何度か話してきましたが、読書によってイマジネーションが大きく育ちます。イマジネーションによって読書の幅が広がります。イマジネーションによって優しさも生まれます。イマジネーションによって危険も回避できます。

また、心を落ち着かせて本を読むことによって、言葉が心の中に降り積もっていくのです。そして、それによって、長い間、自分の心から離れないものになっていくというのが読書の醍醐味だと、私は思います。

 読書は、堅苦しいものであってはいけません。自分の好きな本、自分に合った本を読めばよいのです。義務を感じて読む必要はありません。自分から進んで読んで、興味をひかれたものは自分の糧になります。どこかできっと自分に役立つはずです。

 読書は嫌いだ、読書は面白くないという人がいるとすれば、その人は、何を読んでも興味が持てないというところに問題があるのです。読書のせいではなく、その人の生き方に関わることであると思います。様々な本を読んで、イマジネーションを働かせ豊かな人生を送ってほしいと、私は若い君たちに願っています。

 3年生は、受験勉強で頭がいっぱいだと思います。一段落したところで読書をしてください。1・2年生は年末年始に、気に入った本を読んでイマジネーションを膨らませてください。

それでは、よいクリスマス、よいお年を迎えてください。

 

校長 塙 守久