3学期始業式にて ~1枚の紙(プロフェッショナル)~
皆さん、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
季節はこれからますます寒さが厳しくなっていきますが、私たちは新しい年を新春として迎えます。北風が吹きすさぶ季節であるにも拘わらず、新しい1年の始まりの時を新春と呼ぶのは、私たちの気持ちが反映していることのあらわれです。
新しい年を迎えて、皆さんはそれぞれ、この1年への期待や意気込みを抱いていることと思います。「初心、忘るべからず」という言葉がありますが、改まったときに抱いた思いが、自分を励まして前進させる力になることは疑いのないことです。この1年、お互いに努力を続けましょう。
さて、昨年の2学期終業式で、読書によってイマジネーションを膨らませて欲しいとお話ししました。今日はそのイマジネーションを働かせてみましょう。
想像してください。ここに一枚の紙があります。
何回折れるでしょうか?
二つ折りで40回折れば、厚さはどれくらいになるでしょうか?
1回で2倍、2回で4倍、3回で8倍、4回で16倍、・・・10回で1024倍です。
わかりやすく1000として
20回で、1000×1000=100万倍
30回で、100万×1000=10億倍
40回で、10億×1000=1兆倍
仮に紙が0.1㎜としたら、0.1㎜×1兆=1000億㎜=100億㎝=1億m=10万㎞
地球一周約4万㎞です。2周半できます。
月まで約38万kmです。4倍の0.4㎜の紙を40回折れば月に到達できます。
面積は見えないほどになりますが、紙を折って月に行けるなんて、おとぎ話のようでロマンチックな気分になります。
今もそうでしょうけれど、包丁や刀を作る鍛冶屋さんは、鋼を火の中に入れ、真っ赤にしてグニャッと伸ばし、二つ折りにして、トンテンカンと叩き、また火に入れるということを繰り返します。名刀と言わるものは20回以上繰り返すこともあるそうです。鋼の厚さは紙と比べ物にならないほどの厚さですので、厚さがそのまま倍になったとしたら、余裕で月にとどいています。そして、研ぎあげる。そういう仕事を職人さんは全て手作業でやっている。その道のプロはすごいですね。
どんな道でもその道の熟練者、つまりプロフェッショナルになるように努めることが大切です。人は学歴や肩書きで仕事をするのではありません。自分の身についたものが、その人の力になります。有名大学に合格したから、有名企業に就職したからといって安穏としている人はプロフェッショナルにはなれません。
皆さんは、今は、自分の進む道を探している段階かもしれませんが、いずれは、それぞれの専門の道で力を蓄え、プロフェッショナルになってほしいと思います。
さぁ新春です。夢や目標に向かって、新たな意気込みを胸に、2025年をスタートさせましょう!
校長 塙 守久