校長室より

令和5年度 第46回入学式 式辞 

 式辞

 

 桜をはじめ、色とりどりの花々に囲まれて、春が巡ってきました。 

 本日ここに、PTA会長藤原様をご来賓として迎え、多くの保護者の方々のご出席をいただき、兵庫県立須磨東高等学校第四十六回入学式を挙行できますことを心から嬉しく思います。高い所ではございますが、お礼申し上げます。誠にありがとうございます。

 ただいま、二百四十一名に入学を許可しました。新入生の皆さんは、もう本校の生徒になりました。ご入学おめでとうございます。

 新しい環境に入るときは、誰もが期待とともに不安を感じます。期待は大きい方が良い、不安は小さい方が良いのですが、新入生の皆さんは、不安より期待の方に胸が膨らんでいることでしょう。

 不安を乗り越えていくことは大切な経験です。そして、期待はさらに大きく育てて、現実のものに作り上げていってほしいと思います。期待というのは他人をあてにすることではありません。自分から進んで取り組もうとする姿勢から生まれたきらめく心、それを忘れまいとすることが大切です。期待に胸を躍らせて輝いている心を、いつまでも失わないようにしてほしいと願っております。

 さて、本校は、昭和五十三年、源平ゆかりの須磨の浦を眺望する高台に開校し、地域社会の強い要望に支えられながら、昨年度四十五周年を迎えました。校訓である「立志・誠実・努力」の精神を基盤として、「主体的に考え、判断し、行動できる人材」の育成を目指しております。平成二十七年度からはリーガルマインド類型を設置し、法的思考力・判断力を持ちながら、社会の様々な事象に主体的にアプローチし、解決策を打ち立てる能力と、弱者に寄り添う態度の育成を目指しております。これからも生徒、教職員ともに、さらに「ひたむきに」志を高く持ち、前進してまいりたいと思います。 

 

そこで、皆さんの入学にあたり、心に留めておいて欲しいことを三つ述べて、歓迎の言葉といたします。

 

一つ目は、熱中できることを何か一つ見つけてほしいということです。部活動、勉強、趣味、何でも構いません。損得勘定とは関係なく、打算的な思いからでなく、ひたむきになれるもの、夢中になれるものに出会ってほしいと思います。夢中になれるものが、日々を満たしてくれます。高校生活を充実したものにしてくれることでしょう。

二つ目は、夢、志を持ってほしいということです。夢中になれることが、全て夢に繋がるとは限りませんが、夢を持つと目標が見つかります。目標が見つかると努力します。努力すると充実感が得られます。充実感が得られると幸せになります。是非、幸せな高校生活を送ってほしいと思います。

そして三つ目は、友を大切にしてほしいということです。高校生活は三年間です。長い人生の中では短い期間ですが、悩み多き、多感な思春期の三年間はとても重要な時期です。その時期に共に悩んだり、喜び合ったりして過ごした友は一生の友となります。何十年経っても高校時代の関係に一瞬で戻り、何でも話せる友がいることは何よりの財産になります。素晴らしい友に出会えることを願っております。

 

 最後になりましたが、本日の新入生を祝って、ご多用のところご出席くださいました、ご来賓・保護者の方々に、改めてお礼を申し上げます。

 学校・家庭・地域・関係機関の連携のもとで、新入生がこの三年間で立派に成長していってくれることを目指して、私たち教職員は全力で取り組む覚悟です。

 ご来賓の方には、本校教育のためにご援助・ご指導を賜りますようお願い申し上げます。また、保護者の方々には、本校教育に対するご理解・ご支援を賜り、同じ方向を向いて、お子様を共に支えていただきますようお願い申し上げます。

 新入生の皆さん、いよいよ高校生活が始まります。この三年間に、さまざまな経験をして、いろいろなことを吸収して、自分の頭で考え、そして自分の未来への道を切り拓いていってほしいと思います。ここにいるひとりひとりに、私は大きな期待を持っています。校訓「立志・誠実・努力」を自分のものとして体得し、心豊かな人間として成長してくれることを願って、式辞と致します。

 

令和五年四月十日

兵庫県立須磨東高等学校

校長  塙 守久