祥雲SSHシンポジウム「生物多様性って誰のため?」開催
9月28日(土)、令和6年度第1回祥雲SSHシンポジウム「生物多様性って誰のため?」を開催しました。三田市こうみん未来塾との共催で、地域の小中学生、高校生や大人が集まり、科学について語り合うイベントです。毎年、秋のシンポジウムは「生物多様性」をテーマとし、人と自然のあり方について考えを深めています。
今年で5回目となる生物多様性シンポジウムですが、今回初めて開会前にミニマルシェを開きました。販売したものは・・・
① 1年次生対象のSSH学校設定科目「プログレス探究A」の農業チャレンジチームによる落花生。6月に苗を植え、少しずつ農業について学びながら栽培に挑戦し、当日の朝、収穫したものです。いくらでどのように売るかも自分たちで考えました。袋に注目してください。校内の不用品のリサイクルですが、個性豊かな手書きのパッケージです。
② 科学部生物班は、藍染小物を販売しました。種から育てたタデアイの生葉で染めた布で、アイデアを出し合いポーチ、髪ゴムなど色々な小物を手作りしました。藍色を活かしたクジラ、かわいいですね。その他に生物班では、4月から取り組んでいる「アップサイクルクレヨン」の展示も行いました。描き心地を試してもらい、アンケートに答えた方には、コーヒーかすで作った茶色のクレヨンをプレゼントしました。
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③ ゲストとして有馬高校人と自然科に来ていただきました。きゅうり、にんにく、サツマイモの他に、なんと青パパイヤにバナナまで!!学校の温室で栽培した国産のバナナ、その場で食べましたが絶品でした。人と自然科の底力を感じました。
2時からは、いよいよ大講義棟でシンポジウムです。第1部は、10分ずつの研究・活動発表。1番は、有馬高校人と自然科果樹と緑班の3人による「放置竹林問題に立ち向かえビートルズ!」。竹パウダーのカブトムシ飼育マットに始まり、幼虫の糞の利用も考えるなど、とても興味深い内容でした。2番目は、株式会社コスモス食品による「おいしいをつくる多様な生きものたち」。コスモス食品はフリーズドライの会社ですが、「全活循環」を目指して農業にも関連し、様々な取組みを行っておられます。地域の乳酸菌や酵母菌、糀菌を使った調味料を開発されているというお話が印象的でした。フリーズドライ、奥が深いです。最後は、「三田市皿池湿原公園の生物多様性」。三田市テクノパークのすぐ近くにある皿池湿原には、多くの絶滅危惧種の昆虫や植物が生息していること、人が手を入れることでその自然が守られていることを学びました。こんな近くにそのような場所があることを、会場の多くの人が初めて知ったと思います。
2部は、コンサベーションインターナショナル・ジャパンの浦口あやさんの講演「自然を守ることは人間を守ること」です。世界中で起こっている自然破壊の現状とその原因について、丁寧にわかりやすく語っていただきました。「人間は自然を必要としているけれど、自然は人間を必要としていない」という言葉に感銘を受けた人が多いのではないでしょうか。3部は、人と自然の博物館の研究員の三橋弘宗先生にファシリテーターをお願いし、今回発表してくださった方々と祥雲館科学部班長をパネラーとしてパネルディスカッションを行いました。会場からの質問に答える形で、生態系をどうやって守っていくのがよいのか、人と自然のあり方について考えを深めていきました。プロ探Aの生徒もよい質問をしていましたね。
今回も大変有意義な会となりました。ご協力してくださった皆様、ありがとうございました。
次回は、12月14日(土)「宇宙への挑戦~月と地球の微妙な関係~」です。夜の観望会もやります。ご期待ください。