令和2年度第2学期始業式 式辞

  皆さん、おはようございます。学校長の川崎芳徳です。
 
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日間という短い夏休みでしたが、充実した時間を過ごされましたでしょうか。

1学期の終業式では、「言霊」「生卵」「幸運と悪運を引き寄せる人の手の平」「天佑神助」などのお話、そして、「何より大切で尊い、ご両親からいただいた、この世にたった一つの『命』を大切に過ごしてください」というお話をさせていただきました。皆さんが、夏休み中、大きな事故等もなく、今日、元気に正門をくぐる様子を見て、大変嬉しく思いました。

このたびも、放送での式になり、大変残念ですが、第二学期のスタートにあたり、一言、ご挨拶を述べさせていただきます。

今年も既に立秋は過ぎています。秋の気配を感じる場面に遭遇できましたでしょうか?

四季に恵まれた我が国において、とりわけ秋は、「読書の秋」「芸術の秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」、そして、これまでの努力が実を結ぶ「実りの秋」などと表現されるほど、人間の活動に適した季節です。

是非、「これを成そう、やり遂げよう!」と、高い「志」を持って「目標」を立て、また既にしっかりと「目標」を立てている人は再確認し、取り組んでほしいと思います。

高い「志」を持つことで、周辺の細々したことにとらわれることなく、右往左往せず、「目標」に向かって邁進できるものです。そして、この時の目標への「第一歩」、これは、「志」の高さ、掲げた「目標」によって異なったものになります。自らとしっかり向き合い語り合い、高い「志」を持って熟考し、妥協の無い「目標」を掲げ、“第一歩”を踏み出し、行動することが求められます。

登山に例えるならば、皆さんも一度は登ったことがあるでしょう、「六甲山」、山頂932mを目指した“第一歩”、また、兵庫県で最も高い山、「氷ノ山」、山頂1,510mを目指した“第一歩”、はたまた、我が国最高峰の「富士山」、山頂3,776mを目指した“第一歩”、そして、ついには、世界最高峰、「エベレスト」、山頂8,848m、神の領域とも表される山頂を目指した“第一歩”・・・これらは同じ“第一歩”でしょうか?

「六甲山」・・・気分転換に、気の合う仲間と健康を考えて、といった感じでしょうか。「氷ノ山」・・・スキーでは雪質が良く人気のゲレンデで、私も何度も滑りましたが、リフトを使わずに山頂までは、ちょっとしたチャレンジです。高校時代、学校行事で登った経験があります。「富士山」・・・特に初めてなら大きな期待を持って必要な準備を整え、もちろん、つらさはあろうけれども、楽しみが上回っているでしょうか。「エベレスト」・・・世界最高峰の山頂を目指しての第一歩、これには、練りに練った計画、多額の費用、大がかりな準備、そして何より、それまでの山登りとは全く違うものが必要になります・・・それは、「命」をかける“覚悟”です。これ無しには、エベレストへの“第一歩”は踏み出せません。そうなのです、掲げる目標で、必要な“覚悟”言い換えれば、求められる“心構え”が大きく変わってくるのです。

皆さん、たった一度の人生、真の心の豊かさ、幸福感、達成感を求め、どんな覚悟を持って、どんな目標に向かって歩んで行かれますか。義務教育、いわゆる「皆さんの保護者の方々が、皆さんに9年の普通教育を受けさせる義務」は終了しています。今、ここに居る皆さんは、9年の普通教育の上に、更に高等な教育を受け、自らを高めようと、今度は保護者の義務ではなく、自ら選択し、受験し、突破して集まっているというわけなのです。ここでは、中学3年生の時とは大きく異なる覚悟を持たなければなりません。

先の戦争である「大東亜戦争」いわゆる、「第二次世界大戦」では、皆さんと同じ年代の多くの若者が、お国の未来のためにと、覚悟を決め腹をくくり、尊い命を落とされました。今年は、戦後75年目の大きな節目になります。8月15日には、本校におきましても、戦争で犠牲になられた方々への弔意を表す半旗を掲揚しました。

皆さん、お国の未来のために未来とは、いったいいつのことでしょうか・・・それは、まさに今日”“なのです。多くの尊い「命」の犠牲の上に、今日の我が国の繁栄と、何より「平和」があるのです。そのを生きる私たちが、ただ毎日をぼんやりと過ごしていては、「命」をかけて、今日の平和で豊かな日本のために犠牲になられた方々に、あまりに申し訳なく、合わす顔がありません。

加えて、今年は、阪神淡路大震災から25年目の、こちらも大きな節目を迎えました。多くの、夢や希望に満ちた人々が、突然に道半ばにして犠牲になられました。平成7年1月17日午前5時46分、あの時の、それまで経験したことのない激しい揺れの感覚は、十数秒間だったにも関わらず、今でも私の体がしっかりと覚えています。平和ボケしていた私が、天地から、「お前は、『地球』という、生きて活動している真っ只中の星の上に、ただ住まわせていただいているだけの存在なのだ」と、初めて実感を持って教えられ、そして、「生きるなら、寝言を言わずしっかり生きろ!」と叫ばれたような、それまでの人生観を大きく揺さぶられた出来事でした。

皆さん、今日の平和への「感謝」を忘れず、いただいた命を、覚悟を持って目標を掲げ、しっかり歩もうではありませんか。「自らの魂を可能な限り磨き高め、獲得した力で、少しでも世のため人のために役立つ人となる」、この「生きる目的」を心に中心に据え、着実に歩んでいこうではありませんか。

「あんな職業に就きたい」「こんな人になりたい」「この分野を追求したい学びたい」、「私は兵庫県で頑張ろう」「いやいや県外へ出よう」「首都東京で」「アメリカで、アジアで、ヨーロッパで」・・・目標は無限であり、そして、今、ここにいる皆さんの可能性も無限なのです。現に、本校を卒業された皆さんの先輩方が、様々な方面で活躍されていることは、皆さんがご承知の通りです。「志」高く、先輩方に続いていってください。

さて、夏休みの間も、多くの部活動が活躍しました。県高校総体の代替大会に絞って紹介させていただきますと、8月1日(土)、サッカー部は、5回戦、ブロック決勝で、強豪、神戸弘陵高校と対戦。敗れて準優勝となりましたが、最後の最後まで全力で立ち向かう姿は、見事!実に輝いていました。新聞記事をHPにアップしていますので、見ておいてください。

バスケットボール男子は、神戸第一を破った後、舞子高校に猛追及ばず敗れましたが、最後まで勝負にこだわり、力を出し切るハイレベルなプレーは素晴らしかったです。

バスケットボール女子は、神戸北を破った後、近年、精力的に選手強化を図っている神港学園に敗れましたが、まさに一致団結、試合に出ている選手もそうでない選手もワンチームとなっていました。敗戦直後の爽やかな表情が印象的でした。

ウェイトリフティングは、男子61㎏級で、2年生の中尾 太河さんが準優勝、男子67㎏級で3年生の上別府昇吾さんが準優勝、女子49㎏級で、2年生の中井 彩錦さんが準優勝、女子55㎏級で、2年生の小田 歩佳さんが優勝、女子59㎏級で、2年生の後藤優妃乃さんが優勝、女子64㎏級で、3年生の加藤 南帆さんが優勝、1年生の坂本琴音さんが準優勝、女子71㎏級で、1年生の西尾 明莉さんが優勝と、実に輝かしい結果を打ち出されました。これもまた、新聞記事をHPにアップしていますので、見ておいてください。

陸上競技では、女子5000M競歩で、3年生の伊達 彩果さんが1位、女子800Mで、3年生の佐野ひよりさんが1位、佐野ひよりさんは、女子1500Mでも4位と活躍されました。

これら県総体代替大会に加え、8月1日夜には、多井畑小学校グラウンドにおいて、北須磨団地自治会主催の伝統ある夏祭りが開催され、本校生徒会の皆さんが、食品販売等で活躍、また、ダンス部の皆さんが、日頃の練習の成果を発揮し、見事なダンスを披露、多くの観客を魅了しました。これからも、校内はもちろん、いろいろな場面で素晴らしいダンスを披露してくれるを期待しています。

また、校長室にいましても、吹奏楽部、ギター同好会の熱心な演奏もよく聞えてきていました。もちろん、校内での夏季補習に加え、自習室でも、多くの皆さんが真剣な表情で学んでいました。

 まさに、それぞれの夏を精一杯過ごし、たとえ目指す結果を出すことができなくとも自らを高めようと努力してきたことを、大変頼もしくそして嬉しく思います。

 今日は、この後、皆さんの学校生活の状況が大変素晴らしいことに鑑みて、生徒指導部の徳山部長先生から、校則に関してお話しいただきますので、よく聞いてください。

 それでは、須磨友が丘高等学校が、「利他の心」、互いを思いやるエネルギーで満たされた集団となり、この秋という絶好の季節に、皆の「総合的人間力」がますます向上していくことを祈り、令和2年度第二学期始業式の式辞とします。

皆さん、力を合わせて頑張っていきましょう!

令和2年8月26日
              
県立須磨友が丘高等学校長 川崎 芳徳