看護専攻科トピックス
事例報告会
7か月間続いた看護臨地実習が終了し、事例報告会が行われました。
高校2年生から始まった臨地実習は、新型コロナウイルスの影響で校内での代替実習などを経て、専攻科ではすべての実習を臨地で行うことができました。臨地で実習できる嬉しさとともに不安も大きかったようですが、多くの人々に支えられて成長できました。
今回の発表会では、成人看護学実習Ⅱ(急性期)、成人看護学実習Ⅲ(終末期)、精神看護学実習のうち1つを選択し、自身が行った個別性のある看護を振り返り発表しました。患者様から教えていただいた大切なことは何か、何が学んだことなのか、患者様が伝えたかったことは何かなど、自分の発表内容にそってまとめ、それを相手に伝わるように表現することはとても難しかったようです。しかし、時には投げ出しそうになりながらも一生懸命取り組む姿は、自己研鑽をしようとする学生たちの心を表しているようで頼もしい限りでした。そして、看護科・看護専攻科の5年間の集大成としてふさわしい発表会となりました。
堂々と発表する看護専攻科2年生を羨望や感心のまなざしで聴講する看護専攻科1年生は、3月から始まる老年実習を控えています。先輩たち以上に逞しく成長してくれることを期待しています。
神戸研修
今年度から公衆衛生学の一環として、神戸研修を取り入れました。WHOの医官である茅野先生や海外で看護師として活躍されていた加藤様から、WHOの役割や世界の健康情勢をご講義いただき、その後WHO神戸センターの内部を見学させていただきました。また、午後は兵庫県企画部の山本様から兵庫県の2050年の姿を、保健医療部の阿部様からは兵庫県保健医療計画の概要を講義していただきました。その後グループワークと発表を行いました。
学生からは、「全ての人が平等に適切な質と費用で医療を受けられるように、WHOが中心となり、多様な機関の団体が協力し合っていることが分かった」「国単位ではなく地球を単位としたグローバルな視点で、問題を解決していくために広い視野をもって取り組んでいることが分かった」「日本だけでなく海外でも看護師として働くことができると知り、自分の将来を考えることができた」「地域医療の担い手が減少することが分かった。逼迫するであろう医療現場でも看護師等の医療従事者がその役割を十分に発揮できるように、人々の健康意識を高める看護が必要だと思う」などの感想が聞かれた。
令和6年度 看護専攻科 研修旅行
今年度は、海外での医療の現況を学ぶ機会を設けることができました。受け入れてくださった康寧大學は、台北と台南にキャンパスを構える総合大学で、看護専攻科の学生と同年代の方々が学んでおられます。このような学生達と接する機会は、貴重で、しかも同じ志をもつ学生同士が集うことによって、お互いが良い刺激を受けました。最初はぎこちなかった会話も、スマートフォンなどを活用し、しだいに楽しく話せるようになり、その後の自由時間を一緒に観光等で過ごした班もありました。
また、故宮博物院や九份・十分等の台北から離れた都市も訪れ、台湾の文化を知ることもできました。国内では味わうことのできない体験がたくさんでき、一回り成長した学生になって帰国しました。
13期生 臨床看護総論Ⅱ ひめマリアにて(終末期演習)
シミュレーションセンターのトレーナーの方から事前に提示された患者情報を基に、グループで必要情報は何かを考えました。その後、模擬患者さんのところに行き、代表の学生が患者さんの情報を収集します。
得られた情報からグループでアセスメントを行い、さらに必要な情報を収集します。
それらの情報から終末期の患者さんに必要な看護を考えていきました。最初は戸惑いもあった学生ですが、だんだん模擬患者さんやその家族背景を考えられました。また、グループワークをする中で自分とは違う意見を聞き、価値観の違いによって選択肢が異なることも実感しました。
災害看護実習
「看護の統合と実践」の実習科目内に、災害看護実習があります。施設に行く前に、校内でトリアージの方法、応急処置(三角巾や包帯法など)、担架による搬送法やトラウマメイクについて講義・演習を行いました。
7日の午前中は日本赤十字社兵庫県支部の方からトリアージ・救護ポジションについての講義を受けました。その後、外に出てトランシーバーの使用方法やワンタッチテントの組立て・たたみ方を教えていただきました。さらに、実際に自分達でトラウマメイクをして傷病者になり、大地震による災害を想定しシミュレーションを行いました。
午後からは、兵庫県災害医療センターの方から、基幹災害拠点病院について、DMATの活動の実際について講話をしていただき、センターの役割や災害医療体制、医療及び看護活動について学ぶ事が出来ました。
<災害シミュレーションの感想>
・看護師として赤エリアでの2次トリアージや応急処置を通して、目に見える外傷に気を取られず全身をチェックすることと早期に状態把握して優先度を決定し搬送できるようにすることの重要性を感じた。
・円滑な連携を図るために、簡潔明瞭に伝えることや情報の選択が必要であると感じた。また、すべてにおいて優先順位をつけて行動することが必要であり、そのことが、より多くの命を救うことにつながると考えた。
・傷病者役として1次トリアージで黄色と判断された後、長時間搬送を待たされた。自分の状態がどうなっているのか、これからどうなるのかが不安や恐怖でいっぱいだった。それを救助者に伝えたかったが、必死な姿を見て声がかけられなかった。この経験から、初めにトリアージをするときに簡潔明瞭に今の状態やこれから行うこと、優先順位によって少し処置を待っていただくことなどを伝えていれば少しでも不安の軽減につながるのではないかと考えた。