校長あいさつ

 本校は、平成二十年に県立龍野実業高等学校と県立新宮高等学校が発展的に統合されて開校しました。両校の伝統を受け継ぎつつ、全日制では工業系三科(電気情報システム科、環境建設工学科、総合デザイン科)、福祉科、看護科(専攻科を含む五年制)、そして定時制の商業科を併設した新しい学校として生まれ変わりました。とはいえ、例えば商業科であればその歴史は古く大正時代まで溯り、また、定時制としての歴史も第二次世界大戦直後から続いています。そして、龍野実業高等学校が旧龍野市地域において「北高」と呼ばれていたこと、その名称に愛着を感じられていた人々の思いも大切にしながら、本校龍野北高等学校は、「北高」「龍北」として創立十七年目を迎え、地域と協働した、特色ある教育活動を展開しています。
 本校が目指すこと、それは「ものづくり」「まちづくり」「ひとづくり」です。その三つの「つくり」を通して、豊かな人間性や感性を備えた、夢に「挑戦」するスペシャリストに成長してほしいと考えています。
 この三つの中で私が最も大切だと思っていることは、「ひとづくり」です。
 工業科を中心として「ものづくり」の技術を身につけていく学びは重要であり、その中で「ものづくり」の楽しさを感じてもらうことができればと思っています。そうして地域に貢献していく「ひと」になってもらえればと思いますが、その「ものづくり」は実は多くの人々の幸福につながっています。
 また、本校の教育活動においては地域の皆様、関係機関のご協力ご支援をいただきながら、社会に飛び出し様々な活動をする機会を設けることができていますが、そこには当然多種多様な「ひと」が存在します。「まちづくり」とは、新しい設備をつくる、新たなコミュニティを形成するというのが最終の目的ではなく、そこに住む人々の安心、楽しみ、幸せ感を生み出すことです。
 どのような行動をしても、必ず人に出会い、人と触れ合い、そして知らない誰かとつながっていくのが社会だからこそ、「ひとづくり」は重要なのではないでしょうか。
 本校の「ひとづくり」という教育目標には、生徒の皆さんが豊かな感性を備えた社会人となる礎をつくってほしいという思いが第一にありますが、また、皆さんが他人を思いやり、素敵な仲間をつくることのできる人になってほしいという願いもあり、また、多くの見知らぬ人々の幸福な生活を支えようとする、優しい社会をつくりあげる一員となりうる大人に育ってほしいという思いも込めています。
 現代社会は、本当に何が起こるかわからない、そして変化の速い社会です。そうした予測不可能な社会を生き抜いていくために、正しい判断力を持ち、溢れかえる情報を鵜呑みにすることなく、真実を見極め、直面する困難や課題を何とか克服しようとする心の強さと智恵を持つ。このようなたくましい人間になってもらうために、確かな知識を積み重ねながら実習や体験を重視した学習・探究活動、そして様々なコミュニーケションや予想外の成長を生み出す部活動を主な活動に据えた教育活動を展開しています。
 龍野北高校は現在進化中です。令和6年度においては文部科学省の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」の研究校にも指定され、さらに新たな教育活動を展開していきます。また従前のイベント・取組に関しても現状に満足することなく、新たな「挑戦」をしていきます。学校が「挑戦」をすることで生徒が「挑戦」する「ひと」になる。そう信じて本年度も特色ある教育活動を推進してまいりますので、ご理解ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

 

令和6年4月1日

兵庫県立龍野北高等学校

校 長  松 浦 弘 幹

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