塔陵健児のひとりごと

最後の校歌が風になる前に

明日は卒業式
百二十三の背中が
静かに
この学び舎から
未来へと歩き出す

「卒業」という言葉は
いつもやさしくて
でも少しだけ
胸の奥が
きゅっとなる

これからの人生に
こんな節目は
いくつあるだろう

同じ仲間と
笑い合うのも
今日が最後
同じ声で
校歌を歌うのも
今日が最後

もう二度と
会わない人がいるかもしれない
もう二度と
同じ歌を歌わないかもしれない

そう思うだけで
名前のない
さみしさが
心に降る

放課後の体育館
先生たちの手で
静かに整えられる
三年生の
最後の舞台

椅子の並び
壇上の光
マイクの位置

どれもが
「おめでとう」と
「ありがとう」を
形にしている

明日という日が
涙だけでなく
笑顔で満ちる日で
ありますように

百二十三人の
旅立ちに
やさしい風が
吹きますように