塔陵健児のひとりごと
掃除機のコード、どうやってしまうの?
少し前のお話です、音楽室を掃除してくれていた生徒が、こんな質問をしてきました。
「先生、この掃除機のコード、どうやってしまうんですか?」
最初は冗談かと思いましたが、真剣な表情。
よく聞いてみると、その生徒の家では充電式のスティック型掃除機しか使ったことがなく、コードを巻き取るタイプを見たことがなかったそうです。
そう言われてみれば、確かに最近は家の中の道具もどんどん変わってきています。
たとえば…
- 灯油ストーブの給油ポンプの使い方を知らない(家にストーブがない)
- 公衆電話の使い方がわからない(テレホンカードの存在も知らない)
- ビデオテープやカセットテープを巻き戻したことがない(巻き戻すって何?)
- 米を研ぐときに「最初の水はすぐ捨てる」理由を知らない
- マッチを擦ったことがない
- フィルムカメラを使ったことがない(現像って何?)
などなど。
私たちにとっては「当たり前にやってきたこと」でも、今の高校生にとってはまったく未知の世界、ということが実はたくさんあるのです。
生活の道具は時代とともに変わっていきます。
だからこそ、学校でちょっとした場面に出会う「初めての経験」が、逆に貴重な学びになっているのかもしれませんね。
掃除機のコードひとつにも、「時代の流れ」が隠れている。
そんな気づきをきっかけに、学校では学問だけでなく生活体験も大切にしていきたいと改めて感じました。
あなたは米を研ぐときに「最初の水はすぐ捨てる」理由を知っていますか?